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幸せ【完】
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ソーマが重い腕を上げてベッドボードのボタンを押すと、カーテンがゆっくりと開いた。
巨大な窓一面に、地上で輝く街の明かりが広がっていく。
横向きに寝そべりながら、ソーマはその景色を瞳に映した。
「せっかくだから、夜景も堪能しないとな」
「他の人にはこんなソーマは見せられないけど、夜景になら良いか」
コップを持ってベッドサイドにしゃがんだセイは、ストローをソーマの口元に持っていく。
二人が思いを交わし合い盛り上がった結果、ソーマは意識を失ってしまった。
目を覚ますと、気怠い身体は綺麗に整えられており、下着と白いローブを着た状態で布団を被せられていた。
声を出しすぎた喉を水が潤していく。
「あー……俺、本当に幸せ……」
「俺もだよ。でも今日はもう寝て、明日は退職届だけ出して帰ろう」
「え、明日?︎」
にこやかなセイとは正反対に、ソーマは目を剥く。
大きな声を出したつもりが、掠れてしまった。
ソーマの反応に、セイはキョトンと目を瞬いた。
「当たり前だろ。早い方がいい。さっさと辞めよう」
「いや無理無理! そんな急には辞められないし、引き継ぎとかもしないとだから! きっと分かんなくて困るから!」
「知るか困れ。お前の健康を大事にしない会社が悪い」
「セイー!」
頑なな婚約者を説き伏せて二週間の猶予を貰うのは、この次の日のお話。
おしまい
巨大な窓一面に、地上で輝く街の明かりが広がっていく。
横向きに寝そべりながら、ソーマはその景色を瞳に映した。
「せっかくだから、夜景も堪能しないとな」
「他の人にはこんなソーマは見せられないけど、夜景になら良いか」
コップを持ってベッドサイドにしゃがんだセイは、ストローをソーマの口元に持っていく。
二人が思いを交わし合い盛り上がった結果、ソーマは意識を失ってしまった。
目を覚ますと、気怠い身体は綺麗に整えられており、下着と白いローブを着た状態で布団を被せられていた。
声を出しすぎた喉を水が潤していく。
「あー……俺、本当に幸せ……」
「俺もだよ。でも今日はもう寝て、明日は退職届だけ出して帰ろう」
「え、明日?︎」
にこやかなセイとは正反対に、ソーマは目を剥く。
大きな声を出したつもりが、掠れてしまった。
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「当たり前だろ。早い方がいい。さっさと辞めよう」
「いや無理無理! そんな急には辞められないし、引き継ぎとかもしないとだから! きっと分かんなくて困るから!」
「知るか困れ。お前の健康を大事にしない会社が悪い」
「セイー!」
頑なな婚約者を説き伏せて二週間の猶予を貰うのは、この次の日のお話。
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金浦桃多さん、お読みいただきありがとうございます!
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スパダリのギャップ、捻り出したのでそのように言っていただけると嬉しいです〜♪
本当にありがとうございました!