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食事が届き、お腹の虫がぐぅ~と鳴き出してからやっと三枝は戻ってきた。
スーツ姿に緊張した面持ちの事務局長が、わざわざここまで案内してくれたようだ。
桜宮家から菊川家に出ている俺にまで、丁寧に挨拶をしようとするから萩野が早く席を外すように言ってくれて助かった。

俺は、来年には籍も菊川家に入るんだ。
桜宮家とは、徐々に距離を置いた方が後々トラブルの種にならないだろう。
何が足を引っ張るかわからないからな。
弟の咲夜に迷惑をかけたくない。


「はぁ~、めっちゃお腹空いた~」


三枝は、俺達の心配を余所に、日替り定食の和風おからハンバーグを早速ペロリと食べきっている。
一方の俺と樟葉は、お腹は空いているんだがなかなか食べることに集中できない。
樟葉の手は、小さなオムライスを半分崩して止まっているし。
俺も、ポロポロ箸からおひたしや焼き鮭を取り零してしまい、萩野が冷たい目を向けてくる。

「常に平常心」を求められているのはわかるんだが、今回は無理だ!
だって、三枝がΩとか・・・
βの証明は持っているのに、なんでΩで間違いないんだ?

「醤油ベースの玉ねぎソースがめっちゃ美味しかったぁ~」と笑顔で話しかけてくる三枝。
もし、Ωで。
三枝がΩだと知ったら・・・この笑顔を、見れなくなるのかもしれない。
俺と三枝の関係も、変わるんだろうか?

キリキリ、胃まで痛くなりそうだ。
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