人を洗脳してはいけません!

からぶり

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緑と裸ワイシャツと裸リボン

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「み……緑! 信じがたいことだが……間違いない、あの子たちは洗脳されている!」
「ああ……俺も半信半疑だったけど、一目でわかった……間違いないな」

 現れた女子小学生軍団を前にし、俺と通普は驚愕のあまり声を震わせる。

 半分は女の子らしく、フリフリがついてたりキャラクターがプリントされてたりと言った、かわいらしい服を着ている。
 これはいい。何も問題はない。いたって普通の小学生だ。

 その横。胸に名前が大きく書かれた体操服を着ている小学生。
 ……うん、まだいい。まだセーフだ。着替えないでそのまま帰って遊びに行っちゃう活発な子だっているだろう。

 そしてさらにその隣。上は普通の体操服だが、下はブルマを履いている。
 ……これは……せ、セーフか? だ、大丈夫だ。アウトかセーフかで言えばツ―ストライクと言ったところ。いまだにブルマを採用している特殊な学校もあるかもしれない。

 その隣には、明らかにサイズの合ってないワイシャツを着た小学生がいる。
 ……あ、アウト、だよな? でも、見えてないだけでワイシャツの中はきちんと上も下も身に着けているはず……たぶん。いやしかし、見た目裸ワイシャツの小学生はシャレにならない気がする。これは審議が必要だ。


 残りの二人。
 どこからどう見てもリボンを体に巻き付けているようにしか見えない。


「アウトォォオオオオッ!」

 条例に引っかかるわ! 一緒にいるだけでも問答無用で逮捕されるわ!

「ココア・ブラウン! 何だこの子たちの格好は!」
「われが着させたわけではないのだからしょうがないであろう」
「着させたわけじゃないだと? じゃあ何だ! この子たちが自ら進んでこんな格好をしたとでも言うつもりか!」
「さあ? われは関係ないし」
「『さあ?』って! 『さあ?』ってッ!!」

 もっと関心を持て! お前が無関係なわけあるか!

「あれだ、これはこの子たちの私服なのではないかの?」
「こんな前衛的で煽情的な小学生がいてたまるか!」
「わからんぞ? 最近の子供は進んでおるからの」
「どんなに進んでてもこの格好をするような新時代は来ねぇよ!」
「後考えられるとしたらあれだの」
「あれ?」
「洗脳の不具合」
「やっぱお前のせいじゃねぇかっ!」

 そもそも洗脳して不具合が起きるって大丈夫なのだろうか。危なくないか?

「ココア・ブラウン! 責任をもってきちんと洗脳しないと駄目だろ!」
「いや緑、そこは洗脳そのものをするなと言う場面だろ」

 おっとそうだった。通普に正論を言われてしまった。

「ふん、だからわれだって、こうしてきちんと試行錯誤しているのだ。洗脳機の扱いは難しいのだぞっ」
「人を練習台みたいに言うな!」
 洗脳の試行錯誤ってなんだよ! まだそんな段階の装置を実践に投入するな!

 そんなやり取りをしていたら、その話題の小学生たちの会話が聞こえてきた。
 何やらこちらを指さし、くすくすと笑っている。

『みて―、あのひとたち変なかっこー』
『ほんとだー』
『変なのー』
『変態さんだー』

 心配しているいるというのに、この子たちはなんてことを言ってくるんだ。それに変な格好なのは通普だけだろ。俺まで一緒にするな。
 あと裸ワイシャツと裸リボン! 君たちには言われたくないからな!

『おにごっこだってー』
『わー、たのしみー』
『まけないよー』

 自分たちの置かれている状況を理解していないのだろう、そんな小学生たちの気の向けるような話し声が聞こえてくる。
 とりあえず言いたいことはたくさんあるが、真っ先に思い浮かんだ言葉を言おう。

 ――場の雰囲気に合ってない!

「なあ緑、私はなぜ子供と鬼ごっこなんてほんわかしたことをしなければならないのだ」
「ほんわか……かなぁ、これ。むしろ切羽詰まってるというか、なんかこう、瀬戸際って感じがするけど」

 だ、だがしかし! こうして目の前に洗脳された子たちがいるんだ。さすがに知らんぷりするわけにもいかない。不本意ではあるが、通普の勝率を上げるため、俺も協力するとしよう。

「制限時間は三十分! それではスタートだ!」

 
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