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第1章 冒険者編
第13話 Only Light STAFF(後編)
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クレアと雇用契約を結んだ翌日の早朝――、
俺はクレアを連れて街の外まで来ていた。
早朝の爽やかな風が心地いい。
「あの、こんなところで一体何をさせようと? ク、クエストだって受けていませんけど……?」
「今日のは別にクエストじゃないからな。まあ、その一環ではあるんだけど」
不安そうなクレアを引き連れて街道沿いを歩く。
ビビリ気味の主を励まそうと、元気よくピョンピョン跳ねるスーちゃんがかわいい。
「これからやってもらうことは簡単なレベリングだよ。魔物を倒して強くなってもらう。それだけだ」
「た、戦うんですね? ちょっと怖いけど頑張ります!」
「そう気張らなくてもでもいいって。相手にするのはスライムだけだから」
「な、なんだ……それならいけそう……良かった」
「これから行くところのスライムを、できるだけ多く狩ってもらうからそのつもりでいてくれ」
「はいっ! わかりました!」
内容を聞いて落ち着けたようだ。
これなら安心だな。
そして雑談まじりに歩を進めること二十分――潮風漂う道沿いの小さな森林地帯を抜けて、俺たちは目的地に辿りついた。
「さあ、ここが今日のきみの仕事場だ。ここにいるスライムが全部いなくなるまで徹底的に狩りつくしてくれ」
「無理ですーっ!」
業務開始を促されたクレアが、再び叫んでビビリ始めた。
「無理って、さっきは自分でもできそうだとか言ってたじゃないか」
「た、確かに言いましたけど……でも、こんな多いだなんて聞いていません! そこらじゅうスライムだらけじゃないですか! 何ですかここ!?」
「『不定形生物の楽園』っていう場所らしい」
ギルマス曰く、マトファミア王国内の7割弱くらいのスライムがここに集まるとのこと。
スライムの生息条件にめちゃめちゃ適していて、四六時中繁殖しまくるので、狩っても狩っても数が減らなくて困っていると説明を受けた。
「なりたてFランク冒険者の相手としてはちょうどいいんだけどさ、なにせ数が半端ないから普通はCランクじゃないと来ないらしいぜ、ここ」
「じゃあ連れてこないでくださいよ! Fですよ私!」
「大丈夫、俺一応Bランクだし、強さだけならAランクかそれ以上ってギルマスに言われているから。それに、いざとなったら助けてやるから。ね?」
「ほ、本当ですか? そんなこと言っておいて放置するとかないですよね? 小さいころ『支えてあげるから安心して!』とか言って仔馬に乗ったら、手を放して放置した隣の家のアミカちゃんみたいなことしません? 転んで大怪我したあの時みたいなことは……」
「しないしない。きみに怪我されるのが一番困るんだ」
何せプロジェクトの中心人物だからな。
「怪我する前にフォローに入る。だから安心して戦ってくれ」
「し、信用しましたからね?」
「おう。あ、そうそう、戦って倒したスライムはスーちゃんに全部食わせて」
「全部、ですか? 別に構いませんけど、そんなことしたらとんでもなく大きくなりますよ? 街に入れなくなっちゃうかも」
「絶対そんなことにはならないから。とにかくそういうことで頼む」
「わ、わかりました……じゃあ、行ってきます」
さて、いよいよか。お手並み拝見と行こう。
クレアの武器は杖――と言っても、魔術師のシズが持っていたような、片手で持てるようなロッドではなく、両手用の大きな杖だ。
魔法で何かするだけではなく、おそらく直接叩き殺すことも視野に入れて作られた武器じゃないだろうか?
クレアは一番近くにいたスライムに狙いを定めると、大きく振りかぶった杖を一気に振り下ろした。
相対したスライムは避けることなく、中心にあるコアごとその身を爆散させる。
「うん、一撃か。問題なさそうだ」
さすがに最弱と呼ばれる魔物相手にてこずるようなことはない模様。
だが、俺が最も確認したいことはこの先だ。
「それじゃスーちゃん、お願いね」
「ピッ!」
クレアから命令されたスーちゃんは大きくその身を膨らませると、上から覆いかぶさるようにスライムを飲み込んだ。
砕けたコアと身が吸収され、スーちゃんの栄養へと変わって行く。
「へえ、食ったらゼリー部分がそのまま足し算されていく感じか。コアの部分は変わらないんだな」
以前俺が倒した巨大スライムのコアはスーちゃんの何倍も大きかったので、コアは他の生物と同様、栄養を吸収してゆっくり成長して行くのかもしれない。
まあ何にせよ、これなら帰るころには相当デカくなっているだろう。
この前食べた巨大スライムくらい大きくなっていると嬉しいんだけどな。
それだけあれば初日の結果としては十分すぎておつりがくる。
「あの分なら大丈夫そうだし、様子を見つつ俺もその辺のスライムを狩るとしようか」
……
…………
………………
そして四時間が経過した。
「よーしクレア、そろそろ街に帰ろう」
「は、はい……つ、疲れたぁ……」
クレアは俺の終了宣言を聞くなり、その場に尻餅をついて肩で息を始めた。
「そんなに疲れた?」
「あ、当たり前ですよ! 何匹倒したと思っているんですか!?」
「そうだな……大体だけど二百匹くらい?」
「三百です!」
そうか、予想よりもだいぶ数を倒してくれたようだ。
ゼーゼーと呼吸が荒いクレアに、心配そうに寄り添うスーちゃんの大きさからもその様子は伺える。
見た感じ縦横七メートルくらいありそうな気がする。
元々の大きさが縦横ニ十センチくらいだったので、凄まじい膨張率だ。
「三百か、それだけ倒せばいくらスライムオンリーでもそこそこ強くなれたんじゃないか?」
「は、はい。レベルは5つも上がりました」
「そいつはよかった。お疲れ様」
「と、ところでスーちゃんのことどうするんですか? 言われた通り全部食べさせましたけど、こんなに大きかったら街に入れませんよ?」
「大丈夫だ。街に入る前に元の大きさに戻すから」
「ど、どうやって?」
頭にハテナマークを浮かべたクレアから一度視線を外し、スーちゃんのほうを見る。
「確認だけど、スライムに痛覚神経はないんだったよな?」
「は、はい。正確には痛覚神経がないのはゼリー部分です。ゼリー部分はコアを守るための鎧――私たち人間で言う髪の毛みたいなものです」
「なるほど、わかった」
俺はクレアに向き直り、
「俺は今からたぶんきみが信じられないようなことをする。叫ぼうが驚こうが別に構わないけど、これから俺がすることは絶対に他言無用だ。もしも誰かに話してしまったら俺とギルマスの間で進めている一大プロジェクトがパーになる。なので、この先見る光景は絶対に誰にも言わないと約束してくれ。」
「わ、分かりました……で、でももし誰かに言ったら……」
「……………………」
「い、言いませーん! 絶対に秘密にします!」
俺の様子から勝手に最悪のパターンを想像してくれたようだ。
沈黙は金なり――という諺もあるし、こういう場合は下手に何か言うよりも黙っていた方が効果的だな。
まあ実際のところ情報漏洩しても、そこまで問題にならない気がするけどな。
念には念を入れてだ。
「よし、じゃあ始めるぞ。スーちゃん」
「ピ?」
「ちょっと失礼」
――ズブッ。
「なーなななななななななななななな!? スーちゃんに何をしてるんですかーっ!?」
「|肉を分けてもらっている。あ、髪の毛だっけ?」
「どっちでもいいです! 何でそんなことを!?」
「味見をするんだから実物がないと困るだろう?」
「あ、味見……? 何の……?」
「スライムに決まっているじゃないか。知らないだろうから教えてあげよう。スライムって実はものすごく美味いんだぜ」
「キ、キャアアアアァァァァッ!! ……あ」(ガクッ)
あ、気絶した。
体力的に限界だったところに精神的にくる話をされて逝ってしまったか。
「おーい、起きてー」
「ピー」(ペシペシ)
「う~ん……はっ! い、今ものすごく悪い夢を見ていたような?」
