【完結】愛犬との散歩は、恋の予感

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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四章 結実

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 翌日になり、今日は奏くんとビデオ通話する可能性が高いから、髪も綺麗にしておきたいけど……家で勉強してるだけなのに、気合い入れすぎるのも変だよね。
 ゆるく三つ編みするくらいでナチュラルな感じの方が良いかな。
 あとは、ほんのりと赤く色づくリップをつければ準備OK!

 勉強しながらも、そろそろ連絡来るかなと時計ばかりを気にしてしまって全然集中できない。
 時間が刻々と過ぎていく……もう二十三時だし、今日はなさそうかな。

 そう思っていると、スマホの画面が光り、新着メッセージを知らせる。
 
 『こんな時間だけど、少しビデオ通話してもいいか?』

 きたっ! やった! 久しぶりに奏くんの顔がみれる。
 鏡でおかしなところがないかチェックをしてすぐに返事を送る。
 
 『もちろん。大丈夫だよ』

 すぐにスマホが鳴り、奏くんの姿が映し出される。
 久しぶりの奏くんだ。嬉しい! けど……疲れた顔してる気がする。
 大丈夫かな。

 「夜遅くごめんな。本当は明日にしようかと思ったんだけど……」

 「まだ起きてたし問題ないよ」

 「夏期講習が今日でやっと終わったから、茉莉絵の顔がみたくなってさ」

 「大変だったのかな。なんか疲れた顔してるけど」

 「あー……まぁ、勉強漬けだったから大変といえば大変だったけど、志望校別に対策した問題とか作ってくれてたりして、結構有意義な時間だったよ。ほら、うち妹いるから結構うるさいんだけど、自習室も使えるから、静かな環境で勉強できるのも良かったな」
 
 そうだった。小学生の妹ちゃんがいるから、賑やかなのか。
 うちは、高校生のお兄ちゃんだから、静かな環境だけど、奏くんは塾の自習室や図書館じゃないとそういう環境は作れないんだね。

 「そっか。夏期講習は奏くんにとって良い時間になったんだね。良かった」

 「勉強しながらテレビ通話しようって話だったけど、今日はただ顔がみたかっただけなんだよな。今日はもう少ししたら寝ようと思っててさ。勉強の邪魔してごめんな」

 「全然邪魔なんかじゃないよ。今日か明日あたり連絡くるかなって思ってたから、大丈夫だよ」
 
 「夏休み最終日、獅子丸連れていつもの公園行こうと思ってるんだけど、茉莉絵も予定がなかったらどうかな?」

 週末じゃないのに、奏くんに会えるなんて断る理由はない。
 クッキーも久しぶりに獅子丸くんに会えるの嬉しいはずだしね。

 「行く! 夏休みの課題も終わってるし、何も予定ないから大丈夫だよ」

 「良かった。じゃ、今日はこの辺で切るな」

 「はーい、おやすみなさい」

 「おやすみ」

 通話が終わり、羊ちゃんを手に取る。
 奏くんがとってくれたから、ことあるごとに手に取って撫でてしまう。

 顔を見たら余計に会いたくなっちゃったな……
 今日は、もう勉強する気分じゃないし、このまま寝ちゃおう。
 奏くんと通話した後だから、夢に出てきてくれないかな。

 ◆ ◆ ◆

 日焼け止めをしっかりと塗り、出かける準備は万端!
 こまめに日焼け止め塗ってるんだけど、プール行ったりしたから結構焼けちゃったんだよね……

 「茉莉絵ちゃん、アイス忘れてるわよ」

 「あっ、危ない危ない。せっかく作ったのに持っていくの忘れるとこだった。お母さん、ありがとー」

 「暑いからちゃんと水分補給するのよ」

 「はーい。行ってきまーす」

 いつも貰ってばかりだから、今日は私から渡そうと思って、昨日の夜バニラアイスを作っておいた。
 難しいのは作れないから、材料入れて混ぜるだけなら失敗はないだろうということでバニラアイスにした。
 保冷バッグの中を覗き込み、使い捨てスプーンが入っているのを確認する。

 「クッキーにも氷ちゃんと持ってきてるからね。暑かったら食べようね」

 「わふっ!」

 夏は暑いから、散歩の時は氷も持ち歩くようにしている。
 犬は体温調整がうまく出来ないから、氷で口の中を冷やしてあげるのとだいぶ楽になるみたいだしね。
 クッキーはガリガリと氷を噛んで食べるけど、念のため喉に詰まらせないように小さめの氷を作るようにしている。

 水飲み用の容器に一緒に氷を入れてあげれば、口の中に張り付くこともなく、嬉しそうにガリガリと食べてる。

 帽子を被るから髪をアップに出来ないから、今日は横に流すようにゆるく編み込んだだけど、変じゃないかな。
 身だしなみをチェックしながら歩いていると、奏くんの姿が見えた。

 夏期講習で勉強漬けだったから、肌は焼けておらず白いまま。
 う……私こんなに焼けちゃって、遊び過ぎって思われちゃわないかな。

 「奏くん、お久しぶり」

 「久しぶりだな。少し焼けたか?」

 「そうなんだよね……友達とプール行ったりしたから結構焼けちゃって」

 「健康的でいいんじゃない。夏だし焼けるだろ」

 「そういう奏くんは白いけど……」

 「あー、夏期講習があったから大して遊びに行ってないからな。遊んでも透の家にいってゲームしたりだから、外で遊んでないな」

 「それじゃ、焼けないね」

 全く遊べてない訳じゃなかったんだね。少しでも友達と遊べたなら良かった。
 勉強ばかりだと息が詰まるからね。

 クッキーと獅子丸くんは、私たちが話をしている間に、二人で駆け回って遊んでいた。
 久しぶりだからね。早く遊びたかったよね。

 「あ、奏くん。今日、アイス持ってきたから食べてくれるかな?」

 「え?」

 保冷剤を入れているとはいえ、アイスなので溶けやすいから早めに渡しておきたかった。
 保冷バッグから、アイスと使い捨てスプーンを取り出し手渡す。

 「これ……茉莉絵が?」

 「うん。いつも貰ってばっかりだったから、私も何か作りたいなって思って。難しいのは無理だからバニラアイスにしてみたの。レシピ通りに作ったから味は保証できるからね」

 流石に、レシピ通りに作ったので美味しくないということはなかった。既に昨日味見しているので、安心して食べて貰いたい。

 「気にしなくていいのに……でも、ありがたく頂きます。夏期講習頑張ったご褒美だな」

 「ご褒美だなんて……」

 こんな簡単なものでご褒美だなんて思ってくれるなんて優しいね。
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