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10、ルイーズという人【ソフィの回想】
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――この世には生まれながらの美人がいると実感した。
私、ソフィ・ハントは商人の娘である。
『ハント商会』は祖父が立ち上げたもので、当時はかなり苦労したと聞かされていた。
父も小さい時は、まだそこまで繁盛していなかったから、苦労したと。
だから、父も幼いながらもその姿を見ていて色々思うことがあって、早くから祖父の手伝いをして、少しずつ商売を覚えたらしい。
そのおかげで、12、3歳の頃には、一人でも仕事を任せられる程に仕事ができたそう。
それから、徐々に祖父から大きな仕事も任せられるようになっていき、徐々に顧客からの信頼も勝ち取っていたらしい。
その頃に男爵令嬢だった母と知り合い、後に恋に落ちたそう。
それから恋人となって、わりとすぐに結婚することになったらしいけど、それはできたとかではなく、ちょうど仕事が忙しくなってきていて、その時を逃すと数年は、もしかしたら結婚式を挙げることができないかもしれないと言うことになったから、というのが理由。
そうして、自分たちの商売の力も見せる意味も含めて、短期間で結婚式の準備をしたそうだ。
勿論、短期間で用意した結婚式だから規模は小規模だったけど、その変わりにとても質の良い結婚式を用意できたらしい。
一見地味だけど、よく見れば……見る人が見れば……そんな感じの結婚式とドレスが用意されたらしい。
ただ、結婚後、わりとすぐに妊娠した母は、一番大事な時期が仕事の忙しい時期と重なってしまい、当時、かなり危険なこともあったらしく、危うく兄は生まれなかったかもしれないと聞いて驚いたほどだった。
そのおかげで、以降の妊娠にはかなり神経質となったようで、姉や自分、妹の時は、かなり凄かったと聞いた。
ーーなので、家族仲はとてもよかった。
だから、小さい時に父や兄にくっついてお仕事について行こうとすると、かなり反対された。
それでも諦めなかった私に、少しずつ、安全な場所でのお仕事見学が許可された。
所詮は見学だったから、取引相手もただの子供として、微笑ましそうに見られるだけでしたが、それでも見学して良かったと思ったソフィ。
ーーそうして、お仕事見学の中で私は天使に出会ってしまった。
とある貴族の屋敷にサンプルを持っていくのに同行したソフィは、大きくて綺麗な屋敷にドキドキ緊張していた。
応接室のゲーブルにサンプルを並べて、貴族の夫婦に見せていると、ノックの後に綺麗な女の子が入ってくる。
伯爵が娘のルイーズだと紹介してくれると、ソフィも父親に娘だと改めて紹介されて、子供同士で挨拶する。
目があったと思ったら、すぐにお茶に誘われて父親の許可が出ると、ルイーズに手を引かれてついていく。
廊下を進み、庭に出るかと思っていると、横に逸れてついたのは小さな温室だった。
中に入ると、奥のテーブルにはすでにお茶やお菓子が用意されていて、いつの間にか現れた侍女に椅子を引いて貰ってテーブルにつく。
正直、目の前に座る綺麗な貴族の女の子……天使のような女の子がいるだけで、優雅に紅茶を飲んだり、お菓子を食べたりするだけで、思わず見とれてしまい、何度、慌てて誤魔化すようにお茶を飲んだり、お菓子を食べたことか。
だから、何を話したのかも覚えていなかったけど、目の前の天使と友達になってから少しして、この出会いの日のことを改めて聞いてみて、実は何も話をしなかったと聞かされて、その時、どんなに恥ずかしい思いをしてしまったか、今でも覚えている程に忘れられない思い出になったのだった。
私、ソフィ・ハントは商人の娘である。
『ハント商会』は祖父が立ち上げたもので、当時はかなり苦労したと聞かされていた。
父も小さい時は、まだそこまで繁盛していなかったから、苦労したと。
だから、父も幼いながらもその姿を見ていて色々思うことがあって、早くから祖父の手伝いをして、少しずつ商売を覚えたらしい。
そのおかげで、12、3歳の頃には、一人でも仕事を任せられる程に仕事ができたそう。
それから、徐々に祖父から大きな仕事も任せられるようになっていき、徐々に顧客からの信頼も勝ち取っていたらしい。
その頃に男爵令嬢だった母と知り合い、後に恋に落ちたそう。
それから恋人となって、わりとすぐに結婚することになったらしいけど、それはできたとかではなく、ちょうど仕事が忙しくなってきていて、その時を逃すと数年は、もしかしたら結婚式を挙げることができないかもしれないと言うことになったから、というのが理由。
そうして、自分たちの商売の力も見せる意味も含めて、短期間で結婚式の準備をしたそうだ。
勿論、短期間で用意した結婚式だから規模は小規模だったけど、その変わりにとても質の良い結婚式を用意できたらしい。
一見地味だけど、よく見れば……見る人が見れば……そんな感じの結婚式とドレスが用意されたらしい。
ただ、結婚後、わりとすぐに妊娠した母は、一番大事な時期が仕事の忙しい時期と重なってしまい、当時、かなり危険なこともあったらしく、危うく兄は生まれなかったかもしれないと聞いて驚いたほどだった。
そのおかげで、以降の妊娠にはかなり神経質となったようで、姉や自分、妹の時は、かなり凄かったと聞いた。
ーーなので、家族仲はとてもよかった。
だから、小さい時に父や兄にくっついてお仕事について行こうとすると、かなり反対された。
それでも諦めなかった私に、少しずつ、安全な場所でのお仕事見学が許可された。
所詮は見学だったから、取引相手もただの子供として、微笑ましそうに見られるだけでしたが、それでも見学して良かったと思ったソフィ。
ーーそうして、お仕事見学の中で私は天使に出会ってしまった。
とある貴族の屋敷にサンプルを持っていくのに同行したソフィは、大きくて綺麗な屋敷にドキドキ緊張していた。
応接室のゲーブルにサンプルを並べて、貴族の夫婦に見せていると、ノックの後に綺麗な女の子が入ってくる。
伯爵が娘のルイーズだと紹介してくれると、ソフィも父親に娘だと改めて紹介されて、子供同士で挨拶する。
目があったと思ったら、すぐにお茶に誘われて父親の許可が出ると、ルイーズに手を引かれてついていく。
廊下を進み、庭に出るかと思っていると、横に逸れてついたのは小さな温室だった。
中に入ると、奥のテーブルにはすでにお茶やお菓子が用意されていて、いつの間にか現れた侍女に椅子を引いて貰ってテーブルにつく。
正直、目の前に座る綺麗な貴族の女の子……天使のような女の子がいるだけで、優雅に紅茶を飲んだり、お菓子を食べたりするだけで、思わず見とれてしまい、何度、慌てて誤魔化すようにお茶を飲んだり、お菓子を食べたことか。
だから、何を話したのかも覚えていなかったけど、目の前の天使と友達になってから少しして、この出会いの日のことを改めて聞いてみて、実は何も話をしなかったと聞かされて、その時、どんなに恥ずかしい思いをしてしまったか、今でも覚えている程に忘れられない思い出になったのだった。
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