【完結】魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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0歳〜10歳

ストーリーを思い返す

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 熱に魘され、やっと元気になれたのは、6日後だった。
 お母様は、お見舞いに来る事も出来ず、ベッドで毎日涙を流していたと聞く。
 身体弱いのに、衰弱していないか心配だわ。

 お父様は、2日間無理に仕事を休んだそうだが、部下が迎えに来て、強制的に職場に連れて行かれただとか。
 部下の方には申し訳ない。
 
 世話係のアナは、体調の変化に気付けず反省しているそうだ。

 ーーこれは演技だろう

 何故、そう思うのか?この世話係のアナ。無害そうに見えて、私にとって1番害のある人間なのだ。

 取り敢えず、乙女ゲームについて思い出す事にする。
 ただ、これは姉がやってたゲームで、姉の話を聞いていただけなので、詳細は分からない。
 が、大まかなストーリーは分かる。

 ヒロインは市井で平民として育つ。
 母親が病で亡くなり、父親である子爵に引き取られる。
 そこから、攻略対象達と出会い、愛を育むだったと思う。

 攻略対象は、第二王子殿下、宰相の2番目の子息、騎士団長の3番目の子息、公爵家嫡男、大手商会の息子の5人。

 何故、王太子や、宰相の嫡男や騎士団長の嫡男ではないのか?と姉に聞いたら、『ヒロインが子爵令嬢なので、爵位が低くて、そういった人達には嫁げないから』と言っていた。

 それなら、公爵家嫡男が攻略対象なのは、おかしいんじゃない?と思った。

 これにも理由があり、公爵家嫡男がお忍びで訪れた市井でヒロインと出会い惹かれ合う。
 この時、まだヒロインは平民だった。お互いに叶う事がない淡い恋心を胸に秘める事にした。
 だが、ヒロインが子爵に引き取られた事により貴族になった。
 王宮で開かれるお茶会で再会し、秘めた想いが溢れ出す。
 公爵家嫡男は、傲慢な婚約者に見切りをつけて、周りの反対を押し切り、ヒロインと婚約する、という流れだったはず。

 そこで、私の配役はなんだろうか。

 ・・・見切りをつけられる傲慢な婚約者ですよ。

 まぁ、フェリシアがそうなってしまったのには理由がある。

 公爵家の生まれながら、生まれて7日目の鑑定で魔力無しの判定が出た。
 だが、家族や公爵家の者達は、そんなことは気にする事なく、可愛いフェリシアを蝶よ花よと可愛がった。
 鑑定で魔力無しと言われた可哀想な愛娘の為に、欲しいものは買ってあげ、したい事はさせてあげてた。

 魔力無しだと思われたフェリシアだったが、後2週間で1歳になるというところで、魔力でオモチャを浮かせて遊んでいるところを、世話係のアナが見てしまう。
 
 本来であれば、この時にアナがお父様に報告し、再度鑑定のやり直しを行うのだが・・・アナは違った。
 お父様を密かに慕っていたアナは、お母様に良く似た顔立ちのフェリシアの事が嫌いだったのだ。
 しかし、両親に溺愛されているフェリシアに少しでも怪我をさせれば、大問題になるので、危害を加える事は無かった。

 だが、フェリシアが幸せになるのは許せない。
 誰にも気付かれない様に、フェリシアの足首に魔力封じを付け、無意識にでも魔法が使えない様にしたのだ。

 これで誰もフェリシアに魔力がある事に気付かない。

 成長し、10歳の時に再び魔力鑑定が行われたが、この鑑定でも魔力無しの結果が出た。
 この時に、魔力が確認出来なければ、今後魔力が発現することは無い。

 この結果を受け、娘の今後を憂いた両親は、友人の息子との婚約を願い出た。

 友人の息子とフェリシアは、親同士が親交がある為、幼い頃から良く会っていた。
 幼馴染とも言えるだろう。

 肩より少し下まで伸びた淡いブロンドの髪を後ろで一つに結い、ブルーサファイアの様な瞳は透き通って美しく、まるで絵本の中の王子様の様。

 フェリシアは、この見目麗しい幼馴染を気に入っていた。
 連れて歩くと、令嬢達が羨ましそうにフェリシアを見るのだ。そんな令嬢達を目の端に捉えて扇子の下で笑うのが楽しかった。

 親同士が親しくしているだけで、フェリシアを婚約者にされた公爵家嫡男は、うんざりしていた。
 婚約者の義務として、誕生日の贈り物はするが、それ以外は、手紙を送ることも花をプレゼントする事もなかった。

 そんな中で、フェリシアがヒロインへの嫌がらせを加速させていく。
 公爵家嫡男は、我慢にも限界がきて、フェリシアを魔獣の森へ捨て、魔獣に喰わせるのだ。

 公爵家嫡男は、冷え冷えとした視線を向け「苦しんで死ぬんだな」とフェリシアを置いて去っていく。

 (・・・私死んじゃうの!?)
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