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何見てるの?
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「‥‥‥‥ど、どうなさいました。ファル・レンサール様?」
お姫さんが浮いている女神さまの方に近寄っていくと、当の女神さまは何か焦ったように、姫様に何を小声で伝えているようです。
二人?でコソコソしているので、何が問題なのかこちらにはさっぱりわからないが、衝撃的な返事だったらしく、慌てた様子でお姫様もこちらに向かって綺麗に礼をとる。
─────? 何? どした?
周りにいた他の者達を、光の壁の向こう岸に確認すれば、とっくにそんな事はやってますと、騎士の礼とばかりに綺麗に膝まづいている‥‥‥‥。
─────あれ~みんなぁ、どうしたぁ?
皆がかしこまっている理由を、自分だけが分らないこの空気。何ともいたたまれない‥‥‥‥皆、どうしたんだよ?
「ワウワウッワウワフっ! (上だ上っお前の上だよっ)」
シロ君がやけにへっぴり腰のお耳ヒコーキで、こちらに注意を促してきます。
─────上? ん?と上に視線を向けるが‥‥‥‥。
「─────何かあるの?何もないけど?」
しん、としたその場での莉緒のその発言は、やけに周りに響き渡った。
んなわけあるか─────っ!!
皆の心の叫びが一体化した。
「ワフワフ‥‥‥‥(お前正気か‥‥‥‥)」
シロ君にマジで呆れられた‥‥‥‥。え~だって何にもないよ? ちょっと景色が金の幕が張ったようになってるけど、光ってるだけだよね?
莉緒はいたって真剣だった。彼女の真上には巨大なご神体が顕現されていたのだが、いかんせん近すぎて何も見えなかったのだ‥‥‥‥。
『陣』の近くにいた者達は、発せられる神圧に礼をとる事しか許されなかった。
近すぎる圧に、指先さえ動かない‥‥‥‥。姫様は守護を賜っているので、影響はなさそうだが‥‥‥‥。
「‥‥‥‥このしびれる程の圧‥‥‥‥なんと甘美な‥‥‥‥」
膝間づく御庭番の隣ではジークが、神圧を全身で受け止めるべく身体を投げ出していた。頬を朱に染めハァハァと興奮している姿は、隣にいる御庭番に「なに、この人‥‥‥‥」と言わんばかりの視線も浴びていた。
白陽はリオの頭上に現れたものの知識は無かったが、これが尋常でない事は本能で感じていた。
─────見えない。と言ったリオには、なんでコレが分らないんだと苛立ったが、これがリオの本質であれば、本人が平気そうなのも理解ができる‥‥‥‥。
─────つっと巨大な神体に、視線を向けられた気がした。
─────こちらを見ている?
急に自分に関心を向けられたと察した白陽の尻尾は、本能的に内側に収納された。
それまで動きのなかった巨大な神体は、右手を白陽の頭上に伸ばしてきた。
─────フワっとした眩しい光の玉がその指先から生み出され、フワフワとしながらもそれは白陽の身体に入り込んでいった。
お姫さんが浮いている女神さまの方に近寄っていくと、当の女神さまは何か焦ったように、姫様に何を小声で伝えているようです。
二人?でコソコソしているので、何が問題なのかこちらにはさっぱりわからないが、衝撃的な返事だったらしく、慌てた様子でお姫様もこちらに向かって綺麗に礼をとる。
─────? 何? どした?
周りにいた他の者達を、光の壁の向こう岸に確認すれば、とっくにそんな事はやってますと、騎士の礼とばかりに綺麗に膝まづいている‥‥‥‥。
─────あれ~みんなぁ、どうしたぁ?
皆がかしこまっている理由を、自分だけが分らないこの空気。何ともいたたまれない‥‥‥‥皆、どうしたんだよ?
「ワウワウッワウワフっ! (上だ上っお前の上だよっ)」
シロ君がやけにへっぴり腰のお耳ヒコーキで、こちらに注意を促してきます。
─────上? ん?と上に視線を向けるが‥‥‥‥。
「─────何かあるの?何もないけど?」
しん、としたその場での莉緒のその発言は、やけに周りに響き渡った。
んなわけあるか─────っ!!
皆の心の叫びが一体化した。
「ワフワフ‥‥‥‥(お前正気か‥‥‥‥)」
シロ君にマジで呆れられた‥‥‥‥。え~だって何にもないよ? ちょっと景色が金の幕が張ったようになってるけど、光ってるだけだよね?
莉緒はいたって真剣だった。彼女の真上には巨大なご神体が顕現されていたのだが、いかんせん近すぎて何も見えなかったのだ‥‥‥‥。
『陣』の近くにいた者達は、発せられる神圧に礼をとる事しか許されなかった。
近すぎる圧に、指先さえ動かない‥‥‥‥。姫様は守護を賜っているので、影響はなさそうだが‥‥‥‥。
「‥‥‥‥このしびれる程の圧‥‥‥‥なんと甘美な‥‥‥‥」
膝間づく御庭番の隣ではジークが、神圧を全身で受け止めるべく身体を投げ出していた。頬を朱に染めハァハァと興奮している姿は、隣にいる御庭番に「なに、この人‥‥‥‥」と言わんばかりの視線も浴びていた。
白陽はリオの頭上に現れたものの知識は無かったが、これが尋常でない事は本能で感じていた。
─────見えない。と言ったリオには、なんでコレが分らないんだと苛立ったが、これがリオの本質であれば、本人が平気そうなのも理解ができる‥‥‥‥。
─────つっと巨大な神体に、視線を向けられた気がした。
─────こちらを見ている?
急に自分に関心を向けられたと察した白陽の尻尾は、本能的に内側に収納された。
それまで動きのなかった巨大な神体は、右手を白陽の頭上に伸ばしてきた。
─────フワっとした眩しい光の玉がその指先から生み出され、フワフワとしながらもそれは白陽の身体に入り込んでいった。
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