神仏のミスで地獄に落ちた社畜。モンスターが跋扈する異世界に転生する~地獄の王の神通力を貰ったのでSS級降魔師として、可愛くて名家の許嫁ハーレ
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
文字の大きさ
大中小
7 / 20
第7話
しおりを挟む
「到着いたしました」
「……結構かかるわね」
「関東県の方の多くはお車でこられますのでそのせいかと……」
「あらそうなの? 次に来るときは電車にしましょう」
「駅が徒歩五分圏内に御座いますので、それが宜しいかと……」
車を止めドアを開けた運転手は、母の雑談に付き合う。
眼前には立派なホテルがあった。
「おっきい~」
「地上16階もあるホテルですから大きいですよ? 都心まで約20分と観光地へのアクセスも良く、東京湾を一望できる景色をお楽しみいただけるかと……」
運転手さんは俺のような子供にも丁寧な言葉遣いで説明してくれる。
優しい。
しかしまあ、一体幾ら掛かっているイベントなのだろう?
「アレ! アレみたい!!」
「あれ?」
父は呆けたような声を上げる。
「多分ロボットの巨大立像のことです」
「……よし、じゃあ明日にでも行くか」
「うん!」
「では私は車を置いて参ります」
「任せる」
ロータリーに停まったままの車にサッと乗り込むと、遅滞なく離れていった。流石国産のハイブリッド車、エンジン音が小さい。
ドアマンがドアを開けロビーに入る。
床にはフカフカの敷物が敷き詰められ慣れないと足が疲れそうだ。
「勇樹《ユウキ》気分は悪くない?」
「うん大丈夫!」
「車の中で修行を始めるものだから不安だったけど……気分が悪くなったら直ぐに言うのよ?」
「はーい」
ロビーには達筆な筆文字で「倉橋家主催 降魔懇親会」と書かれた紙が飾られている。
「倉橋《くらはし》か……」
「くらはし?」
「倉橋《くらはし》家とは、現在降魔師と呼ばれる霊能者の中でも名家だ。『陰陽術』と呼ばれる呪術……魔法の二大宗家……名門の一つ土御門家の分家筋ながら関東に残った家だ」
今日一日の父母の話を整理すると、今回『懇親会』を主宰する倉橋《くらはし》家は降魔師の一派で、安倍晴明を祖とする二大宗家の一つ土御門家の分家であり、本家と異なり関東に残ったことで力を付け、発言力の高い今の地位に居る。
つまり、同業他社で作られた組合のお偉方が開く懇親会と言うことだ。
そして面倒なことに二大宗家の子弟は同年代らしく、傘下の降魔師がピリ付いていることは想像に難しくない。
それと宗家とか普段使わない言葉をあまり使わないでほしい。
今日は久々の娑婆に出てはしゃぐつもりだったが予定変更だ。
恐らく懇親会の主役でもある彼ら彼女らは、物語を担う重要人物。
悪役としてはどうにかしてお近づきになりたいところだ。
社会人として生きていく上でコネは、あって損することはない。
コネがあれば金も、より良い人脈も得やすくなる。
これは朧気ながら記憶している人生哲学だ。
「……つまりすごい、いえって……ってコト!?」
「……まあそういうことだ。術の系統が違えど名家同士だ。無礼な真似はするなよ?」
「もちろん」
両親は安心したような表情を浮かべた。
「ならば安心だな」
父はグシャグシャと乱暴に頭を撫でる。
「髪が崩れちゃう!」と悲鳴のような声を上げ母は髪を整える。
父はバツが悪そうな表情を浮かべた。
エレベーターに乗って会場のあるフロアまで昇る。
映画なんかと違ってパーティーなどの主要ホールは、五階までに揃っているらしく、犯罪集団のせいで高層階で取り残されると言った様式美は難しそうだ。
そんなことを考えていると、チンと音がなりドアが開いた。
その瞬間周囲の視線が注がれいるのが判る。
ホールのドア付近に立った。警護と思われる複数人の男女が視線を向けているこの異質さに薄気味悪さを覚える。
呪力や霊力を目に集中させて俺の霊力を暴こうとしてくるのだ。
エレベーターホールから数メートルでパーティーの受付に、辿り付けるのに術者達の威圧感は凄まじい。
父もそれに気が付いているのか「何でもない」と言った態度を崩すことは無い。
俺も普段通りに振る舞う事にする。
……が不躾な視線を向けられるのは不快感が強い。
霊力――吉田家の流派では呪力と呼ぶ――を眼球に集める。
父さんに比べると全員低いな……まあそれは当然か……
良家の警護の術者としてはどうなんだ? 呪力はそこまで大くないように感じる。
呪力低っくッ! たったの5か……ゴミめ、いや本当に5か判らんけど……
そんな遊びをしていると、呪力を感知出来ているのに……どこか違和感を感じる。
なにかある場所が空白になっているような……そんな感じだ。
確かめてみよう……
「父さんあそこおかしいよ?」
そう言って指を指した。
「どこだ?」
そう言って父は瞳に呪力を込める。
「何にもいないぞ?」
「そう? じゃあためしてみる」
呪力を込め呪符を打つ。
「式神生成《しきがみせいせい》! 急急如律令《きゅうきゅうにょりつりょう》!」
刹那。
長方形のただの紙切れは鳥の姿を取って目標に向け飛翔する。
三歳児とは思えない一連の動作を見て周囲の大人の視線が集まる。
「ハッ!」
呪力の篭った人指指と中指だけをピンと立て、まるで剣でも振り下ろすと式神は破壊され呪力の光が周囲に舞う。
それはライトアップされた夜空に舞う粉雪、あるいは月明りに照らされた桜吹雪のような美しい情景だった。
「……結構かかるわね」
「関東県の方の多くはお車でこられますのでそのせいかと……」
「あらそうなの? 次に来るときは電車にしましょう」
「駅が徒歩五分圏内に御座いますので、それが宜しいかと……」
車を止めドアを開けた運転手は、母の雑談に付き合う。
眼前には立派なホテルがあった。
「おっきい~」
「地上16階もあるホテルですから大きいですよ? 都心まで約20分と観光地へのアクセスも良く、東京湾を一望できる景色をお楽しみいただけるかと……」
運転手さんは俺のような子供にも丁寧な言葉遣いで説明してくれる。
優しい。
しかしまあ、一体幾ら掛かっているイベントなのだろう?