「スライムを食うって話か? 悪いけどそれ夢じゃないぞ」
先ほど切り取ったゼリー部分を、手の上でサイコロ状に切り分ける。
そして食べる。
うん、悪くないな。
この前食った巨大スライムと比べて甘みは弱いが、すっきりとした味わいというか、とにかく上品な味というか……。
「食感は随分と柔らかいな。ゼリーというよりもジュルに近い。この前のスライムはデカくても身はしっかりゼリーだった。もしかしてコアの大きさに比例して肉が硬くなるのか?」
「ほ、ホントに食べてるぅ……」
「スーちゃん、ちょっとコレ食ってみてくれ」
「ピッ!」
敬礼したスーちゃんに俺が渡したものは、近くで取れた果物だ。
あいにくあの時みたいなマンイーター(だっけ?)がいなかったので普通の果物だが。
「よし、果物が溶けた。そろそろかな? また失礼」(ズブッ)
「ひゃあああぁぁぁっ!? またスーちゃん刺したあああぁぁぁっ!」
「思った通りだ。消化した部分の肉は、消化したものの味がしみ込んでいる」
今回俺が渡したものはリンゴとオレンジ・
スーちゃんから取れた肉からは、しっかりとその二つの味が感じられる。
「スーちゃん、今度はこれ飲んでみて。安物のワインなんだけど」
ビンの味が混じったらたまらないので、念のため俺が直札身体にかける。
スーちゃんの一部がワインレッドカラーに染まった。
そこの部分を切り取り、また一口。
「美味い!」
安物ワインなのに高級感のある味に変わっていた。
ワインゼリーは大人にも人気のあるスイーツだ。
爆売れの予感しかしない。
「前食った時も思ったけど、普通に食うよりスライムと一緒に食った方が味が濃厚になるな。もしかして旨味成分を強化するような酵素がスライムの肉にはあるのかも……」
硬さの調節もできるし、美味くやればジュル系調味料も充実させることができるかもしれない。
ポン酢ジュルとかこれで作ったらすさまじく肉に合いそうな予感。
「よし、大体わかった。これなら十分いけるぞ! クレア!」
「は、はい……?」
「今日最後のきみの仕事だ。はい、これを持って」
「これ……包丁?」
そう、包丁だ。
俺のではなく、このために用意した彼女用の新品である。
「これを使ってスーちゃんのゼリー部分を、元の大きさくらいまで切り落とすんだ」
「嫌ですうううぅぅぅっ! 何でそんなことしなくちゃいけないんですか!?」
「そうしなければスーちゃんが街に入れないだろ?」
「ご、ごもっとも……でも、何で私が?」
「きみがスーちゃんのご主人様だからだ。あと、この作業がきみの日課になるから」
「日課!? ま、毎日これをやれってことぉ!?」
「そうだ。さっきの俺を見て何となく察しただろうけど、俺とギルマスが進めているプロジェクトというのは、スライムの食品化だ。スライムの肉を携帯食や回復薬に加工して、冒険者ギルドで配布できるようにしようというのがこのプロジェクトの趣旨になる」
「ま、魔物を食べるだなんて……そんな悪夢のような計画を……何で……?」
「それはな、魔物がとてつもなく美味いからだよ」
じゃなきゃこんなことわざわざやらない。
「嘘だというのなら食ってみろ。ほら、さっき俺がスーちゃんに食わせたリンゴとオレンジ、それにワインの部分がまだそこに残ってるぞ」
「い、嫌……食べたくない……」
「ふう、やれやれ……この世界の魔物食への偏見はやっぱ根深いな。会う人会う人、みーんな最初はきみと同じ反応をするんだもんな」
「あ、当たり前ですよ! そんな気持ち悪いこと!」
「でもな、一回食べるとみーんな病みつきになるんだよ。ギルマスなんて高い金払ってまで店に魔物食いに来るからな。このプロジェクトだって半分くらい自分で食いたいからだぜ、絶対」
じり……じり……
俺からクレアが後ずさりを始める。
逃がすわけには行かないので、俺も歩いて距離を詰める。
「まあ騙されたと思って一回食ってみろ。今日から毎日やってもらうんだから、自分の扱う物の味くらい知っておかないと。さあ、口開けて」
「や、やめてーっ! それ近づけないでーっ!」
「強情だなあ……そんなに嫌なら仕方がない。もし食べれたら今回だけの特別手当として金貨1枚払おうじゃないか」
「金貨1枚!? い、いや……でも……」
「どうする? やる? やめる?」
「や、やりまぁす! さあ来い!」
気合いを入れて開けた口の中に、俺はゼリーを放り込んだ。
