ラブコメの悪役に転生した俺は痴漢からモブ美少女を助けた結果、好感度爆上がり知らないうちにヒロイン達に囲まれたんだが……

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗

文字の大きさ
42 / 58

第四十二話

しおりを挟む
 

 怒りのあまり、足が止まりかけるが気合で脚を動かした。
 他の生徒達が必死になってボールを回している中で、洞口ほらぐちだけは敵選手に当たる事無くドリブルを続ける。

 ドリブルと言っても全力で蹴ったボールを追いかけるような不格好なものだ。
 フォワードやミッドフィールダーを努めるバスケ部の連中のディフェンス力は凄まじく、こちらの守備を完封し殆ど動けなくしている。

 サイドからゴール目掛けて攻め上がる洞口ほらぐちを確認すると、手を伸ばしブロックしていた運動部たちの中から祐堂ゆうどうが飛び出した。
 洞口ほらぐちを守るための防御を捨て、敵に奪われる前にパスを出さるか・ボールを奪う腹心算はらづもりなのだろう。


これなら何とかできそうだ。


 攻め上がり背後からスライディングを仕掛けるが……。

ザーっ。

 洞口ほらぐちの後ろ足を蹴る程度で、「空振りした」あるいは洞口ほらぐちが「避けた」ように見えるだろう。

洞口ほらぐちパスだ!」

 祐堂ゆうどうが手を上げパスを出すように求める。

ボン。

 だが洞口ほらぐち明らかにシュートを打った。
 それを見て俺のチームのキーパーは左に跳んだ・・・・・
 

あのバカ!! もうおしまいだ。責めてゴールに入ってくれ……


 と祈るものの運動神経が終わっているのかシュートは明後日の方向に跳んでいく……


ノーコンめ!


 俺は内心毒づいた。
 しかし、祐堂ゆうどうはゴールから逸れほぼ平行に打たれたシュートの方へ走り軌道を変え右前方へ飛んだ・・・・・・・

 
シュートチェイン!! 


 学生時代に遊んだサッカーRPGのシステムが脳裏を過った。
 簡単に言えば、シュートAからシュートBに繋いだボレーシュートのことでゲーム的には、属性や威力が向上する効果がある。

 ボールはレーザービームのように真っ直ぐ飛び、ゴールネットを叩いた。
 チームメイト達の歓声がグラウンドに響いく、少し遅れて観戦している男女から歓声と黄色い声援が聞こえて来る。

流石は主人公。補正を持っているようだ。

 ホイスルが鳴り響き得点が入ったことと試合終了が合図される。

「よ、ようやく終わった……」

 息を切らしながら汗まみれになった俺はそのままへたりとコートに座り込んだ。
 
 流石は主人公、片思いしてた幼馴染にフラれて一念発起し勉学に励み合格率の低かった名門私立に合格しただけはある。
 それにくらべ真堂恭介しんどうきょうすけは、落ちぶれてこの学校なんだから元はどれだけ凄いんだか……

 祐堂ゆうどうは仲間たちと勝利を讃えあっている。

 それにしても……俺が憑依した真堂恭介しんどうきょうすけのフィジカルは侮れないモノがある。
 前世では運動神経皆無のオタクだった俺が、運動部や祐堂スペックオバケ達の動きに付いていく事が出来オマケに、『ファイトリック』など言う高度なテクニックを行うことが出来た。

 確かに憑依した直後から贅肉はロクになかったが、筋肉はあまり付いていなかった。
 善行と運動の観点から、毎日けっこうな距離を散歩していたがそれが効いたのだろうか?
 ブロックの時にタックルされても吹っ飛ばされなかったり、前世だと重くて仕方がないようなモノも運べた。

 なによりも凄いのは、ゲームキャラクターのように思う通りに体が動くのだ。
 アシストが付いているかのように狙ったところに。ボールを蹴ることが出来きパスもシュートも思いのまま。
 難しいドリブル技だって一発で出来る。

 原作者も考えていなかっただけでもしかしたら、真堂恭介しんどうきょうすけには本来物凄い才能があるかもしれない。悪役なんかにならなければ、海外のいい大学に行けたかも知れない。
 まあ最強の機体に乗っていても、パイロットがポンコツだから平凡止まりだろうけど……

 怪しまれないように勉強だけは頑張らないと……
 前世で一度学んだ事とは言え、使わなくなってから年月が経つと案外と忘れているものだ。
 予習復習だけで何とか付いて行くことができているが……こけたら立ち直れなさそうだ――。


あの三浦大……洋宮ひろみや先輩に過去問とか貰えないだろうか? 作る教師が違うとは言え、テスト範囲は同じなんだ。参考にはなるだろう。

それが無理なら……塾に通うしかない。散歩の時間を潰して行くとかにしないと時間が無い。でもそうすると葛城かつらぎを匿えなくなる。
受験は余裕だとか言ってたけど、親を説得して塾に通えば互いの問題は解決できそうだ。

うん、最悪そうしよう……


――酸欠の頭で夢想していると憎たらしいドヤ顔を浮かべ洞口ほらぐちが歩いてきた。

「……」

「試合前に貴殿真堂恭介しんどうきょうすけは、サッカーかフットボールかなんてどうでもいいと言いましたが、僕ほど
フットボール・・・・・・に詳しければ貴殿程度のテクニックを超えることなど造作もないのですよ。論破っぱフフフ……」

 ――と気持ちの笑い含み笑いする。
 含み笑いが許されるのはミステリアスなタイプのイケメンだけだ。お前みたいな中肉のフツメンがやっても鳥肌が立つだけなんだよ。

あと貴殿だけでいいのにそのあとにフルネームを呼ぶって、ドラマの裁判書類でしか見たことないんだけど……それを口語でやるの?

