36 / 195
前日譚(黒曜&雅)
流れる血
しおりを挟む
俺、相澤 雅は見とれていた。
ボタボタと、自分の右腕の切り傷から。
次々溢れてくる血の珠に。
そこから筋を作り流れる血の線に。
「やっぱ、赤かったんだなぁ」
ばあちゃんに頼まれた物置小屋の掃除。
80を越えたばあちゃんから春休みに頼まれていた。
ずっとほったらかしにしてるけど、そろそろ整理したいって。
教会のイベントに毎年使うもん以外の諸々。
普段は立ち入ることがないから、埃だらけになってるものを外に出してくれないかって。
朝から始めた大掃除。
そこでうっかり棚の上から鏡を落とし、その破片でザックリと腕にキズが。
油断してたなぁ。
俺、一回も怪我したことなかったから。
どんだけ高いとこから落ちても。
喧嘩で窓ガラスに吹っ飛ばされても。
痛みは感じるし、服は破れてぼろぼろになっても。
身体は毎回、無傷。
周りに神憑ってると、不気味がられるくらいかすり傷ひとつついたことがない。
父さんから肌身離さず持つよう言われてるお守りのお陰なんじゃねぇの?って、毎回笑ってかわしてたけど。
ついに怪我したんだなぁ、俺。
そういや注射をする日に限って、体調悪くて休んだり。
たまたまばあちゃんが熱だしたり。
絶対受けなきゃいけない予防接種も、後から受け直した記憶がない。
そっか、俺。
針もついた記憶がなかったなぁ。
16年生きてて。
自分にキズがついたの、初めて見たかも。
床に血だまりが出来るのさえ珍しい。
痛みも忘れて、その赤さに見いってしまう。
次、いつ怪我出来るかわかんねぇし。
試しに割れた鏡を掌に握ってみる。
ズキッと痛みがあっても止めずに握りこむ。
そろそろいいかな?
適当なとこで指をパッと離したら。
バラバラと床に落ちた破片には、赤い血が混じっていた。
うわぁ、すげぇ。
ちゃんと怪我してるっ
腕も手も痛いのに、なんか浮かれてて。
近づいてくる気配に全然気づいてなかった。
なんで、血が出るようになったのか、とか。
疑問にも思ってなかった。
ボタボタと、自分の右腕の切り傷から。
次々溢れてくる血の珠に。
そこから筋を作り流れる血の線に。
「やっぱ、赤かったんだなぁ」
ばあちゃんに頼まれた物置小屋の掃除。
80を越えたばあちゃんから春休みに頼まれていた。
ずっとほったらかしにしてるけど、そろそろ整理したいって。
教会のイベントに毎年使うもん以外の諸々。
普段は立ち入ることがないから、埃だらけになってるものを外に出してくれないかって。
朝から始めた大掃除。
そこでうっかり棚の上から鏡を落とし、その破片でザックリと腕にキズが。
油断してたなぁ。
俺、一回も怪我したことなかったから。
どんだけ高いとこから落ちても。
喧嘩で窓ガラスに吹っ飛ばされても。
痛みは感じるし、服は破れてぼろぼろになっても。
身体は毎回、無傷。
周りに神憑ってると、不気味がられるくらいかすり傷ひとつついたことがない。
父さんから肌身離さず持つよう言われてるお守りのお陰なんじゃねぇの?って、毎回笑ってかわしてたけど。
ついに怪我したんだなぁ、俺。
そういや注射をする日に限って、体調悪くて休んだり。
たまたまばあちゃんが熱だしたり。
絶対受けなきゃいけない予防接種も、後から受け直した記憶がない。
そっか、俺。
針もついた記憶がなかったなぁ。
16年生きてて。
自分にキズがついたの、初めて見たかも。
床に血だまりが出来るのさえ珍しい。
痛みも忘れて、その赤さに見いってしまう。
次、いつ怪我出来るかわかんねぇし。
試しに割れた鏡を掌に握ってみる。
ズキッと痛みがあっても止めずに握りこむ。
そろそろいいかな?
適当なとこで指をパッと離したら。
バラバラと床に落ちた破片には、赤い血が混じっていた。
うわぁ、すげぇ。
ちゃんと怪我してるっ
腕も手も痛いのに、なんか浮かれてて。
近づいてくる気配に全然気づいてなかった。
なんで、血が出るようになったのか、とか。
疑問にも思ってなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】 男達の性宴
蔵屋
BL
僕が通う高校の学校医望月先生に
今夜8時に来るよう、青山のホテルに
誘われた。
ホテルに来れば会場に案内すると
言われ、会場案内図を渡された。
高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を
早くも社会人扱いする両親。
僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、
東京へ飛ばして行った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる