6 / 13
少女との邂逅
しおりを挟む
流彦の妹・うる香は学校の制服のまま、腰に手をあてて立っていた。
長身の流彦から比べると頭二つ分ほど背が小さいが、スタイルの良さは母の蹴陽ゆずりで、ブレザーに押し込まれた豊かな胸を突き出し、つんとした顎を引いてポーズを決めているのだった。
「お前、稽古があるんじゃなかったのか?」
と流彦が聞くと、うる香は髪をサッとかきあげ、形のよい鼻をフンと鳴らした。
「今日は出来が良かったので早めに切り上げていただいたんですの。きっとお兄様だけではお母さまを連れて帰られるにも苦労されると思いまして」
そう言って片眉をあげて、何やら憐れむような視線を送ってくるので
「そうかい、そりゃご苦労さん」
と、流彦は出し抜けにうる香の頭をぐりぐりと撫でた。
「なっ、何をするんですのっ!」
慌てて兄の腕を払いのけ、後ろにとびすさる。
「レ、レディの頭をいきなり触るなんて、たとえ身内でも不作法ですわよっ!」
そう言って髪を両手で押さえ耳の先まで真っ赤になって怒る妹の姿に
(タコみたいなやつ……)
と心の中で感想を述べながら、
「お袋なら、ほれ」
と、小脇に抱えた母親を降ろしてうる香に示した。
「あ~、うるちゃん。やっほ~」
だらしなく笑う母親の姿に、うる香は眉を顰めてため息をついた。
「全く……またお酒に呑まれていますのね。お母様にも、少しは誇り高い火族としての矜持というものを持っていただきたいですわ」
「うぅ~ん、ごめんうるちゃん、お詫びに撫でさせてぇ~」
そう言って蹴陽はぬるぬると高速で這いよると、娘にひしっと抱き着こうとする。
「きゃぁ!」と乙女らしい悲鳴を上げて抵抗するうる香。
「お酒臭いですわよ、お母さま!」
「ぬひひ、良いではないかぁ良いではないかぁ~」
「ちょっと!ひゃん、どこを触って―」
親子のスキンシップを始めた二人を眺めていると、流彦のスマホのアラームが鳴った。
取り出して画面を確認する。黒い画面に浮かんでいるのは、青い蛇のマーク。
それは、「氷龍」が近くに発生する可能性が高いことを示していた。
幸いにして発生予測個所はドームの外。
しかし、そこは先ほど流彦が炉亜に変身した公園だった。
藤宮をはじめ、各都市には氷龍の発生をいち早く検知するための観測機器が網の目のように設置され、24時間体制で監視が行われている。
氷龍は時と場所を選ばず発生するが、その前には必ずといっていいほど予兆があることが分かっている。
「氷素」の濃度が急激に高まるのだ。
こうした予兆が発生した場合、近くにいる火族にこうしてアプリなどを通して通知が行くようになっている。
呼びかけに応じて馳せつけた火族が初期対応を講じることで、より大規模な氷龍発生を防ぐ仕組みだが、
(現時点で一番近いのは俺か……)
有力な火族たちは皆、歓待式にいるし、火廷の方でも警備などに人を割いているため、すぐには動けないだろうと思われた。
何より危険度の等級は「Eランク」だった。
すぐに大規模発生につながる危険はない。となれば火族たちの反応は鈍いだろう。
流彦も酔っ払いという厄介な荷物を抱えている以上、そちらを優先するつもりであった。
しかし。
(なんだ、この感覚は……)
予感というのか虫の知らせというのか、何か脳の奥底に張り付いて離れない妙な疼きを流彦は感じていた。
思わず知らず、流彦の足は扉の外へと向いていた。
「あ!ちょっとお兄様!」
腰に抱き着いて離れない母を引きはがそうとしながら、うる香は
「どちらに行かれるおつもりですの!?」
と兄を呼び止める。
流彦は振り返ると、
「うる香」
と静かに呼びかけた。
「な、なんですの……」
急に改まった兄の様子に、妹の瞳は揺れていた。流彦は母とうる香の顔を交互に見ると、
「仕事ができた。二人でしばらくここにいろ」
と言い残して、扉を開けて外に出た。
「お、お兄様―」
ガラス戸の向こうに妹の声が跳ね返るのを聞く間もなく、流彦は夕闇迫る路地を駆け出していた。
女装のままでは歩きにくい、と流彦は元の姿に戻って雪道を駆け、ドームの外へと抜け出した。
人目のつかないところまで来ると大鷲へと変身し、件の公園へと向かう。
小さな疼きは、いまだに流彦の脳裏に張り付いていた。
これの正体は何なのか。
行った先に何があるのか。
何も分からなかった。
けれど、今。今動くことが重要なのだ、と流彦は直感していた。
こうして衝動に動かされるなんて、らしくない。と我ながら思った。
顔や翼を切りつける冷風を感じながら、流彦は自身の思考を整理した。
(お袋とうる香はあのままでも大丈夫だろう。うる香の能力なら、お袋を乗っけて家に帰ることもできるし。さっきの通知は課長も気づいていただろうか。まずは連絡をつけてみなくては)
「通話開始」と小さく呟くと、耳に埋め込んだ小型の送受信機が起動する。
通話を求めていることは穂親にも伝わっているはずだが、ザザーっと砂嵐の音しかしない。
忙しくて手が回らないのかもしれない。いったん、連絡は諦めることにした。
流彦は隈なく眼下に目をやって、何か異変がないか中止した。
市街地中心ではないとはいえ、ヒト族の生活圏に氷龍が発生することは、それ自体が彼らの恐怖を呼び覚まし、下手をすれば大きなパニックにつながる。
普通の火族は面倒くさがる仕事でも、火族とヒト族双方の調和と安定を目指す「火廷」に属するものとしては、疎かにはできないのだった。
やがて氷龍が発生すると警告された場所に到着する。
公園の中は、ほんの数十分前と何も変わらないように見える。
人型の姿に戻り、流彦は歩いて巡視を始めた。
辺りはすっかり夜の闇に溶け始めていた。
昼間はきっと多くの人々の憩いの場となっているのだろう緑の芝生も、今は冷気だけが虚しい主として漂っているだけだ。
芝の丘を登ったところに、生垣で囲われた小さな庭園がある。
ツツジやサザンカ、バラにシャクナゲ。種々の花々の木が点在する丘は、頂上の噴水へと続いている。
噴水は直径5メートルほど、白い石で作られた低い壁には植物を抽象化した模様が刻まれていて―
そこまで見たとき、流彦はその噴水の壁に一つの影がうずくまっているのを見た。
「!」
急いで駆け寄ると、それは一人の少女だった。
年のころは流彦と同じくらいだろうか、長い栗色の髪が、ベージュのダッフルコートにかかている。体をレンガの床に横たえ、長い睫毛に縁どられた瞳は閉じられている。
眠っている、否、気を失っているのだろうか。
ゆっくりと抱き起そうとした流彦は、後ろに鋭い気配を感じて振り返った。
氷龍が鎌首を持ち上げ、こちらをうかがっていた。
長身の流彦から比べると頭二つ分ほど背が小さいが、スタイルの良さは母の蹴陽ゆずりで、ブレザーに押し込まれた豊かな胸を突き出し、つんとした顎を引いてポーズを決めているのだった。
「お前、稽古があるんじゃなかったのか?」
と流彦が聞くと、うる香は髪をサッとかきあげ、形のよい鼻をフンと鳴らした。
「今日は出来が良かったので早めに切り上げていただいたんですの。きっとお兄様だけではお母さまを連れて帰られるにも苦労されると思いまして」
そう言って片眉をあげて、何やら憐れむような視線を送ってくるので
「そうかい、そりゃご苦労さん」
と、流彦は出し抜けにうる香の頭をぐりぐりと撫でた。
「なっ、何をするんですのっ!」
慌てて兄の腕を払いのけ、後ろにとびすさる。
「レ、レディの頭をいきなり触るなんて、たとえ身内でも不作法ですわよっ!」
そう言って髪を両手で押さえ耳の先まで真っ赤になって怒る妹の姿に
(タコみたいなやつ……)
と心の中で感想を述べながら、
「お袋なら、ほれ」
と、小脇に抱えた母親を降ろしてうる香に示した。
「あ~、うるちゃん。やっほ~」
だらしなく笑う母親の姿に、うる香は眉を顰めてため息をついた。
「全く……またお酒に呑まれていますのね。お母様にも、少しは誇り高い火族としての矜持というものを持っていただきたいですわ」
「うぅ~ん、ごめんうるちゃん、お詫びに撫でさせてぇ~」
そう言って蹴陽はぬるぬると高速で這いよると、娘にひしっと抱き着こうとする。
「きゃぁ!」と乙女らしい悲鳴を上げて抵抗するうる香。
「お酒臭いですわよ、お母さま!」
「ぬひひ、良いではないかぁ良いではないかぁ~」
「ちょっと!ひゃん、どこを触って―」
親子のスキンシップを始めた二人を眺めていると、流彦のスマホのアラームが鳴った。
取り出して画面を確認する。黒い画面に浮かんでいるのは、青い蛇のマーク。
それは、「氷龍」が近くに発生する可能性が高いことを示していた。
幸いにして発生予測個所はドームの外。
しかし、そこは先ほど流彦が炉亜に変身した公園だった。
藤宮をはじめ、各都市には氷龍の発生をいち早く検知するための観測機器が網の目のように設置され、24時間体制で監視が行われている。
氷龍は時と場所を選ばず発生するが、その前には必ずといっていいほど予兆があることが分かっている。
「氷素」の濃度が急激に高まるのだ。
こうした予兆が発生した場合、近くにいる火族にこうしてアプリなどを通して通知が行くようになっている。
呼びかけに応じて馳せつけた火族が初期対応を講じることで、より大規模な氷龍発生を防ぐ仕組みだが、
(現時点で一番近いのは俺か……)
有力な火族たちは皆、歓待式にいるし、火廷の方でも警備などに人を割いているため、すぐには動けないだろうと思われた。
何より危険度の等級は「Eランク」だった。
すぐに大規模発生につながる危険はない。となれば火族たちの反応は鈍いだろう。
流彦も酔っ払いという厄介な荷物を抱えている以上、そちらを優先するつもりであった。
しかし。
(なんだ、この感覚は……)
予感というのか虫の知らせというのか、何か脳の奥底に張り付いて離れない妙な疼きを流彦は感じていた。
思わず知らず、流彦の足は扉の外へと向いていた。
「あ!ちょっとお兄様!」
腰に抱き着いて離れない母を引きはがそうとしながら、うる香は
「どちらに行かれるおつもりですの!?」
と兄を呼び止める。
流彦は振り返ると、
「うる香」
と静かに呼びかけた。
「な、なんですの……」
急に改まった兄の様子に、妹の瞳は揺れていた。流彦は母とうる香の顔を交互に見ると、
「仕事ができた。二人でしばらくここにいろ」
と言い残して、扉を開けて外に出た。
「お、お兄様―」
ガラス戸の向こうに妹の声が跳ね返るのを聞く間もなく、流彦は夕闇迫る路地を駆け出していた。
女装のままでは歩きにくい、と流彦は元の姿に戻って雪道を駆け、ドームの外へと抜け出した。
人目のつかないところまで来ると大鷲へと変身し、件の公園へと向かう。
小さな疼きは、いまだに流彦の脳裏に張り付いていた。
これの正体は何なのか。
行った先に何があるのか。
何も分からなかった。
けれど、今。今動くことが重要なのだ、と流彦は直感していた。
こうして衝動に動かされるなんて、らしくない。と我ながら思った。
顔や翼を切りつける冷風を感じながら、流彦は自身の思考を整理した。
(お袋とうる香はあのままでも大丈夫だろう。うる香の能力なら、お袋を乗っけて家に帰ることもできるし。さっきの通知は課長も気づいていただろうか。まずは連絡をつけてみなくては)
「通話開始」と小さく呟くと、耳に埋め込んだ小型の送受信機が起動する。
通話を求めていることは穂親にも伝わっているはずだが、ザザーっと砂嵐の音しかしない。
忙しくて手が回らないのかもしれない。いったん、連絡は諦めることにした。
流彦は隈なく眼下に目をやって、何か異変がないか中止した。
市街地中心ではないとはいえ、ヒト族の生活圏に氷龍が発生することは、それ自体が彼らの恐怖を呼び覚まし、下手をすれば大きなパニックにつながる。
普通の火族は面倒くさがる仕事でも、火族とヒト族双方の調和と安定を目指す「火廷」に属するものとしては、疎かにはできないのだった。
やがて氷龍が発生すると警告された場所に到着する。
公園の中は、ほんの数十分前と何も変わらないように見える。
人型の姿に戻り、流彦は歩いて巡視を始めた。
辺りはすっかり夜の闇に溶け始めていた。
昼間はきっと多くの人々の憩いの場となっているのだろう緑の芝生も、今は冷気だけが虚しい主として漂っているだけだ。
芝の丘を登ったところに、生垣で囲われた小さな庭園がある。
ツツジやサザンカ、バラにシャクナゲ。種々の花々の木が点在する丘は、頂上の噴水へと続いている。
噴水は直径5メートルほど、白い石で作られた低い壁には植物を抽象化した模様が刻まれていて―
そこまで見たとき、流彦はその噴水の壁に一つの影がうずくまっているのを見た。
「!」
急いで駆け寄ると、それは一人の少女だった。
年のころは流彦と同じくらいだろうか、長い栗色の髪が、ベージュのダッフルコートにかかている。体をレンガの床に横たえ、長い睫毛に縁どられた瞳は閉じられている。
眠っている、否、気を失っているのだろうか。
ゆっくりと抱き起そうとした流彦は、後ろに鋭い気配を感じて振り返った。
氷龍が鎌首を持ち上げ、こちらをうかがっていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる
街風
ファンタジー
「お前を追放する!」
ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。
しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる