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交易都市ラグリージュへ赴いちゃう、ぽっちゃり
第261話 異空間に飛ばされちゃう、ぽっちゃり
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色濃く霧が蔓延する森を練り歩いていると、不意に一つの祠を発見した。
この祠……なにか不思議な感じがする。
神秘的、と言っちゃえば聞こえはいいけど、どこかそんな単純な表現で片付けられないような、かなり危険な匂いがプンプンするのだ。
「何の確証もないんだけど、この霧が発生してる原因ってこの祠なんじゃないの?」
わたしは心の中で渦巻いていた疑念を口にだす。
原因も理屈も何も分からないけど、何となくこの祠が今回の謎の霧騒動の発端となっているような気がした。
「ただ、ここからどうしたものか。この祠をぶっ壊したら万事解決っていうんなら話は簡単なんだけど、安易に破壊しちゃって取り返しのつかない事態になっちゃったらヤバいからなぁ……」
仮にこの祠の存在が霧の原因と密接に関係していたとして、破壊しちゃった結果、歯止めが聞かなくなってより広範囲に濃霧が拡散してしまう、みたいなことになったら大変だ。
さすがのわたしも、広範囲に蔓延した霧を封じ込めるような魔法は持っていないし、そんな魔法は思い付かない。
だけど、そう言ってこの場で何もせずぼーっと突っ立ってるだけでは事態は好転することはないのもまた事実。
だったら、試しになにか無難なアクションでもとってみようかな?
「まずはそろ~っと触ってみようかな? さすがに、触っただけで壊れちゃったりはしないもんね?」
そう決意したわたしは、恐る恐る、ゆっくりと祠に向けて手を伸ばした。
そしてわたしの指先が祠に接触した、その瞬間!
ぱああぁぁ!! と祠が突然光りだし、辺りにギラギラとした輝きを撒き散らす。
「うあぁっ! き、急になにごとっ!?」
わたしは反射的に手を引っ込めて顔を背け、手で目を隠した。
どれくらい時間が経っただろうか。
恐らく十数秒くらいだろうも思うけど、やがて辺りから光は感じなくなっていた。
わたしはゆっくりと目を開き、ためらいながら腕を下げる。
そうして辺りの様子を眺めて、一言。
「……いや、どこ? ここ」
わたしの周囲は、何もない空間が広がっていた。
地面は正方形の真っ白なタイルを均等に敷き詰めた非常に人工的な造りになっている。
だけど付近に人の気配はない。
気配がないどころか、周囲には何もない。
さっきまで森にいたはずだけど、森林を構成する木々や草むら、岩や土なんかの自然物も一切存在していなかった。
あるのは、ただただどこまでも果てしなく続いている真っ白な床と、昼とも夜とも言い難い不可思議な明るい暗闇。
暗い色だというのは分かっているのにこの空間は昼のような明るさがあるが、照明のような類いのものは見当たらない。
「な、なんなのここは!? さっきまでいた森じゃ絶対ないよね!? まさか、こんな訳の分からない無の空間に強制転移させられちゃったってこと!?」
わたしは驚きと不安混じりに叫び声をあげる。
すると、わたしの叫びに応えるように、上空から謎の巨大質量が降ってきた。
ドゴォォォオオオオオオオン!!! と、けたたましい地響きを轟かせ、暴風がわたしの全身を駆け抜ける。
「――――何者だ貴様はぁああああああ!! 侵入者は絶殺であるッ!!!」
煙が晴れた中から姿を表したのは、巨大な鎧に身を包んで武装した――白骨死体だった。
この祠……なにか不思議な感じがする。
神秘的、と言っちゃえば聞こえはいいけど、どこかそんな単純な表現で片付けられないような、かなり危険な匂いがプンプンするのだ。
「何の確証もないんだけど、この霧が発生してる原因ってこの祠なんじゃないの?」
わたしは心の中で渦巻いていた疑念を口にだす。
原因も理屈も何も分からないけど、何となくこの祠が今回の謎の霧騒動の発端となっているような気がした。
「ただ、ここからどうしたものか。この祠をぶっ壊したら万事解決っていうんなら話は簡単なんだけど、安易に破壊しちゃって取り返しのつかない事態になっちゃったらヤバいからなぁ……」
仮にこの祠の存在が霧の原因と密接に関係していたとして、破壊しちゃった結果、歯止めが聞かなくなってより広範囲に濃霧が拡散してしまう、みたいなことになったら大変だ。
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だけど、そう言ってこの場で何もせずぼーっと突っ立ってるだけでは事態は好転することはないのもまた事実。
だったら、試しになにか無難なアクションでもとってみようかな?
「まずはそろ~っと触ってみようかな? さすがに、触っただけで壊れちゃったりはしないもんね?」
そう決意したわたしは、恐る恐る、ゆっくりと祠に向けて手を伸ばした。
そしてわたしの指先が祠に接触した、その瞬間!
ぱああぁぁ!! と祠が突然光りだし、辺りにギラギラとした輝きを撒き散らす。
「うあぁっ! き、急になにごとっ!?」
わたしは反射的に手を引っ込めて顔を背け、手で目を隠した。
どれくらい時間が経っただろうか。
恐らく十数秒くらいだろうも思うけど、やがて辺りから光は感じなくなっていた。
わたしはゆっくりと目を開き、ためらいながら腕を下げる。
そうして辺りの様子を眺めて、一言。
「……いや、どこ? ここ」
わたしの周囲は、何もない空間が広がっていた。
地面は正方形の真っ白なタイルを均等に敷き詰めた非常に人工的な造りになっている。
だけど付近に人の気配はない。
気配がないどころか、周囲には何もない。
さっきまで森にいたはずだけど、森林を構成する木々や草むら、岩や土なんかの自然物も一切存在していなかった。
あるのは、ただただどこまでも果てしなく続いている真っ白な床と、昼とも夜とも言い難い不可思議な明るい暗闇。
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「な、なんなのここは!? さっきまでいた森じゃ絶対ないよね!? まさか、こんな訳の分からない無の空間に強制転移させられちゃったってこと!?」
わたしは驚きと不安混じりに叫び声をあげる。
すると、わたしの叫びに応えるように、上空から謎の巨大質量が降ってきた。
ドゴォォォオオオオオオオン!!! と、けたたましい地響きを轟かせ、暴風がわたしの全身を駆け抜ける。
「――――何者だ貴様はぁああああああ!! 侵入者は絶殺であるッ!!!」
煙が晴れた中から姿を表したのは、巨大な鎧に身を包んで武装した――白骨死体だった。
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