聖女召喚に巻き添え異世界転移~だれもかれもが納得すると思うなよっ!

山田みかん

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びっちり

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「‥‥‥‥やっぱり何所かに埋めてこよう‥‥‥‥」

「かなり目立つ人ですから、無理だと思います~」

「‥‥‥‥皆の言う『目立つ』が、私の認識とは違う気がしてきた‥‥‥‥」

 脈絡もなく突然『真っ裸』になる奴‥‥‥‥結論、『ヤバい奴』。

「そう言えばお主、例の『聖女』の事で何か気付いたのか!?」 

「─────お?気付いてた?さっすがおっさん、年の候っ!」

 タダで逃げられただけじゃないくてよ~奴からちょっくら、情報を抜き取っておりましてよ~~ 

 高らかに返事をしたら、何故か可哀相な視線で見られた。─────何故?

「ワウワウワウワフウ‥‥‥‥(逃げられて、悔しがってたじゃないか‥‥‥‥)」

 シロ君、そんな事言わないのっ!確かに杖の先端をぶっこんで接触した時、あの自称聖女から断片的な情報が流れ込んできて、初めての現象にびっくりしている内に逃げられたけど‥‥‥‥。

「お姫さんが『あの姿』になってから、身体の調子が良くないって言ってたでしょ?」

「はい、そうです。前は風邪一つ引かないような、丈夫な方でした」

「聖女と担ぎあげられて、休みなしにあちこち公務に駆り出されておったが、至って元気じゃったの」

 休み無しはいかんな~定期的に休まないと。
 今は若いから疲労が感じられないだろうが、年齢を重ねれば、蓄積される疲労でぶっ倒れるからなッ!何?実体験?うるさいよッ!ブラックな社畜には断固反対するっ!

「アレ、姫さんから『魔力』?『能力』?的な力を定期的にちょいちょい奪ってたんだよね」

「─────なんじゃと?」

「リオさん、今の話本当なんですか!?」

 いつの間にかお姫さんと、メイドのサラさんが自分達の近くまで来ていた。

「うん、断片的だったけど間違いないよ。定期的に姫さんは、アイツに『ドレイン』されて、奪った力は自分のいいように使われていたって事」

「まさか‥‥‥‥だから姫様は、頻繁に倒られる事になったのですか!?」

「そういう事。でも今は元気でしょ?」

 ショックを受けていた姫さんだが、「そう言えば身体が軽いです」と手をフリフリする。
 顔が『おかめさん』だから、なんか怖い感じだが慣れというものが皆あり、微笑ましく見ている。

「でもこれは『仙桃』の効果じゃないんですか?」

「それもあるけど、根本的に『繋がり』を切断したから、これからは姫さん本来の体力になるよ」

 どやぁと顔をすると皆が「へ?」という顔になった。

「切断って、リオさんがしたんですか?それはいつの話ですか?」

「─────朝。出掛ける前」

「‥‥‥‥どこで」

「姫さんの部屋。─────いやぁ~まさかアレがそんな事に使われているなんて思いもいなかったよ~~」

 てっきり掃除が行き届いてないのかと思ったが、まさかの敵側からの攻撃でした。

「‥‥‥‥空気の入れ替えって言ったやつですね。リオさんには、一体何が『視えて』たんです‥‥‥‥?」

「え─────?天井から部屋いっぱいに、蜘蛛の糸みたいなのだらけだったよ~いや~~掃除した私─────グッジョブ!」

「‥‥‥‥部屋いっぱいの蜘蛛‥‥‥‥」

 蜘蛛だらけの部屋を想像したのか、『おかめ』頭の姫さんがふらっと傾いた。 

─────蜘蛛だらけじゃない!「糸」みたいな物だらけだっ!蜘蛛がびっちりいたら、自分だってビビるわっ!
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