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その他
親戚のおじさん
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バイト仲間で交友を深めようと話しが盛り上がり、当時大学生で独り暮らしだった谷口くんの家に集まり酒盛りすることになった。
最初三人で集まって飲む予定であったが、メンバーの一人である阿部くんから一週間前私へ連絡がきた。
「知り合いを連れてきてもいいですか?」
「いいよー」私は即答した。阿部くんは大人しい感じのメガネの青年で、仲の良い友人が一緒に入れば彼も話しやすいし、安心して打ち解けやすくなるだろうとその時は思った。一人ぐらい人が増えてもさして問題ないとその時は軽く考えていた。
そのことを後で谷口くんにも伝えようとしたのだが、仕事が忙しさにかまけてすっかり忘れてしまっていた。ちょっとしたミスである。
でも問題はいつもささいな出来事から起きる。
私はこのことを後で後悔することとなる。
当日はもより駅近くのデパートで私達は待ち合わせした。四階の本屋だ。四人目ももう着いているとの連絡が来て、急いで向かった。
そこにいたのはスーツ姿の男性だった。40歳~50歳ぐらいのおじさんにみえる。「阿部くんの知り合いの方ってこの人?」とても信じられないの恐る恐る確認してみた。
「はい、そうです。親戚のおじさんです」
阿部くんは笑顔で答えた。
同じ年ぐらいの友達を連れてくるものだろうと思っていたのだがそれは勘違いだった。
谷口くんとも目を合わせる。間違いなく彼は動揺していた。それはそれで面白かった。
バイト仲間の飲み会(家飲み)に親戚のおじさんを連れてきたやつがそもそも初めてだ。どーしたらいいか正直わからなかった。
親睦を深めるつもりが既に溝が出来ていた。
今さらお帰り下さいませとも言い出せず、買い出しを済ませるとそのまま谷口くんの家に向かった。
坂を登りきると谷口くんの住んでいるアパートがある。どうしようか?と悩んでいる間に谷口くんの家についた。
テーブルの上にお酒とお菓子を並べ席に着く。
「乾杯!」悩んでいる間に飲み会は始まった。
買ってきたお酒を飲みながら話しを始める。
この初対面で知らないおじさんは何故呼ばれ、何故この飲み会に参加しようとしたのか全くの謎である。
私達はモンハンなどゲームの話しをしたり、アニメや漫画など趣味の話しをして、自分達と共通の話題があるのか探りを入れてみるが、親戚のおじさんは全くゲームなどをしない人であったし、共通点はみつからなかった。
探りを入れていくうちに車のディーラーの仕事をしていることや、仕事終わりにここに立ち寄っていることなどがわかった。
スーツで来てるのもそのためだ。
だが話せば話すほどこのおじさんに対し不信感がましていく、何故なら呼んだ本人である阿部くんとおじさんがそれ程親しい関係には見えないからだ。
結局のところ未だに共通点もみつからない。
痺れをきらして二人の関係について問いただしてみた。すると驚きの答えがかえってきた。
「実は私、宗教をやってまして」
親戚の男は創○学会の学会員だった。
この男は宗教の勧誘のために来たのだ。当然阿部くんも仲間である。
ゾッとした。谷口君とは初めて飲み会で、場所まで提供して貰った。なのに自分達は宗教関係の人を家に招き入れ勧誘させてしまっているのだ。宗教をするのは個人の自由だが、宗教の勧誘のために飲み会を開いているわけでは決してない。
宗教の話しになると、今までと違い二人は饒舌に話しだした。
通りの端から端まで歩く間に通りすがりの人を何人勧誘出来るかとかの、学会あるあるなど話しだし二人だけ盛り上がった。
我々はじっと耐え、時間がたつのを待った。30分ほどたった。「そろそろお開きにしますか。明日も仕事があるんで」頃合いをみて飲み会を終わらせた。帰る前に宗教には入らないことをハッキリつげると我々は解散した。
「絶対に許しませんよ。加藤さん」谷口くんはそう言った。こうして私は親睦を深めるために開いた飲み会で、友達を失ったのである。
5年ぶりぐらいに谷口くんとは連絡をとってみた。
