8 / 50
第一章 冒険の始まり
はじめてのたたかい 3
しおりを挟む
テオは大きく踏み込み、まずスライムを叩き斬った。
スライムは逃げようとしたが避け切れず、プシュッと気の抜けた音を立ててその場に溶けていった。
残るはヘルドッグ一体だ。
しかし、テオも先程噛まれた傷口がズキズキと響き始めている。もしかしたら毒に冒されたのかもしれない。
「畜生……」
テオは歯ぎしりしながらヘルドッグと向き合った。
ヘルドッグもまた身構えて、今にも飛びかからんばかりの姿勢で低い唸り声を上げている。
ヘルドッグが前脚で大地を蹴り、高々とジャンプした瞬間、テオは掲げていた剣を力一杯振り下ろした。
「よしっ!」
クリティカル・ヒット!
剣の切っ先は筋肉で盛り上がった肩に食い込み、そのままヘルドッグのしなやかな体躯を袈裟懸けに斬り落とした。
真っ二つに割れたヘルドッグの身体がどうと倒れる。
地面にはたちまち血溜まりが広がり、テオの装備も返り血で真っ赤に染まった。
「終わった……」
テオは剣を杖代わりにして自らの身体を支えつつ、しばらく荒い呼吸を繰り返していた。
初戦でスライム六体とヘルドッグ一体を倒した。
手間は食ったが、なかなかの戦績ではないだろうか。テオは傷付いた身体のうちにも経験値が積み上がってゆくのを感じていた。
「そうだ、金!」
忘れるところだった。
テオが戦ったのは町のみんなを救うためでも経験値を獲得するためでもない。獲物の死骸を町に持ち込んで、買い取ってくれそうな人を探さなければ。
モンスターの存在は町の住人にとって脅威だが、その肉は貴重なタンパク源として、また毛皮は武器や防具のパーツとして利用されてもいる。
冒険者たちは旅の途上で狩ったモンスターを町に持ち込み、買い手を探してギルを得ることで宿代を稼ぐのだ。
崩れてしまったスライムは金にならないが、ヘルドッグの肉や毛皮、骨なんかはきっと売れるだろう。
そう思えば、怪我を負っても戦った意味はあるというものだ。
「いくらになるかな。高く売れるといいな」
テオはうきうきと独りごとを言いながら、倒したヘルドッグの死骸をせっせと麻袋に詰め込んだ。
スライムは逃げようとしたが避け切れず、プシュッと気の抜けた音を立ててその場に溶けていった。
残るはヘルドッグ一体だ。
しかし、テオも先程噛まれた傷口がズキズキと響き始めている。もしかしたら毒に冒されたのかもしれない。
「畜生……」
テオは歯ぎしりしながらヘルドッグと向き合った。
ヘルドッグもまた身構えて、今にも飛びかからんばかりの姿勢で低い唸り声を上げている。
ヘルドッグが前脚で大地を蹴り、高々とジャンプした瞬間、テオは掲げていた剣を力一杯振り下ろした。
「よしっ!」
クリティカル・ヒット!
剣の切っ先は筋肉で盛り上がった肩に食い込み、そのままヘルドッグのしなやかな体躯を袈裟懸けに斬り落とした。
真っ二つに割れたヘルドッグの身体がどうと倒れる。
地面にはたちまち血溜まりが広がり、テオの装備も返り血で真っ赤に染まった。
「終わった……」
テオは剣を杖代わりにして自らの身体を支えつつ、しばらく荒い呼吸を繰り返していた。
初戦でスライム六体とヘルドッグ一体を倒した。
手間は食ったが、なかなかの戦績ではないだろうか。テオは傷付いた身体のうちにも経験値が積み上がってゆくのを感じていた。
「そうだ、金!」
忘れるところだった。
テオが戦ったのは町のみんなを救うためでも経験値を獲得するためでもない。獲物の死骸を町に持ち込んで、買い取ってくれそうな人を探さなければ。
モンスターの存在は町の住人にとって脅威だが、その肉は貴重なタンパク源として、また毛皮は武器や防具のパーツとして利用されてもいる。
冒険者たちは旅の途上で狩ったモンスターを町に持ち込み、買い手を探してギルを得ることで宿代を稼ぐのだ。
崩れてしまったスライムは金にならないが、ヘルドッグの肉や毛皮、骨なんかはきっと売れるだろう。
そう思えば、怪我を負っても戦った意味はあるというものだ。
「いくらになるかな。高く売れるといいな」
テオはうきうきと独りごとを言いながら、倒したヘルドッグの死骸をせっせと麻袋に詰め込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
大ッ嫌いな英雄様達に告ぐ
鮭とば
ファンタジー
剣があって、魔法があって、けれども機械はない世界。妖魔族、俗に言う魔族と人間族の、原因は最早誰にもわからない、終わらない小競り合いに、いつからあらわれたのかは皆わからないが、一旦の終止符をねじ込んだ聖女様と、それを守る5人の英雄様。
それが約50年前。
聖女様はそれから2回代替わりをし、数年前に3回目の代替わりをしたばかりで、英雄様は数え切れないぐらい替わってる。
英雄の座は常に5つで、基本的にどこから英雄を選ぶかは決まってる。
俺は、なんとしても、聖女様のすぐ隣に居たい。
でも…英雄は5人もいらないな。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる