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弥勒過去編(瑛二&白銀)
一葉 2
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こうして瑛二は。
神宮寺家始まって以来の、家族から鬼落ちを生きながらえさせた当主であり。
弥勒家始まって以来の角無し鬼を持ち。
更に、神宮寺家始まって以来の、敷地を出た本家当主として名前を売ることになった。
誰にも知られないところでの出産は、瑛二にとって絶対に譲れない課題。
僕が妊娠出来る事実を隠し。
何が産まれるかわからない将来に備える。
3月から僕と瑛二は、セキュリティーシステムも堅固な高層マンションへ引っ越した。
僕の貯金を使わせてもらうといわれたけど、本当は瑛二のためだけに使って欲しかったので複雑だ。
最上階を空けさせるために、心霊現象もどきまで僕は実演することになった・・・しね。
風を操る僕がいれば、地震や火事でも空から逃げれる。
高さは気にならない。
むしろ、周囲の視線を気にしなくていいから部屋では僕が化ける必要もないと瑛二が理由を教えてくれた。
ガスの代わりに薪を使うような古民家に住んでたから、急に設備が整って家事も随分楽になった。
「あの、瑛二・・・大丈夫?」
引越しを終えた次の日から、瑛二は急に勉強まで始めて。
今まで適当に力を抜いていたのに、中学時代の教科書も含めて復習。
その傍らで、図書館から借りてきた妊娠・出産関連の書籍を僕と一緒に見たり。
学校や仕事、修行にもいったり、めまぐるしく動いている。
それなのに、僕にも毎日食事をとれるように・・・気を使ってくれて。
さすがに、僕も我に返ることが出来た。
僕の優先したいことは、食欲じゃないっ
瑛二もこれだけ動いてくれてるんだから、僕も瑛二の子どものために頭を切り替えないと!
「あぁ、心配・・・すんな」
僕のお腹が大きくなったせいで、仕事に同行することも出来ない。
仕事帰りの日は、ほぼ毎回、玄関まで迎えに行った僕の腕の中へ倒れこんでくる瑛二。
そのまま、眠ってしまう・・・疲れすぎだよ。
寝ている瑛二の服を脱がしたり、お風呂に入れたりするのに怪力は役立つけど。
鬼の力を他に使う術がない。
僕の出来ることは、本当に限られている。
味覚の変化でレシピ通りにしか作れないながらも、料理をしたり。
お腹が目立ちすぎるから外出はするなと釘を刺されるまで、彰姫に化けて買い物もして。
でも、それ以上はなかなか出来なくてジレンマ。
瑛二とも話し合って、平日は瑛二が疲れないよう唾液での補充に留めたのは、僕なりにかなり苦渋の選択。
「早産ならいつ出てきてもおかしくないんだからな。
頑丈な身体を過信して、白銀が無理する方が俺には辛い。
子どもより、お前が一番大切なのは変わりねーし」
瑛二にそんな風に言われたら、僕も食欲をギリギリまで削るしかないよ・・・
その分、絶対産み終わったら暴食しそう!
毎日慌しくしているうちに、出産当日を向かえ。
痛みはないけど、音の変化を捕らえた僕が瑛二の登校を止めて貰って。
GWを過ぎた5月10日。
僕と瑛二の子ども、弥勒 一葉(みろく ひとは)は産まれた。
----ー人間の男児として。
神宮寺家始まって以来の、家族から鬼落ちを生きながらえさせた当主であり。
弥勒家始まって以来の角無し鬼を持ち。
更に、神宮寺家始まって以来の、敷地を出た本家当主として名前を売ることになった。
誰にも知られないところでの出産は、瑛二にとって絶対に譲れない課題。
僕が妊娠出来る事実を隠し。
何が産まれるかわからない将来に備える。
3月から僕と瑛二は、セキュリティーシステムも堅固な高層マンションへ引っ越した。
僕の貯金を使わせてもらうといわれたけど、本当は瑛二のためだけに使って欲しかったので複雑だ。
最上階を空けさせるために、心霊現象もどきまで僕は実演することになった・・・しね。
風を操る僕がいれば、地震や火事でも空から逃げれる。
高さは気にならない。
むしろ、周囲の視線を気にしなくていいから部屋では僕が化ける必要もないと瑛二が理由を教えてくれた。
ガスの代わりに薪を使うような古民家に住んでたから、急に設備が整って家事も随分楽になった。
「あの、瑛二・・・大丈夫?」
引越しを終えた次の日から、瑛二は急に勉強まで始めて。
今まで適当に力を抜いていたのに、中学時代の教科書も含めて復習。
その傍らで、図書館から借りてきた妊娠・出産関連の書籍を僕と一緒に見たり。
学校や仕事、修行にもいったり、めまぐるしく動いている。
それなのに、僕にも毎日食事をとれるように・・・気を使ってくれて。
さすがに、僕も我に返ることが出来た。
僕の優先したいことは、食欲じゃないっ
瑛二もこれだけ動いてくれてるんだから、僕も瑛二の子どものために頭を切り替えないと!
「あぁ、心配・・・すんな」
僕のお腹が大きくなったせいで、仕事に同行することも出来ない。
仕事帰りの日は、ほぼ毎回、玄関まで迎えに行った僕の腕の中へ倒れこんでくる瑛二。
そのまま、眠ってしまう・・・疲れすぎだよ。
寝ている瑛二の服を脱がしたり、お風呂に入れたりするのに怪力は役立つけど。
鬼の力を他に使う術がない。
僕の出来ることは、本当に限られている。
味覚の変化でレシピ通りにしか作れないながらも、料理をしたり。
お腹が目立ちすぎるから外出はするなと釘を刺されるまで、彰姫に化けて買い物もして。
でも、それ以上はなかなか出来なくてジレンマ。
瑛二とも話し合って、平日は瑛二が疲れないよう唾液での補充に留めたのは、僕なりにかなり苦渋の選択。
「早産ならいつ出てきてもおかしくないんだからな。
頑丈な身体を過信して、白銀が無理する方が俺には辛い。
子どもより、お前が一番大切なのは変わりねーし」
瑛二にそんな風に言われたら、僕も食欲をギリギリまで削るしかないよ・・・
その分、絶対産み終わったら暴食しそう!
毎日慌しくしているうちに、出産当日を向かえ。
痛みはないけど、音の変化を捕らえた僕が瑛二の登校を止めて貰って。
GWを過ぎた5月10日。
僕と瑛二の子ども、弥勒 一葉(みろく ひとは)は産まれた。
----ー人間の男児として。
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