「アレ! アレみたい!!」
「あれ?」
父は呆けたような声を上げる。
「多分ロボットの巨大立像のことです」
「……よし、じゃあ明日にでも行くか」
「うん!」
「では私は車を置いて参ります」
「任せる」
ロータリーに停まったままの車にサッと乗り込むと、遅滞なく離れていった。流石国産のハイブリッド車、エンジン音が小さい。
ドアマンがドアを開けロビーに入る。
床にはフカフカの敷物が敷き詰められ慣れないと足が疲れそうだ。
「勇樹《ユウキ》気分は悪くない?」
「うん大丈夫!」
「車の中で修行を始めるものだから不安だったけど……気分が悪くなったら直ぐに言うのよ?」
「はーい」
ロビーには達筆な筆文字で「倉橋家主催 降魔懇親会」と書かれた紙が飾られている。
「倉橋《くらはし》か……」
「くらはし?」
「倉橋《くらはし》家とは、現在降魔師と呼ばれる霊能者の中でも名家だ。『陰陽術』と呼ばれる呪術……魔法の二大宗家……名門の一つ土御門家の分家筋ながら関東に残った家だ」
今日一日の父母の話を整理すると、今回『懇親会』を主宰する倉橋《くらはし》家は降魔師の一派で、安倍晴明を祖とする二大宗家の一つ土御門家の分家であり、本家と異なり関東に残ったことで力を付け、発言力の高い今の地位に居る。
つまり、同業他社で作られた組合のお偉方が開く懇親会と言うことだ。
そして面倒なことに二大宗家の子弟は同年代らしく、傘下の降魔師がピリ付いていることは想像に難しくない。
それと宗家とか普段使わない言葉をあまり使わないでほしい。
今日は久々の娑婆に出てはしゃぐつもりだったが予定変更だ。
恐らく懇親会の主役でもある彼ら彼女らは、物語を担う重要人物。
悪役としてはどうにかしてお近づきになりたいところだ。
社会人として生きていく上でコネは、あって損することはない。
コネがあれば金も、より良い人脈も得やすくなる。
これは朧気ながら記憶している人生哲学だ。
「……つまりすごい、いえって……ってコト!?」
「……まあそういうことだ。術の系統が違えど名家同士だ。無礼な真似はするなよ?」
「もちろん」
両親は安心したような表情を浮かべた。
「ならば安心だな」
父はグシャグシャと乱暴に頭を撫でる。
「髪が崩れちゃう!」と悲鳴のような声を上げ母は髪を整える。
父はバツが悪そうな表情を浮かべた。
エレベーターに乗って会場のあるフロアまで昇る。
映画なんかと違ってパーティーなどの主要ホールは、五階までに揃っているらしく、犯罪集団のせいで高層階で取り残されると言った様式美は難しそうだ。
そんなことを考えていると、チンと音がなりドアが開いた。
その瞬間周囲の視線が注がれいるのが判る。
ホールのドア付近に立った。警護と思われる複数人の男女が視線を向けているこの異質さに薄気味悪さを覚える。
呪力や霊力を目に集中させて俺の霊力を暴こうとしてくるのだ。
エレベーターホールから数メートルでパーティーの受付に、辿り付けるのに術者達の威圧感は凄まじい。
父もそれに気が付いているのか「何でもない」と言った態度を崩すことは無い。
俺も普段通りに振る舞う事にする。
……が不躾な視線を向けられるのは不快感が強い。
霊力――吉田家の流派では呪力と呼ぶ――を眼球に集める。
父さんに比べると全員低いな……まあそれは当然か……
良家の警護の術者としてはどうなんだ? 呪力はそこまで大くないように感じる。
呪力低っくッ! たったの5か……ゴミめ、いや本当に5か判らんけど……
そんな遊びをしていると、呪力を感知出来ているのに……どこか違和感を感じる。
なにかある場所が空白になっているような……そんな感じだ。
確かめてみよう……
「父さんあそこおかしいよ?」
そう言って指を指した。
「どこだ?」
そう言って父は瞳に呪力を込める。
「何にもいないぞ?」
「そう? じゃあためしてみる」
呪力を込め呪符を打つ。
「式神生成《しきがみせいせい》! 急急如律令《きゅうきゅうにょりつりょう》!」
刹那。
長方形のただの紙切れは鳥の姿を取って目標に向け飛翔する。
三歳児とは思えない一連の動作を見て周囲の大人の視線が集まる。
「ハッ!」
呪力の篭った人指指と中指だけをピンと立て、まるで剣でも振り下ろすと式神は破壊され呪力の光が周囲に舞う。
それはライトアップされた夜空に舞う粉雪、あるいは月明りに照らされた桜吹雪のような美しい情景だった。
29
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚
熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。
しかし職業は最強!?
自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!?
ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる