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四章 結実
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「ほら、これ」
「ん?」
お兄ちゃんがバイトから帰ってきて早々私になにやら……これはもしかしてケーキ?
中を開けてみると、フルーツタルトが入っていた。
「わざわざ買ってきてくれたの?」
「まぁ、一応お疲れってことで」
「お兄ちゃん、ありがとう! フルーツタルトとモンブランどっちにするか悩んでて、モンブラン選んだから、フルーツタルト嬉しい!」
「なんだよ。もうケーキ食ってたのかよ」
「帰りにお母さんと買ってきたから、お兄ちゃんの分のチーズケーキもあるけど……ここに入ってるチーズケーキお兄ちゃんとお父さんのだよね?」
「だな……。母さんがチーズケーキ二個買ってきたなら、俺も二個買ってきたから四個もあることになるな……」
「もしあれなら、チーズケーキは明日私が一個食べようか? フルーツタルトは今日食べるけど」
一日に二個もケーキ食べるのどうかなって思ったけど、今日くらいいいよね。
お母さんもお兄ちゃんも私のために買ってくれたわけだしね。
「俺は今日一個食べれればそれでいいから、残りは食べていいぞ」
「はーい」
二日続けてケーキ食べるなんて中々ないよね。
お母さんもお兄ちゃんも考えることが同じで、家族だなーって思う。
一緒にいると考え方とか似てくるよね。
「お前……風呂入ったのに髪巻いてるのか?」
「これは……まぁ、色々と……」
奏くんとこれからビデオ通話するから、少し巻いてみただけなんだけど、それを突っ込まれると答えにくい。
お兄ちゃんもさほど興味がなかったようで「まぁ、なんでもいいけど。さてと、風呂いくかな」と言って去っていった。
フルーツタルトは美味しく頂き、奏くんとの通話に備える。
さっきまでは髪を軽く巻いただけの状態だったから、これに髪留めをつけて、色付きリップを塗る。
流石に寝る前なのに身だしなみ整えてたら、何か言われそうな気がしたから、直前まで出来なかった。
「あっ、ブレスレットもしておこうかな。せっかく奏くんからのプレゼントだから」
ブレスレットをつけていると、着信音がなったので、急いで通話ボタンをタップする。
『今大丈夫か?』
『うん、大丈夫だよ。今日は、お疲れ様』
『茉莉絵もお疲れ。マジで疲れたよな』
『今日、お母さんに車で早めに送って貰ったんだよね。そしたら、教室に三人しかいなかったの』
『あー、俺も母さんが送ってくれたんだよな。俺の教室は六人くらいはいたかな』
『やっぱり奏くんも早く行ってたんだね。なんとなくそんな気がするなって窓の外眺めながら思ってたんだよね』
『時間間に合うかとか心配しながら向かいたくないからな』
『わかる』
時間大丈夫かな。道が混んでて遅れたらどうしようって思いながら向かうと、学校着く前に疲れちゃうからね。
何事も早め行動の方が精神的にも気が楽なんだよね。
『あっ、そうだ。奏くんってチョコ好き?』
『チョコ? まぁ、普通に食べるけど……あー、この時期にそういうこと聞くってことは、あれか……、その、バレンタイン期待していいってことか?』
え、奏くん、クリスマス忘れてたのに、バレンタインには気付くの? ちょっと驚いた。
来月バレンタインだから、チョコあげたいなって思って聞いてみたんだけど、聞いてもなんのことか気付かないと思ってたのに。
期待してもいいのかってことは、私からのチョコが欲しいって受け取っていいかな。
『もちろん。そのつもりで聞いてみたんだよ。チョコ食べられるなら良かった。大したものは作れないけど、楽しみにしててね』
『バレンタインにチョコを期待して待つなんて初めてだな』
『え? でもチョコは貰ったりしてたんじゃないの?』
『そういうのは全部断ってたから。欲しいって思ったの茉莉絵が初めてだし』
『え、ちょっと待って、そんなに急にデレられると困る』
えー、嬉しいけど照れちゃうよ。奏くんって急にデレるよね。
『なにそれ。思ったこと言っただけだけど』
『ふふっ、嬉しい』
あぁ、好きって言いたいな。まだだめかな。
結果は出てないけど、もう受験勉強からは解放されたわけだし……だめかな。
『どうした?』
『あ……』
『ん?』
『好き……』
『え……?』
『奏くん、大好きだよ』
言っちゃった……
でも、今まで勉強の邪魔になるといけないから、言うの我慢してた。
やっと言えた……返事貰えるかな?
奏くんの様子を伺っていると、目を手で覆い上を向いていた。
『マジか……』
あれ……思っていた反応と違う……
バレンタインのチョコ期待してるって言ってくれたし、『俺も』って言ってくれるんじゃないかって期待してた。
やだ……自惚れてたのかな。
どうしよう、気まずい……
「ん?」
お兄ちゃんがバイトから帰ってきて早々私になにやら……これはもしかしてケーキ?