お前の理屈おかしいよ。洞口ほらぐちの屁理屈で、洞理屈ホラクツだよ。

「……」

 余りの覇気に唖然あぜんとしていると、何も言い返せなくて黙っているように見えたのか、さらに気分良さそうに言葉を続ける。

若松祐堂わかまつゆうどうも僕のシュートを奪ってゴールを決めるなんて厚かましい!」

「お前のシュートノーコンじゃん」

「――なっ!」

 言い返されると思っていなかったのか、驚愕きょうがくの表情を浮かべる。
 現在洞口コイツの回りは、こいつを持ち上げるだけで言動を諫《いさ》めもしないクズばかりだ。
誰かが、俺が言ってやらないとコイツは……
 俺は決意を決めた。

祐堂ゆうどうがボレーシュートで軌道変えてなかったら、お前らのチーム無得点で負けだ? お前のスタンドプレイで負けてたんだぞ? そのこと判ってるのか? 大体ボランティアのことも―――」

「―――うるさいうるさいうるさいっ!!」

 子供のように駄々をこねる。
 お前はツンデレを良く演じる声優のキャラかよ。と一周廻って冷静になってツッコミを入れてしまう。
 まあ声は男性声なので微笑ましさや可愛らしさは一切ない。

洞口ほらぐち……」

「ふん! 余計なお世話だ!」

 吐き捨てるように言い放つとこの場を後にした。
 結論を言えば俺の洞口ほらぐち救済作戦は失敗した。
 しくもそれは、この世界に来てからの初めての失敗だった。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい

みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。 それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。 願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。 スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。 ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。 ※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

バイト先の先輩ギャルが実はクラスメイトで、しかも推しが一緒だった件

沢田美
恋愛
「きょ、今日からお世話になります。有馬蓮です……!」 高校二年の有馬蓮は、人生初のアルバイトで緊張しっぱなし。 そんな彼の前に現れたのは、銀髪ピアスのギャル系先輩――白瀬紗良だった。 見た目は派手だけど、話してみるとアニメもゲームも好きな“同類”。 意外な共通点から意気投合する二人。 だけどその日の帰り際、店長から知らされたのは―― > 「白瀬さん、今日で最後のシフトなんだよね」 一期一会の出会い。もう会えないと思っていた。 ……翌日、学校で再会するまでは。 実は同じクラスの“白瀬さん”だった――!? オタクな少年とギャルな少女の、距離ゼロから始まる青春ラブコメ。

S級ハッカーの俺がSNSで炎上する完璧ヒロインを助けたら、俺にだけめちゃくちゃ甘えてくる秘密の関係になったんだが…

senko
恋愛
「一緒に、しよ?」完璧ヒロインが俺にだけベタ甘えしてくる。 地味高校生の俺は裏ではS級ハッカー。炎上するクラスの完璧ヒロインを救ったら、秘密のイチャラブ共闘関係が始まってしまった!リアルではただのモブなのに…。 クラスの隅でPCを触るだけが生きがいの陰キャプログラマー、黒瀬和人。 彼にとってクラスの中心で太陽のように笑う完璧ヒロイン・天野光は決して交わることのない別世界の住人だった。 しかしある日、和人は光を襲う匿名の「裏アカウント」を発見してしまう。 悪意に満ちた誹謗中傷で完璧な彼女がひとり涙を流していることを知り彼は決意する。 ――正体を隠したまま彼女を救い出す、と。 謎の天才ハッカー『null』として光に接触した和人。 ネットでは唯一頼れる相棒として彼女に甘えられる一方、現実では目も合わせられないただのクラスメイト。 この秘密の二重生活はもどかしくて、だけど最高に甘い。 陰キャ男子と完璧ヒロインの秘密の二重生活ラブコメ、ここに開幕!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする

夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】 主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。 そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。 「え?私たち、付き合ってますよね?」 なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。 「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

俺をフッた女子に拉致されて、逃げ場のない同棲生活が始まりました

ちくわ食べます
恋愛
大学のサークル飲み会。 意を決して想いを告げた相手は、学内でも有名な人気女子・一ノ瀬さくら。 しかし返ってきたのは―― 「今はちょっと……」という、曖昧な言葉だった。 完全にフラれたと思い込んで落ち込む俺。 その3日後――なぜか自分のアパートに入れなくなっていた。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

処理中です...