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第2章 勇者降臨編
前と後ろ
しおりを挟む森が囁くように、俺の耳にスッと入り込む言葉
彼の声色からして、俺を諦めてはいない
力強く、闇を照らす光ーー
「ゼ、ノッ‥」
まずいな‥噂をすればなんとやら
澄んだ青い双眼が、俺を切なく見つめる。
「帰ろう。ライトーー」
俺に手を伸ばすゼノくんに、思わず縋り付きたくなる。
だけど、俺にはまだやり遂げなきゃいけない事があるんだ。
光を掴み損ねて、闇に落っこちた運の悪い俺っちを、見捨てずに背負ってくれた幼い背中。
今では悪ガキ悪党鬼の子だけど、
寂しそうで実は弱っちいその背中の主を守らなきゃって、あの時心の底から思ったから
だから、君を否定する
めんご。
「邪魔だーーボスの通り道をふさぐんじゃねえよ、白髪野郎」
悲報、俺っちグレる。
絶望の表情のゼノくん。
それでも、キリッと眉を引き締めて、
なんと、俺の手を掴んだ。
これには俺もびっくり。
背後から追いついてきそうなボスから突き刺すような視線を感じる。
前には光、後ろには闇。
助けてドクター。
ここに精神異常者2名発見。
「ッおい、はなs」
「強制転移ーー発動ーーー」
うそん
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