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11歳〜16歳

備えは・・・

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 ヴィオと話しながら、レストルームに向かうと、扉の前で2名護衛が立っているのが見えた。
 護衛が2名外にいるということは、中に2人の令嬢がいるということになる。

 中は広いため、先客が2人居たところで何ら問題にはならない。
 
 護衛を外で待たせて、ヴィオと2人で中に入ると、2人の令嬢が話に花を咲かせながら、お化粧を直していた。

 今いる場所の奥にまた扉があり、それぞれの個室がある作りになっている。
 
 ヴィオが個室に入ったのを確認してから、少し離れた場所の個室へ入る。

 サイラス様が心配していた様な事は何もなかったなと思いながら、個室を出て、手を洗い、化粧を直そうとしたところで、先ほどの令嬢達から声を掛けられる。

 「あの・・・フェリシア・オルガイン公爵令嬢でいらっしゃいますか?」

 誰だろう?
 お茶会でも見たことがない顔な気がするけれど・・・私が見覚えがないだけ・・・?

 「・・・えぇ、そうですが・・・」

 私がそう答えると、もう1人の令嬢が立ち上がり、私に近寄って来て、「お会いできて良かったです!待ちくたびれちゃいました!」と言った。

 待ちくたびれた?
 ここで私を待ってたの?

 警戒しようとしたところで、彼女は素早く私の後ろに回る。
 すぐに彼女の腕に手をかけようとしたところで、もう1人の令嬢にハンカチで口を塞がれる。

 まさかこんなところで、令嬢達に仕掛けられるなんて・・・。
 これは私の油断が招いたこと・・・。

 折角サイラス様が護身術教えてくれたのにな・・・

 そうして、私の意識は薄れていった・・・。

 ◇ ◇ ◇

 「はぁ、すんなり事が済んで良かったわ」

 「でも、もう1人も個室から出て来ちゃうから早く、彼女をこの中に入れないと」

 そういうと、2人は気を失っているフェリシアを木箱に入れた。
 木箱の上には、上品な布が敷かれ、上には花瓶が乗せられていて、中に人が入っているとは一目でわからない様になっていた。

 「さぁ、私たちの役目はここまで。出るわよ」

 「えぇ、それじゃー、王宮から退散するとしましょうか」

 そういうと、レストルームの扉を出て護衛を連れて廊下を歩いていく。

 その時、ヴィオが個室から出てきて、シアが居ないことを確認して、外に出ると、シアの護衛が「フェリシア様はご一緒ではないのですね」と声を掛けてきた・・・。

 「え・・・?シアはまだ出てきてないの?中には居なかったけれど・・・」

 そう言うと、シアの護衛騎士は、レストルームの中へ駆け出し、全ての個室を確認するがシアの姿は何処にもなかった。

 
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