パクン。
もぐもぐ。
「------------ッ!? う、美っ味ああああぁぁぁぁぁっ!?」
「はっはっは。そうだろうそうだろう」
「噛んだ瞬間、口の中いっぱいにリンゴとオレンジの味が! 生絞りジュースを飲んだってここまで濃厚な味にはなりませんよ!? それにワインのほう! アルコールの香りと味は残っているのに成分が完全に飛んですっごく食べやすい! これならお酒に弱い人や子ども関係なく美味しくいただけます! いやホント、何これ? スライムがこんなに美味しいだなんて……信じられない」
「美味しいだけじゃなくて魔力回復にも効果的なんだぜ。安物のマジックポーションよりも魔力回復効果があるんだ」
「本当ですか!? 言われてみれば……」
まるで神の奇跡を見たとでもいう目で、クレアはまじまじとゼリーを見ている。
「これが、冒険者ギルドで配給されるようになるんですか?」
「ああ、きみの頑張り次第だけどな」
「私やりますっ! 何をすればいいでしょうかっ!?」
「とりあえずスーちゃんの肉を元の大きさまで切り落としてくれ。切り落とした肉は全部収納袋に入れるんだけど、今回は用意していないから俺の無限袋に」
「はいっ! わかりました!」
言われた通り、クレアは肉を切り落としていく。
一度味わったおかげか、もう行為への忌避感はないようだ。
みるみるうちにスーちゃんが元の大きさに戻っていく。
「あ、そうそう。きみ用の収納袋は結構大き目のを用意するけど、それでも入りきれなかったぶんは食べていいよ」
「いいんですか!? こんな美味しいものを!?」
「ああ、ただしあくまで納品優先な。強くなればなるだけいっぱい狩れるだろうから、まあ頑張れ」
「はいっ! 頑張りますっ!」
クレアの瞳はやる気に満ち溢れている。
この調子なら、しっかりと働いてくれそうだ。
「スーちゃんがこんなに美味しいとか盲点でした……はっ! そうだ! ゼリー部分がこんなに美味しいならもしかしてコア部分も……ねぇスーちゃん? ちょっとコアを食べさせてくれないかな?」
「ピイイイィィィーーッ!?」
味に興味を持ったのはいいけど、相方を食わないようにお願いしたい。
-----------------------------------------------------------------------------------
《あとがき》
新ヒロインのクレア回終了です。
量産体制も整い、次回からは新メニュー開発で冒険します。
あの三人組も出てきますよ。
《旧Twitter》
https://twitter.com/USouhei
俺はクレアを連れて街の外まで来ていた。
早朝の爽やかな風が心地いい。
「あの、こんなところで一体何をさせようと? ク、クエストだって受けていませんけど……?」
「今日のは別にクエストじゃないからな。まあ、その一環ではあるんだけど」
不安そうなクレアを引き連れて街道沿いを歩く。
ビビリ気味の主を励まそうと、元気よくピョンピョン跳ねるスーちゃんがかわいい。
「これからやってもらうことは簡単なレベリングだよ。魔物を倒して強くなってもらう。それだけだ」
「た、戦うんですね? ちょっと怖いけど頑張ります!」
「そう気張らなくてもでもいいって。相手にするのはスライムだけだから」
「な、なんだ……それならいけそう……良かった」
「これから行くところのスライムを、できるだけ多く狩ってもらうからそのつもりでいてくれ」
「はいっ! わかりました!」
内容を聞いて落ち着けたようだ。
これなら安心だな。
そして雑談まじりに歩を進めること二十分――潮風漂う道沿いの小さな森林地帯を抜けて、俺たちは目的地に辿りついた。
「さあ、ここが今日のきみの仕事場だ。ここにいるスライムが全部いなくなるまで徹底的に狩りつくしてくれ」
「無理ですーっ!」
業務開始を促されたクレアが、再び叫んでビビリ始めた。
「無理って、さっきは自分でもできそうだとか言ってたじゃないか」
「た、確かに言いましたけど……でも、こんな多いだなんて聞いていません! そこらじゅうスライムだらけじゃないですか! 何ですかここ!?」
「『不定形生物の楽園』っていう場所らしい」
ギルマス曰く、マトファミア王国内の7割弱くらいのスライムがここに集まるとのこと。
