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第24話ディナータイム

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「あら、そんなことを言うなんて酷いじゃないの……まぁいいわ。5名様ねテーブル席にどうぞ……」


女性が来ているのはいわゆる。我々オタク向けのメイドカフェ(地元の駅前に一軒あったが行ったことない)の制服であるところのミニスカメイドではなく。膝したまでシッカリとフリルがあしらわれたスカート丈のある黒と白を基調としたメイド服であった。

視線がその大きな乳房へと吸い寄せられる。

「男のチラ見は女のガン見」と言う言葉を思い出して、メイド服を着た女性の胸元から視線をハズす。

席に案内され、椅子に腰かける。
奥の椅子から唯と香、俺の順で向かいには馨先輩と杏那先輩が腰かけた。
先ず口を開いたのは唯と香でもなく、馨先輩だった。


「さて。自己紹介でもしましょうか……私は鈴谷馨《すずたに カオル》あなた達が入寮した鳴涼館の監督生……まぁ先生方と生徒の橋渡をするのが仕事で簡単に言えば、ハリポタのグリフィンドールとかスリザリンの寮生の一番トップって感じかしら。学年は三年生よこっちの身長が中学一年生並みなのが……天原杏那《あまはらアンナ》二年生の特待生で私が面倒を見ている生徒の一人で通称シズリ枠のの一人よ」

「おい。お前ら……今、身長が伸びる分の栄養が全部胸に奪われた~とか思ったんじゃないか?」


アヤセは隠すつもりが無いのか、下手な口笛を吹きヒナミも……


「その馴れた反応。多分初対面か顔見知りの人にいつも言われてますよね」

「不貞腐れてるから冗談に聞こえないでしょ?」

「「あははは」」「……」


俺達は愛想笑いと無言で乗り切ることにした。


「私は三司《みつかさ》唯っていいいます。こっちが妹の唯と香。優斗くんとは幼馴染で兄弟みたいな関係です。まぁどこかの薄情者は引っ越しして以来手紙もメールも電話も一切合切よこさなかったけど」

「そう……それは友情を暖めるお邪魔をしてしまったみたいね……」


馨先輩は少しバツが悪そうな表情を浮かべる。


「いえ。あのままだと私刑《リンチ》になっていたのでお気になさらず」

「兄弟みたいな関係だと……こんな可愛い双子と!?」


杏那先輩の声が戸惑いから驚きへと変化する。


「小さい頃の幼馴染なんで、そんなもんですよ……多分」


杏那先輩は遠慮ないと言うか、人と人との距離感を測るのがニガテなのではないだろうか? さっきから俺達相手に少し身構え緊張している様に見える時がある。距離を測りかねているのと人見知りとかがあるのだろう……でも話していると早口になるのはオタクの気質だからであろうか。


「アンナも余計な詮索はしない。されて困るのはあなたもでしょう? いいかしら。出来るわね?」

「は、はいぃぃいい」


馨先輩のプレッシャーに負けて声音が引きつっていた。
自分の中の順位付け……と言うと大げさではあるが、この年端もいかぬ少女のような精神性の少女を心の底から敬う気持ちが湧いてこない。


「それに二年と三年の先輩がいるなら授業の事も聞きやすいですし助かります。ほら、この学校のカリキュラムは少し特殊ですし……」


空気を読んで唯は話題を反らした。


「ふふふ。情報には対価が必要だぜお嬢ちゃん? ――――痛ッ!」


馨先輩が杏那先輩の頭を叩いた。
目に見えて痛くなさそうだし、杏那先輩の声も痛くはなさそうだ。


「新一年生に優しくできないオンナだったの?」


馨先輩は言葉で圧力をかけた。


「い、いや冗談ですて! 最近の流行り何ですよ先輩(冒険者)が後輩をいびるのは! なぁ後輩?」


旗色が悪いと感じたのか俺達に助けを求める。


「私はしらないです」

「すいません。私も……」

「杏那先輩なろう系のテンプレ出されても困りますて……」

「今しか! 今しかできないってうちの中のゴーストが「今しか無いからやっておけー」って囁《ささや》いてきたんだもん!」


まるで子供のような口調で弁明する。
先輩の声が高くスイート系のためホント子供が言っているようにも聞こえるが、攻殻〇動隊ネタをふって来る小学生とか嫌すぎる……まぁ先輩は高校生で慎重に似合わない大きな胸を吊り下げている訳だが……


「そこの空気の読めないアホの子はほおっておいて……答えられる範囲では答えるし手伝うわよ……」



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