中を開けてみると、フルーツタルトが入っていた。
「わざわざ買ってきてくれたの?」
「まぁ、一応お疲れってことで」
「お兄ちゃん、ありがとう! フルーツタルトとモンブランどっちにするか悩んでて、モンブラン選んだから、フルーツタルト嬉しい!」
「なんだよ。もうケーキ食ってたのかよ」
「帰りにお母さんと買ってきたから、お兄ちゃんの分のチーズケーキもあるけど……ここに入ってるチーズケーキお兄ちゃんとお父さんのだよね?」
「だな……。母さんがチーズケーキ二個買ってきたなら、俺も二個買ってきたから四個もあることになるな……」
「もしあれなら、チーズケーキは明日私が一個食べようか? フルーツタルトは今日食べるけど」
一日に二個もケーキ食べるのどうかなって思ったけど、今日くらいいいよね。
お母さんもお兄ちゃんも私のために買ってくれたわけだしね。
「俺は今日一個食べれればそれでいいから、残りは食べていいぞ」
「はーい」
二日続けてケーキ食べるなんて中々ないよね。
お母さんもお兄ちゃんも考えることが同じで、家族だなーって思う。
一緒にいると考え方とか似てくるよね。
「お前……風呂入ったのに髪巻いてるのか?」
「これは……まぁ、色々と……」
奏くんとこれからビデオ通話するから、少し巻いてみただけなんだけど、それを突っ込まれると答えにくい。
お兄ちゃんもさほど興味がなかったようで「まぁ、なんでもいいけど。さてと、風呂いくかな」と言って去っていった。
フルーツタルトは美味しく頂き、奏くんとの通話に備える。
さっきまでは髪を軽く巻いただけの状態だったから、これに髪留めをつけて、色付きリップを塗る。
流石に寝る前なのに身だしなみ整えてたら、何か言われそうな気がしたから、直前まで出来なかった。
「あっ、ブレスレットもしておこうかな。せっかく奏くんからのプレゼントだから」
ブレスレットをつけていると、着信音がなったので、急いで通話ボタンをタップする。
『今大丈夫か?』
『うん、大丈夫だよ。今日は、お疲れ様』
『茉莉絵もお疲れ。マジで疲れたよな』
『今日、お母さんに車で早めに送って貰ったんだよね。そしたら、教室に三人しかいなかったの』
『あー、俺も母さんが送ってくれたんだよな。俺の教室は六人くらいはいたかな』
『やっぱり奏くんも早く行ってたんだね。なんとなくそんな気がするなって窓の外眺めながら思ってたんだよね』
『時間間に合うかとか心配しながら向かいたくないからな』
『わかる』
時間大丈夫かな。道が混んでて遅れたらどうしようって思いながら向かうと、学校着く前に疲れちゃうからね。
何事も早め行動の方が精神的にも気が楽なんだよね。
『あっ、そうだ。奏くんってチョコ好き?』
『チョコ? まぁ、普通に食べるけど……あー、この時期にそういうこと聞くってことは、あれか……、その、バレンタイン期待していいってことか?』
え、奏くん、クリスマス忘れてたのに、バレンタインには気付くの? ちょっと驚いた。
来月バレンタインだから、チョコあげたいなって思って聞いてみたんだけど、聞いてもなんのことか気付かないと思ってたのに。
期待してもいいのかってことは、私からのチョコが欲しいって受け取っていいかな。
『もちろん。そのつもりで聞いてみたんだよ。チョコ食べられるなら良かった。大したものは作れないけど、楽しみにしててね』
『バレンタインにチョコを期待して待つなんて初めてだな』
『え? でもチョコは貰ったりしてたんじゃないの?』
『そういうのは全部断ってたから。欲しいって思ったの茉莉絵が初めてだし』
『え、ちょっと待って、そんなに急にデレられると困る』
えー、嬉しいけど照れちゃうよ。奏くんって急にデレるよね。
『なにそれ。思ったこと言っただけだけど』
『ふふっ、嬉しい』
あぁ、好きって言いたいな。まだだめかな。
結果は出てないけど、もう受験勉強からは解放されたわけだし……だめかな。
『どうした?』
『あ……』
『ん?』
『好き……』
『え……?』
『奏くん、大好きだよ』
言っちゃった……
でも、今まで勉強の邪魔になるといけないから、言うの我慢してた。
やっと言えた……返事貰えるかな?
奏くんの様子を伺っていると、目を手で覆い上を向いていた。
『マジか……』
あれ……思っていた反応と違う……
バレンタインのチョコ期待してるって言ってくれたし、『俺も』って言ってくれるんじゃないかって期待してた。
やだ……自惚れてたのかな。
どうしよう、気まずい……
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