小説の悪党公爵とお見合い結婚することになっちゃいました

月冴桃桜

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2、ここは何の世界?

ーーソファに座らされて、美人侍女から手当てを受ける。

「(……あれ? 普通に手当てしてる。)」

ケースに入った瓶や包帯などを持ってきて手当てを始める美人侍女。

「(……う~ん。せっかく異世界なんだから、とかないのかな? それとも、ない?)」

ぼんやりと美人侍女が手当てしているのを見つめていると、消毒液らしきものをつけた白い布で手のひらの傷をしばらく拭うと、今度は消毒液らしきものをつけた別の白い布で膝の傷を拭う。

ーー消毒液をつけられて、痛くないのかと聞かれたら、決して痛くないってこともないけど、不思議と我慢できていた。

体はまだまだ全然子供だったけど、中身がからかもしれない。

美人侍女は使った白い布を別の侍女に渡すと、もう一度私の手を取って傷がある手のひらの方を上に向けさせた。

何だろうか、包帯でも巻くのかーーと見ていると、美人侍女が手をかざして、「クリーン」と呪文を唱える。

「ーーーおお!」

怪我が治ったのを見て思わず声が出てしまった。

ーーだって、《》だよ!!

現代日本人にそんなもの見せられた日には、もう、興奮しかない。

「ーーーッ。」

そんな風に興奮して、不信がられたんじゃないかと思って様子を伺うと、侍女たちの反応を見ても大丈夫そうでホッとする。

もしかしたら、前世の記憶を取り戻す前も魔法はまだ見たことがなかったのかもしれない。もしくは、魔法見たことあるけど、子供らしく同じような反応をしていた、とか?

ーーとにかく、今はそれほど問題になっていないみたいね。

でも、今はいいけど、は気を付けないといけにわね……なるべく。

「(………それでも)」と、情報も必要だったし、意を決して聞いてみることにした。

「………ねえ、どうして消毒2回もしたの?」

私の《》に、一瞬だけ驚いたような表情を見せたものの、すぐに美人侍女はニッコリと笑うと、

「……本来は魔法だけで良かったのですが、転んだ場所には砂があったので、下級のクリーンの魔法では痛みを伴ってしまうかもしれないのと、私のクリーンとヒールでは弱いかもしれないので、念には念をいれて先に消毒液を使わさせて頂きました。」

念には念を……と、何よりも私のことを気遣ってくれていたことに嬉しくなってしまう。

「大切なお嬢様のお肌に少しでもき傷を残しておくわけにはいきませんので……。」

美人の侍女は私のことを本当に考えてくれて気遣ってくれているようだったけどーー他の人はどうなんだろうか?

さっきの美人侍女の言葉にところを見ると、他の侍女たちはに傷なんかつけて、その責任を取らされてと、を一番にしているようにしていたみたいだね。

ーーまあ、人間なんてそんなものか。
大抵の人はまずは自分のことを守る。

「(………ふむ。)」

自分の心配していた中にも私のことを心配しているのも垣間見えた。

ーーなるほど、ってところか。

結局、《》とか《》といった目に見える分かりやすいものに反応を示すってことなのかな。

ーーあとは……が一番の問題になりそうだなぁ。何せなのだから。

色々と心配なことがありそうだけど、ひとまず頑張るしかないのだということがひしひしと伝わってくる。

ーーまあ、この世界にも学校的なものがあるだろうから、そういうところで学ぶしかないか。

「(ーーーさて、ひとまず先に把握しなければならないのは、ってところかな)」

ーー『小説の世界』であれば、《》なのか、ただのラノベなのか、何か特殊小説の世界なのか、
ーー『ゲームの世界』であれば、《》なのか、シュミレーション系ゲームなのか、今流行りの乙女ゲームの世界なのか。

ーーこの世界で生き抜くためにも、なるべく早くこの世界が調べないとダメね。でないと、悪いものへの対抗手段も分からないし……。

「(………でも、どうやって調べればいいんだろ?)」

私はこれから、と調のだった。
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