スライムの生息条件にめちゃめちゃ適していて、四六時中繁殖しまくるので、狩っても狩っても数が減らなくて困っていると説明を受けた。
「なりたてFランク冒険者の相手としてはちょうどいいんだけどさ、なにせ数が半端ないから普通はCランクじゃないと来ないらしいぜ、ここ」
「じゃあ連れてこないでくださいよ! Fですよ私!」
「大丈夫、俺一応Bランクだし、強さだけならAランクかそれ以上ってギルマスに言われているから。それに、いざとなったら助けてやるから。ね?」
「ほ、本当ですか? そんなこと言っておいて放置するとかないですよね? 小さいころ『支えてあげるから安心して!』とか言って仔馬に乗ったら、手を放して放置した隣の家のアミカちゃんみたいなことしません? 転んで大怪我したあの時みたいなことは……」
「しないしない。きみに怪我されるのが一番困るんだ」
何せプロジェクトの中心人物だからな。
「怪我する前にフォローに入る。だから安心して戦ってくれ」
「し、信用しましたからね?」
「おう。あ、そうそう、戦って倒したスライムはスーちゃんに全部食わせて」
「全部、ですか? 別に構いませんけど、そんなことしたらとんでもなく大きくなりますよ? 街に入れなくなっちゃうかも」
「絶対そんなことにはならないから。とにかくそういうことで頼む」
「わ、わかりました……じゃあ、行ってきます」
さて、いよいよか。お手並み拝見と行こう。
クレアの武器は杖――と言っても、魔術師のシズが持っていたような、片手で持てるようなロッドではなく、両手用の大きな杖だ。
魔法で何かするだけではなく、おそらく直接叩き殺すことも視野に入れて作られた武器じゃないだろうか?
クレアは一番近くにいたスライムに狙いを定めると、大きく振りかぶった杖を一気に振り下ろした。
相対したスライムは避けることなく、中心にあるコアごとその身を爆散させる。
「うん、一撃か。問題なさそうだ」
さすがに最弱と呼ばれる魔物相手にてこずるようなことはない模様。
だが、俺が最も確認したいことはこの先だ。
「それじゃスーちゃん、お願いね」
「ピッ!」
クレアから命令されたスーちゃんは大きくその身を膨らませると、上から覆いかぶさるようにスライムを飲み込んだ。
砕けたコアと身が吸収され、スーちゃんの栄養へと変わって行く。
「へえ、食ったらゼリー部分がそのまま足し算されていく感じか。コアの部分は変わらないんだな」
以前俺が倒した巨大スライムのコアはスーちゃんの何倍も大きかったので、コアは他の生物と同様、栄養を吸収してゆっくり成長して行くのかもしれない。
まあ何にせよ、これなら帰るころには相当デカくなっているだろう。
この前食べた巨大スライムくらい大きくなっていると嬉しいんだけどな。
それだけあれば初日の結果としては十分すぎておつりがくる。
「あの分なら大丈夫そうだし、様子を見つつ俺もその辺のスライムを狩るとしようか」
……
…………
………………
そして四時間が経過した。
「よーしクレア、そろそろ街に帰ろう」
「は、はい……つ、疲れたぁ……」
クレアは俺の終了宣言を聞くなり、その場に尻餅をついて肩で息を始めた。
「そんなに疲れた?」
「あ、当たり前ですよ! 何匹倒したと思っているんですか!?」
「そうだな……大体だけど二百匹くらい?」
「三百です!」
そうか、予想よりもだいぶ数を倒してくれたようだ。
ゼーゼーと呼吸が荒いクレアに、心配そうに寄り添うスーちゃんの大きさからもその様子は伺える。
見た感じ縦横七メートルくらいありそうな気がする。
元々の大きさが縦横ニ十センチくらいだったので、凄まじい膨張率だ。
「三百か、それだけ倒せばいくらスライムオンリーでもそこそこ強くなれたんじゃないか?」
「は、はい。レベルは5つも上がりました」
「そいつはよかった。お疲れ様」
「と、ところでスーちゃんのことどうするんですか? 言われた通り全部食べさせましたけど、こんなに大きかったら街に入れませんよ?」
「大丈夫だ。街に入る前に元の大きさに戻すから」
「ど、どうやって?」
頭にハテナマークを浮かべたクレアから一度視線を外し、スーちゃんのほうを見る。
「確認だけど、スライムに痛覚神経はないんだったよな?」
「は、はい。正確には痛覚神経がないのはゼリー部分です。ゼリー部分はコアを守るための鎧――私たち人間で言う髪の毛みたいなものです」
