Ωにしちゃってゴメンナサイ

三日月

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6 会議室

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 ついそこまで考察してしまったが、豆村は極力深く関わらないでおきたかったことを思い出しさっさと頭から考えを消した。もしそれを鋼に尋ねて正解だと言われたところで、誰にも漏らせず自分が抱える荷物が増えるだけだ。
 (俺は俺のすべきことをするんだ)
 決意を新たに千里の様子を伺う。鋼の隣に座ってはいるが、鋼が距離を詰めてくると即避けるように横へ移動している。それでも近付いてくる鋼をキッと睨みつけているが、鋼は気にせずニコニコ笑顔でピッタリと寄り添ってくるから遂にその場に立ち上がってしまった。
「えー、ちーちゃん避けないでよ」
「避けるに決まっているだろうが」
 呑気な鋼と冷徹な千里。二人の温度差は激しく違い、心労を抱えているのは一方的に千里なのが明白だ。この部屋に入ってからずっと緊張で強張っている表情は、どんよりと憂鬱で皆を的確に指揮していた生徒会長とは別人のよう。今まで千里の中心を正しく支えていた芯が、大きく揺らぎ歪み動揺しているのは明らかだ。
 (こんな状況で学校生活を続けさせるなんて、酷だよな)
 豆村は、養護教諭の身でありながらそれをさせてしまうことに申し訳なく思う。Ωになったという色眼鏡で見なければ、不調を抱えた生徒をその不調の原因である生徒と寮を同室にして一緒に過ごせと強要することは教師としてあり得ない。
 鋼も千里も御三家が関わっていることは知らされていないらしく、総括理事長は三冠生徒会長を中退させるには理由付も難しく(千里の名前はOBにも知られている)卒業まで在籍するようにとこちらから条件をつけたように取り繕い寮の部屋まで変えているのだ。
 確かに、他の生徒と同室にするわけには行かないが、空き部屋だってある。個室に変えたほうが千里のためだ。(今からでも遅くない。手続きをし直すよう、統括理事長に進言してみようか)
 御三家からのお達しにより変異種Ωの面倒を見なければならない、と言うことに気を取られ千里個人のケアまで細かく考えることが出来ていなかった。豆村が後悔していると、ジッと見られていることに気付いた千里から「あの、お話があると伺ったのですが・・・」と話を切り出されていた。
「あ、あぁ、そうだよ。
 今回の話は、統括理事長と俺しか知らないから、穂高が今後困ったことがあれば俺に言ってきてくれれば良いからね」
「ありがとうございます。
 よろしくお願いします」
 豆村は、こんな状況でも礼儀正しく頭を下げ感謝を述べる千里に感心しつつ、心配になる。いくら三冠生徒会長に拘っていたからと言って、Ωになれば当然四季会にも入会出来ないしその名誉はないも同然。あんな理由に納得し、学園生活を続ける気で本当にいるのだろうか。かと言って、もし千里が退学すると言い出してもこちらとしては受理出来はしないのだが。
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