僕の初恋

humi

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第1章

動物園④

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トモ君を後部座席に寝かせ、泉さんは助手席へと言わんばかりに、紳士らしく助手席へ誘導する。

遠慮がちに、ありがとうございます。と言いながら助手席へ座る泉さんを見て即押し倒したくなるのを我慢した。

帰りの道中、泉さんが

「隆さん、今日は本当にありがとうございました!トモは本当に喜んでいました!
離婚してからと言うもの、仕事で忙しかったり、金銭的に難しかったりとしてたので、本当にありがとうございました!」

「いえ、楽しんでくれたみたいで、よかったです!
…あの、少し聞いてもいいですか?」

「はい、なんでしょう?」

「離婚して金銭的に厳しいという事ですが、元旦那さんからは養育費などもあるのですか?」

本当はこの前盗み聞きした時に貰ってないと知っているが、敢えて会話の為に聞く。

「…」

泉さんは俯いて黙ってしまった。

「すみません!図々しい質問してしまい」

「あ!いえ!そんな!正直、もう1年以上もらってません。離婚してから、ずっと連絡もないので」

苦笑いしながら話す泉さん。

「離婚の原因を聞いても?」

「そんな、聞いてもつまらないだけですよ!」

と言い、俯いて黙ってしまった。

しまった。

ズカズカと人様の人生に土足で入ってしまったかもしれない。。。

「すみません、図々しく」

それでも、泉さんは黙ったままだった。


あっという間に泉さんの家に着いてしまった。

「あの、泉さん!来週僕の誕生日なのですが、トモ君と来てくれませんか?」

そこでやっと顔を上げた泉さん

「え!あ、はい!どこでですか?」

「僕の家です!夜の7時から始まるのですが、是非ともトモ君に来てもらいたいのです」

「あの、正直どうしてこんなにトモを可愛がってくれるのかわからないのですが。。。」

どうして??

さて、どうしてなのか。。。

自分でも余り分からない。

「ハッキリとはわかりません。。。しかし、素直なトモ君の笑顔が見たいと思うのです。先日トモ君の誕生日会に会ってから、本当に良い子だと思いました。笑顔が可愛い子だと。だから、、、ですかね?」

「いや、ですかねって聞かれても。。。クスッ」

ロリコンの変態オヤジと思われたかなと内心ビクビクしてたが、クスッと笑ってくれた。

「分かりました。では、あゆみと話し3人で伺いますね!私は隆さんのメルアド知らないので」

そうだった!連絡先!

「じゃ、教えておきますね!」

「いえ!流石に友達の彼氏とメルアドを交換する訳にはいかないので!
では、土曜日に!今日はありがとうございました!」

車から降りた泉さんと同時に僕も降り、トモ君を部屋までおんぶしようとしたら、もうすぐそこですから、ありがとうとやんわり断られた。

2人が部屋に入るのを確認し、車に乗り込み助手席を、見つめた。

今までここにあの女性ヒトが座っていた。

途端に胸が熱くなった。

!!!

やはり何らかの病気かもしれない!
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