「なるほど、わかった」
俺はクレアに向き直り、
「俺は今からたぶんきみが信じられないようなことをする。叫ぼうが驚こうが別に構わないけど、これから俺がすることは絶対に他言無用だ。もしも誰かに話してしまったら俺とギルマスの間で進めている一大プロジェクトがパーになる。なので、この先見る光景は絶対に誰にも言わないと約束してくれ。」
「わ、分かりました……で、でももし誰かに言ったら……」
「……………………」
「い、言いませーん! 絶対に秘密にします!」
俺の様子から勝手に最悪のパターンを想像してくれたようだ。
沈黙は金なり――という諺もあるし、こういう場合は下手に何か言うよりも黙っていた方が効果的だな。
まあ実際のところ情報漏洩しても、そこまで問題にならない気がするけどな。
念には念を入れてだ。
「よし、じゃあ始めるぞ。スーちゃん」
「ピ?」
「ちょっと失礼」
――ズブッ。
「なーなななななななななななななな!? スーちゃんに何をしてるんですかーっ!?」
「|肉を分けてもらっている。あ、髪の毛だっけ?」
「どっちでもいいです! 何でそんなことを!?」
「味見をするんだから実物がないと困るだろう?」
「あ、味見……? 何の……?」
「スライムに決まっているじゃないか。知らないだろうから教えてあげよう。スライムって実はものすごく美味いんだぜ」
「キ、キャアアアアァァァァッ!! ……あ」(ガクッ)
あ、気絶した。
体力的に限界だったところに精神的にくる話をされて逝ってしまったか。
「おーい、起きてー」
「ピー」(ペシペシ)
「う~ん……はっ! い、今ものすごく悪い夢を見ていたような?」
「スライムを食うって話か? 悪いけどそれ夢じゃないぞ」
先ほど切り取ったゼリー部分を、手の上でサイコロ状に切り分ける。
そして食べる。
うん、悪くないな。
この前食った巨大スライムと比べて甘みは弱いが、すっきりとした味わいというか、とにかく上品な味というか……。
「食感は随分と柔らかいな。ゼリーというよりもジュルに近い。この前のスライムはデカくても身はしっかりゼリーだった。もしかしてコアの大きさに比例して肉が硬くなるのか?」
「ほ、ホントに食べてるぅ……」
「スーちゃん、ちょっとコレ食ってみてくれ」
「ピッ!」
敬礼したスーちゃんに俺が渡したものは、近くで取れた果物だ。
あいにくあの時みたいなマンイーター(だっけ?)がいなかったので普通の果物だが。
「よし、果物が溶けた。そろそろかな? また失礼」(ズブッ)
「ひゃあああぁぁぁっ!? またスーちゃん刺したあああぁぁぁっ!」
「思った通りだ。消化した部分の肉は、消化したものの味がしみ込んでいる」
今回俺が渡したものはリンゴとオレンジ・
スーちゃんから取れた肉からは、しっかりとその二つの味が感じられる。
「スーちゃん、今度はこれ飲んでみて。安物のワインなんだけど」
ビンの味が混じったらたまらないので、念のため俺が直札身体にかける。
スーちゃんの一部がワインレッドカラーに染まった。
そこの部分を切り取り、また一口。
「美味い!」
安物ワインなのに高級感のある味に変わっていた。
ワインゼリーは大人にも人気のあるスイーツだ。
爆売れの予感しかしない。
「前食った時も思ったけど、普通に食うよりスライムと一緒に食った方が味が濃厚になるな。もしかして旨味成分を強化するような酵素がスライムの肉にはあるのかも……」
硬さの調節もできるし、美味くやればジュル系調味料も充実させることができるかもしれない。
ポン酢ジュルとかこれで作ったらすさまじく肉に合いそうな予感。
「よし、大体わかった。これなら十分いけるぞ! クレア!」
「は、はい……?」
「今日最後のきみの仕事だ。はい、これを持って」
「これ……包丁?」
そう、包丁だ。
俺のではなく、このために用意した彼女用の新品である。
「これを使ってスーちゃんのゼリー部分を、元の大きさくらいまで切り落とすんだ」
「嫌ですうううぅぅぅっ! 何でそんなことしなくちゃいけないんですか!?」
「そうしなければスーちゃんが街に入れないだろ?」
「ご、ごもっとも……でも、何で私が?」
「きみがスーちゃんのご主人様だからだ。あと、この作業がきみの日課になるから」
「日課!? ま、毎日これをやれってことぉ!?」