彼は元気そうにしてたし、飲み会でこの話をすると絶対盛り上がると笑っていた。でも今でも彼は言う。「絶対許しませんよ。加藤さん」と。
最初三人で集まって飲む予定であったが、メンバーの一人である阿部くんから一週間前私へ連絡がきた。
「知り合いを連れてきてもいいですか?」
「いいよー」私は即答した。阿部くんは大人しい感じのメガネの青年で、仲の良い友人が一緒に入れば彼も話しやすいし、安心して打ち解けやすくなるだろうとその時は思った。一人ぐらい人が増えてもさして問題ないとその時は軽く考えていた。
そのことを後で谷口くんにも伝えようとしたのだが、仕事が忙しさにかまけてすっかり忘れてしまっていた。ちょっとしたミスである。
でも問題はいつもささいな出来事から起きる。
私はこのことを後で後悔することとなる。
当日はもより駅近くのデパートで私達は待ち合わせした。四階の本屋だ。四人目ももう着いているとの連絡が来て、急いで向かった。
そこにいたのはスーツ姿の男性だった。40歳~50歳ぐらいのおじさんにみえる。「阿部くんの知り合いの方ってこの人?」とても信じられないの恐る恐る確認してみた。
「はい、そうです。親戚のおじさんです」
阿部くんは笑顔で答えた。
同じ年ぐらいの友達を連れてくるものだろうと思っていたのだがそれは勘違いだった。
谷口くんとも目を合わせる。間違いなく彼は動揺していた。それはそれで面白かった。
バイト仲間の飲み会(家飲み)に親戚のおじさんを連れてきたやつがそもそも初めてだ。どーしたらいいか正直わからなかった。
親睦を深めるつもりが既に溝が出来ていた。
今さらお帰り下さいませとも言い出せず、買い出しを済ませるとそのまま谷口くんの家に向かった。
坂を登りきると谷口くんの住んでいるアパートがある。どうしようか?と悩んでいる間に谷口くんの家についた。
テーブルの上にお酒とお菓子を並べ席に着く。
「乾杯!」悩んでいる間に飲み会は始まった。
買ってきたお酒を飲みながら話しを始める。
この初対面で知らないおじさんは何故呼ばれ、何故この飲み会に参加しようとしたのか全くの謎である。
私達はモンハンなどゲームの話しをしたり、アニメや漫画など趣味の話しをして、自分達と共通の話題があるのか探りを入れてみるが、親戚のおじさんは全くゲームなどをしない人であったし、共通点はみつからなかった。
探りを入れていくうちに車のディーラーの仕事をしていることや、仕事終わりにここに立ち寄っていることなどがわかった。
スーツで来てるのもそのためだ。
だが話せば話すほどこのおじさんに対し不信感がましていく、何故なら呼んだ本人である阿部くんとおじさんがそれ程親しい関係には見えないからだ。
結局のところ未だに共通点もみつからない。
痺れをきらして二人の関係について問いただしてみた。すると驚きの答えがかえってきた。
「実は私、宗教をやってまして」
親戚の男は創○学会の学会員だった。
この男は宗教の勧誘のために来たのだ。当然阿部くんも仲間である。
ゾッとした。谷口君とは初めて飲み会で、場所まで提供して貰った。なのに自分達は宗教関係の人を家に招き入れ勧誘させてしまっているのだ。宗教をするのは個人の自由だが、宗教の勧誘のために飲み会を開いているわけでは決してない。
宗教の話しになると、今までと違い二人は饒舌に話しだした。
通りの端から端まで歩く間に通りすがりの人を何人勧誘出来るかとかの、学会あるあるなど話しだし二人だけ盛り上がった。
我々はじっと耐え、時間がたつのを待った。30分ほどたった。「そろそろお開きにしますか。明日も仕事があるんで」頃合いをみて飲み会を終わらせた。帰る前に宗教には入らないことをハッキリつげると我々は解散した。
「絶対に許しませんよ。加藤さん」谷口くんはそう言った。こうして私は親睦を深めるために開いた飲み会で、友達を失ったのである。
5年ぶりぐらいに谷口くんとは連絡をとってみた。
彼は元気そうにしてたし、飲み会でこの話をすると絶対盛り上がると笑っていた。でも今でも彼は言う。「絶対許しませんよ。加藤さん」と。
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