異世界ぽっちゃり無双 チートスキル『暴食』で最強&飯テロセカンドライフを満喫します!

空戯ケイ

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交易都市ラグリージュへ赴いちゃう、ぽっちゃり

第257話  言い当てられちゃう、ぽっちゃり

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 エミリーから教えてもらい、わたしも街の異変に気がついた。
 明らかになにかが変わっているという訳ではないけれど、どこか皆浮わついているというか、ざわめいている感じがする。
 これは何かわたしの知らない事件が起こっているのかもしれない。
 そう考えたわたしは、とりあえず手近な人に尋ねてみようと思い立つ。
 すると、丁度いいところにわたしの目の前を困り顔のおじさんが通りがかったから、すかさず話しかけてみた。

 すると、開口一番おじさんから発されたのは、意外な言葉だった。

「嬢ちゃんもしかして……そこの店のオーナーか?」

 いきなり言い当てられたわたしは、ドキンっと心臓が跳ねる。
 そして、少し怪しみながら答えた。

「そうですけど……なんで知ってるんですか?」
「なぁに、俺もここいらで店構えて商売してる商人だからよ。この辺りで店が開いた潰れたって情報にゃあちょっとばかし詳しいのさ」
「え、おじさんも商人なの?」 
「おうよ! ここいらじゃそこそこ息の長い商売やってんだぜ! で、そこの店は貸し店舗だったはずだが、何日か前から他所の男が借りていたそうだな。しかしなぜか途中で賃貸契約は破棄されちまったみたいだが、その後に新たな借り手となったのが嬢ちゃんってわけだろ?」

 もう流れまで完全に言い当てられている。
 これはさすがに言い逃れはできないね。

「うん、そうだよ。ただ、そこまでバレてるなんて思わなかったけど……」
「がははは! 商人は情報が命だからな! 些細な情報でも敏感にキャッチするセンサーが重要なんだぜ! 嬢ちゃんも商人の端くれだってんなら、これくらいは覚えときな!」 
「はは、精進します」

 まあ、わたしのメインの職業は一応冒険者ってことになってるから、商売は片手間でやってるだけだけどね。
 言うなれば趣味の延長戦みたいなものだ。
 別に商売で荒稼ぎしてやろうなんて野心もないし、ドルートさんみたいに店舗を大量に増やして大組織に成長してやろうなんて計画もない。
 自分が楽しければそれでいい、っていうのが今のところのわたしの商人としてのスタンスだ。

「ここら辺の商人や住人からの情報を聞く限りじゃ、どうやらあの店は飲食店として出展するみたいだな。狙いはもちろん海豊祭かいほうさいだろう?」
「そうだね。せっかくお祭りが控えてるっていうなら、それに参加してみるのも一興かと思って」

 このラグリージュには毎年この時期に街全体で大きなお祭りをやっているらしい。
 その名も『海豊祭かいほうさい』。
 例年とても盛況なお祭りらしいけど、いよいよその開催も明日に控えている。
 街も飾り付けなんかが行われているから、普通の状態でも騒がしめではあるのだ。

 だけど、今日のこの喧騒は昨日までのものとはどこか質が異なる。
 その真相を確かめるため、わたしは脱線した話題を正し、本題を切り出した。

「それで、街に何かあったの? もしかして魔物が襲ってきたとか?」

 そう聞くと、おじさんはまたしても難しい顔を浮かべる。
 まるで口にしようかどうか迷うような時間が数秒流れた後、おじさんは観念したようにゆっくりと語りだした。

「――『霧』だよ。例のごとく、海豊祭かいほうさい開催直前になって、またあの『霧』が出やがったんだ!!」

 えっ、霧……?

 全く状況が見えないお話に、わたしは頭の中で疑問符を浮かべた。


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