「そうだ。さっきの俺を見て何となく察しただろうけど、俺とギルマスが進めているプロジェクトというのは、スライムの食品化だ。スライムの肉を携帯食や回復薬に加工して、冒険者ギルドで配布できるようにしようというのがこのプロジェクトの趣旨になる」
「ま、魔物を食べるだなんて……そんな悪夢のような計画を……何で……?」
「それはな、魔物がとてつもなく美味いからだよ」
じゃなきゃこんなことわざわざやらない。
「嘘だというのなら食ってみろ。ほら、さっき俺がスーちゃんに食わせたリンゴとオレンジ、それにワインの部分がまだそこに残ってるぞ」
「い、嫌……食べたくない……」
「ふう、やれやれ……この世界の魔物食への偏見はやっぱ根深いな。会う人会う人、みーんな最初はきみと同じ反応をするんだもんな」
「あ、当たり前ですよ! そんな気持ち悪いこと!」
「でもな、一回食べるとみーんな病みつきになるんだよ。ギルマスなんて高い金払ってまで店に魔物食いに来るからな。このプロジェクトだって半分くらい自分で食いたいからだぜ、絶対」
じり……じり……
俺からクレアが後ずさりを始める。
逃がすわけには行かないので、俺も歩いて距離を詰める。
「まあ騙されたと思って一回食ってみろ。今日から毎日やってもらうんだから、自分の扱う物の味くらい知っておかないと。さあ、口開けて」
「や、やめてーっ! それ近づけないでーっ!」
「強情だなあ……そんなに嫌なら仕方がない。もし食べれたら今回だけの特別手当として金貨1枚払おうじゃないか」
「金貨1枚!? い、いや……でも……」
「どうする? やる? やめる?」
「や、やりまぁす! さあ来い!」
気合いを入れて開けた口の中に、俺はゼリーを放り込んだ。
パクン。
もぐもぐ。
「------------ッ!? う、美っ味ああああぁぁぁぁぁっ!?」
「はっはっは。そうだろうそうだろう」
「噛んだ瞬間、口の中いっぱいにリンゴとオレンジの味が! 生絞りジュースを飲んだってここまで濃厚な味にはなりませんよ!? それにワインのほう! アルコールの香りと味は残っているのに成分が完全に飛んですっごく食べやすい! これならお酒に弱い人や子ども関係なく美味しくいただけます! いやホント、何これ? スライムがこんなに美味しいだなんて……信じられない」
「美味しいだけじゃなくて魔力回復にも効果的なんだぜ。安物のマジックポーションよりも魔力回復効果があるんだ」
「本当ですか!? 言われてみれば……」
まるで神の奇跡を見たとでもいう目で、クレアはまじまじとゼリーを見ている。
「これが、冒険者ギルドで配給されるようになるんですか?」
「ああ、きみの頑張り次第だけどな」
「私やりますっ! 何をすればいいでしょうかっ!?」
「とりあえずスーちゃんの肉を元の大きさまで切り落としてくれ。切り落とした肉は全部収納袋に入れるんだけど、今回は用意していないから俺の無限袋に」
「はいっ! わかりました!」
言われた通り、クレアは肉を切り落としていく。
一度味わったおかげか、もう行為への忌避感はないようだ。
みるみるうちにスーちゃんが元の大きさに戻っていく。
「あ、そうそう。きみ用の収納袋は結構大き目のを用意するけど、それでも入りきれなかったぶんは食べていいよ」
「いいんですか!? こんな美味しいものを!?」
「ああ、ただしあくまで納品優先な。強くなればなるだけいっぱい狩れるだろうから、まあ頑張れ」
「はいっ! 頑張りますっ!」
クレアの瞳はやる気に満ち溢れている。
この調子なら、しっかりと働いてくれそうだ。
「スーちゃんがこんなに美味しいとか盲点でした……はっ! そうだ! ゼリー部分がこんなに美味しいならもしかしてコア部分も……ねぇスーちゃん? ちょっとコアを食べさせてくれないかな?」
「ピイイイィィィーーッ!?」
味に興味を持ったのはいいけど、相方を食わないようにお願いしたい。
-----------------------------------------------------------------------------------
《あとがき》
新ヒロインのクレア回終了です。
量産体制も整い、次回からは新メニュー開発で冒険します。
あの三人組も出てきますよ。
《旧Twitter》
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