7 / 31
緑と裸ワイシャツと裸リボン
しおりを挟む「み……緑! 信じがたいことだが……間違いない、あの子たちは洗脳されている!」
「ああ……俺も半信半疑だったけど、一目でわかった……間違いないな」
現れた女子小学生軍団を前にし、俺と通普は驚愕のあまり声を震わせる。
半分は女の子らしく、フリフリがついてたりキャラクターがプリントされてたりと言った、かわいらしい服を着ている。
これはいい。何も問題はない。いたって普通の小学生だ。
その横。胸に名前が大きく書かれた体操服を着ている小学生。
……うん、まだいい。まだセーフだ。着替えないでそのまま帰って遊びに行っちゃう活発な子だっているだろう。
そしてさらにその隣。上は普通の体操服だが、下はブルマを履いている。
……これは……せ、セーフか? だ、大丈夫だ。アウトかセーフかで言えばツ―ストライクと言ったところ。いまだにブルマを採用している特殊な学校もあるかもしれない。
その隣には、明らかにサイズの合ってないワイシャツを着た小学生がいる。
……あ、アウト、だよな? でも、見えてないだけでワイシャツの中はきちんと上も下も身に着けているはず……たぶん。いやしかし、見た目裸ワイシャツの小学生はシャレにならない気がする。これは審議が必要だ。
残りの二人。
どこからどう見てもリボンを体に巻き付けているようにしか見えない。
「アウトォォオオオオッ!」
条例に引っかかるわ! 一緒にいるだけでも問答無用で逮捕されるわ!
「ココア・ブラウン! 何だこの子たちの格好は!」
「われが着させたわけではないのだからしょうがないであろう」
「着させたわけじゃないだと? じゃあ何だ! この子たちが自ら進んでこんな格好をしたとでも言うつもりか!」
「さあ? われは関係ないし」
「『さあ?』って! 『さあ?』ってッ!!」
もっと関心を持て! お前が無関係なわけあるか!
「あれだ、これはこの子たちの私服なのではないかの?」
「こんな前衛的で煽情的な小学生がいてたまるか!」
「わからんぞ? 最近の子供は進んでおるからの」
「どんなに進んでてもこの格好をするような新時代は来ねぇよ!」
「後考えられるとしたらあれだの」
「あれ?」
「洗脳の不具合」
「やっぱお前のせいじゃねぇかっ!」
そもそも洗脳して不具合が起きるって大丈夫なのだろうか。危なくないか?
「ココア・ブラウン! 責任をもってきちんと洗脳しないと駄目だろ!」
「いや緑、そこは洗脳そのものをするなと言う場面だろ」
おっとそうだった。通普に正論を言われてしまった。
「ふん、だからわれだって、こうしてきちんと試行錯誤しているのだ。洗脳機の扱いは難しいのだぞっ」
「人を練習台みたいに言うな!」
洗脳の試行錯誤ってなんだよ! まだそんな段階の装置を実践に投入するな!
そんなやり取りをしていたら、その話題の小学生たちの会話が聞こえてきた。
何やらこちらを指さし、くすくすと笑っている。
『みて―、あのひとたち変なかっこー』
『ほんとだー』
『変なのー』
『変態さんだー』
心配しているいるというのに、この子たちはなんてことを言ってくるんだ。それに変な格好なのは通普だけだろ。俺まで一緒にするな。
あと裸ワイシャツと裸リボン! 君たちには言われたくないからな!
『おにごっこだってー』
『わー、たのしみー』
『まけないよー』
自分たちの置かれている状況を理解していないのだろう、そんな小学生たちの気の向けるような話し声が聞こえてくる。
とりあえず言いたいことはたくさんあるが、真っ先に思い浮かんだ言葉を言おう。
――場の雰囲気に合ってない!
「なあ緑、私はなぜ子供と鬼ごっこなんてほんわかしたことをしなければならないのだ」
「ほんわか……かなぁ、これ。むしろ切羽詰まってるというか、なんかこう、瀬戸際って感じがするけど」
だ、だがしかし! こうして目の前に洗脳された子たちがいるんだ。さすがに知らんぷりするわけにもいかない。不本意ではあるが、通普の勝率を上げるため、俺も協力するとしよう。
「制限時間は三十分! それではスタートだ!」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
君への気持ちが冷めたと夫から言われたので家出をしたら、知らぬ間に懸賞金が掛けられていました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【え? これってまさか私のこと?】
ソフィア・ヴァイロンは貧しい子爵家の令嬢だった。町の小さな雑貨店で働き、常連の男性客に密かに恋心を抱いていたある日のこと。父親から借金返済の為に結婚話を持ち掛けられる。断ることが出来ず、諦めて見合いをしようとした矢先、別の相手から結婚を申し込まれた。その相手こそ彼女が密かに思いを寄せていた青年だった。そこでソフィアは喜んで受け入れたのだが、望んでいたような結婚生活では無かった。そんなある日、「君への気持ちが冷めたと」と夫から告げられる。ショックを受けたソフィアは家出をして行方をくらませたのだが、夫から懸賞金を掛けられていたことを知る――
※他サイトでも投稿中
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる