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森の熊
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ある村におじいさんとおばあさんが暮らしておりました。
おじいさんは裏山で果物を育て、おばあさんは育てた果物を売って過ごしていました。
ある日おじいさんが果物の木を眺めていると
木の上で小さなリスが桃を食べているのを見つけました。
大切に育てている桃を食べられたおじいさんは怒ってリスを捕まえました。
するとリスは泣きながらこういうのです。
「今年は森の木の実がどれも不作で食べるものがない。食べるものがないと生きていけない」なぜかと問うと「少ない食べ物は大きな熊さんが全部食べてしまう。だから森には食べ物が残っていない」そう言うのです。
かわいそうに思ったおじいさんとおばあさんは、売れ残ったり、傷んでしまった果物を少しずつわけてあげることにしました。
その噂が森で広がり、おじいさんのところにはうさぎやねずみ、小鳥たちなどたくさんの動物たちが集まるようになりました。
賑やかになりおじいさんとおばあさんも楽しい毎日を過ごします。
そんなある日、みんなで果物を食べながらいつもの様に他愛もない話をしていると大きな熊がこちらを見ているのに気づきました。
おじいさんは、「あれが悪さをしている熊だな」と言って銃を取り出し、撃ってしまおうとしました。しかし、痩せこけて、泣いている熊を見たおばあさんが「どうして、そんなに泣いているのかね。」と聞くと、
大きな熊は泣きながら「俺だって、みんなと仲良くしたい。みんなと食べ物をわけたい。でも見てくれ。この体は食べないと生きていけないんだ。みんな知ってる通り、今年は不作で食べ物がない。食べるしかなかったんだ。」と言うのです。
この話を聞いた動物たちは、熊をかわいそうに思い、おじいさんたちに果物をわけてあげようと提案しました。
そうして、熊も加わった仲間たちと、楽しい日々を過ごしていくのでした。
しかし、次第におじいさんとおばあさんは村の人達から嫌われていくようになります。
「熊と仲良くするなんてありえない。あの人達には関わってはいけない。」
おじいさんとおばあさんは必死に説明しますが、中々理解してもらえません。
そんなある日、いつものようにみんなで集まっていましたが、いつもは夜が明けてやってくる熊の姿がありません。
次の日も、その次の日も、熊はやってきませんでした。
どうしたことかとみんなで森を探してみると、おじいさんが岩の陰にいる熊を見つけました。
よく見ると、今にも息絶えそうな痩せた体をし、ろくに食べ物も食べていないようでした。
どうしたのかと問うと、熊は言うのです。
「俺のせいで、みんなが嫌われるのなら、いないほうがいいんだ。俺はここで、ひっそりと死んでいく。みんなはどうか幸せに生きてくれ。」
息も絶え絶えに言う熊を見て、おじいさんは泣きながら抱きしめ、「熊よ、私たちはいいんだ。お前のおかげで楽しい日々を過ごすことができた。10人にも、100人に嫌われても、この楽しい日々が好きなんだ。どうか戻って来ないか。」
それを聞いた熊は、少し笑ったかと思うと、「ありがとう、ありがとう」と言いながら、一粒、二粒と涙を流し、そして
ゆっくりと横たわりました。みんなは泣きながら、誰も何も言うこともできず、ただただ冷たくなった大きな熊を眺めることしかできないのでした。
おじいさんは裏山で果物を育て、おばあさんは育てた果物を売って過ごしていました。
ある日おじいさんが果物の木を眺めていると
木の上で小さなリスが桃を食べているのを見つけました。
大切に育てている桃を食べられたおじいさんは怒ってリスを捕まえました。
するとリスは泣きながらこういうのです。
「今年は森の木の実がどれも不作で食べるものがない。食べるものがないと生きていけない」なぜかと問うと「少ない食べ物は大きな熊さんが全部食べてしまう。だから森には食べ物が残っていない」そう言うのです。
かわいそうに思ったおじいさんとおばあさんは、売れ残ったり、傷んでしまった果物を少しずつわけてあげることにしました。
その噂が森で広がり、おじいさんのところにはうさぎやねずみ、小鳥たちなどたくさんの動物たちが集まるようになりました。
賑やかになりおじいさんとおばあさんも楽しい毎日を過ごします。
そんなある日、みんなで果物を食べながらいつもの様に他愛もない話をしていると大きな熊がこちらを見ているのに気づきました。
おじいさんは、「あれが悪さをしている熊だな」と言って銃を取り出し、撃ってしまおうとしました。しかし、痩せこけて、泣いている熊を見たおばあさんが「どうして、そんなに泣いているのかね。」と聞くと、
大きな熊は泣きながら「俺だって、みんなと仲良くしたい。みんなと食べ物をわけたい。でも見てくれ。この体は食べないと生きていけないんだ。みんな知ってる通り、今年は不作で食べ物がない。食べるしかなかったんだ。」と言うのです。
この話を聞いた動物たちは、熊をかわいそうに思い、おじいさんたちに果物をわけてあげようと提案しました。
そうして、熊も加わった仲間たちと、楽しい日々を過ごしていくのでした。
しかし、次第におじいさんとおばあさんは村の人達から嫌われていくようになります。
「熊と仲良くするなんてありえない。あの人達には関わってはいけない。」
おじいさんとおばあさんは必死に説明しますが、中々理解してもらえません。
そんなある日、いつものようにみんなで集まっていましたが、いつもは夜が明けてやってくる熊の姿がありません。
次の日も、その次の日も、熊はやってきませんでした。
どうしたことかとみんなで森を探してみると、おじいさんが岩の陰にいる熊を見つけました。
よく見ると、今にも息絶えそうな痩せた体をし、ろくに食べ物も食べていないようでした。
どうしたのかと問うと、熊は言うのです。
「俺のせいで、みんなが嫌われるのなら、いないほうがいいんだ。俺はここで、ひっそりと死んでいく。みんなはどうか幸せに生きてくれ。」
息も絶え絶えに言う熊を見て、おじいさんは泣きながら抱きしめ、「熊よ、私たちはいいんだ。お前のおかげで楽しい日々を過ごすことができた。10人にも、100人に嫌われても、この楽しい日々が好きなんだ。どうか戻って来ないか。」
それを聞いた熊は、少し笑ったかと思うと、「ありがとう、ありがとう」と言いながら、一粒、二粒と涙を流し、そして
ゆっくりと横たわりました。みんなは泣きながら、誰も何も言うこともできず、ただただ冷たくなった大きな熊を眺めることしかできないのでした。
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