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弥勒過去編(瑛二&白銀)
お腹 2
しおりを挟む「泣くくらいなら、我慢すんなよ」
僕を胸に抱きしめて、ポンポンと軽く頭を包んでくれる。
瑛二はいつだって、僕に優しい。
優しいから、心配かけたくなかったのに・・・
「・・・僕、食べ過ぎて、お腹が膨らんできてるんだ。
だから、控えなきゃって」
「はぁ?
それなら、そう言えばいいだろ?
だから、全然着物も脱ぎたがらなかったのか?」
「瑛二に、心配、かけたくないし。
僕の身体が、瑛二を・・・拒んでるなんて知られたくなかったんだ」
グズグズに泣く僕を、瑛二は笑って受け止める。
「お前、そんなことで顔に傷作るくらい噛むなよ。
犬歯が当ってるとこ、穴開いてんだぜ?」
顔を上げた僕の目元や口元に、瑛二の唇が触れて。
僕はますます涙が止まらない。
優しい瑛二も、カッコいい。
「食べ過ぎて太るって・・・人間と一緒だな。
ちゃんと見せろよ」
僕は瑛二の言葉に従い着物を消す。
クリスマスからずっと、僕のお腹は膨らんできて。
鬼の姿でもそれがはっきり分かるくらいになだらかな山を作っている。
「他は全然かわんねーのに、ココだけか。
白銀があまりに可愛くて、やりすぎたかな・・・
いつから気付いてたんだよ?」
「クリスマス・・・人間になった方が、もっと目立つんだ」
瑛一の身体に変化して、その腹部を見てもらう。
ぽっこり出ているお腹は、違和感がありすぎる。
瑛二も、驚いたのか。
向かい合わせのまま、僕の腹部から目を離せない。
「断食しても、へこまないし・・・僕はもっと瑛二を食べたいのに」
膨らんだお腹をグニっと掴もうとして、瑛二の手がその上に重なり止められてしまった。
なんだろう、瑛二、緊張してる??
心拍数が上がってる。
目も、見開いて・・・
「や、やっぱり気持ち悪いよねっ」
慌てて白銀の姿に戻り、着物を着てしまう。
見せない方が良かった。
もう、抱いてもらえない・・・
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