【完結】魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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16歳〜

穏やかな暮らし

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 隣国の港町の邸宅をお父様が急遽買ったので、そこで一年過ごすことになった。

 この一年は、私にとってストーリーから抜け出せたのか確信するための時間。

 今は死んだことになっているので、狙われる心配もなく、心穏やかに過ごせるだろうとお父様は思っている。
 危険な目にあった私が心癒やされる時間になるだろうと。

 お父様と私では、この1年に対する思いや考えは違うけれど、心穏やかに暮らしたいと言うのは同じ。

 折角隣国に来たのだから、楽しみたいと言う思いと、残してきたサイラス様と友人のことが気にかかる思いと・・・。
 思いっきり楽しむという気持ちにはなれないけれど、この1年を無駄に過ごすのも勿体無いので、街を回ることにした。

 心配させてしまったお詫びも兼ねて何か買って帰りたいな。

 港町なだけあって、貝殻を使ったアクセサリーや化粧品などが多く売っていて、ヴィア達のお土産にいいなと幾つか目星をつけておく。

 サイラス様には・・・どうしよう。
 1年後帰国した時に、既にサイラス様に新しい婚約者がいた場合、私から何かをプレゼントするのは、迷惑になる。

 どうしたものか・・・。

 サイラス様のお土産は暫く保留にしておいて、帰国するギリギリにどうするか決めよう。

 お父様からの手紙では、サイラス様と私の婚約はまだ続いているとのこと。
 
 なんでもサイラス様が「フェリシアの死亡手続きがなされるまで婚約は継続する」と言っていると。

 彼は、私が生きていると気付いているのだろうか・・・それともそう思いたいだけ?

 影人形(大鳥)を国に置いてきているので、それでサイラス様の邸宅の上空を飛ばせる。

 彼は、喪に服しているのか、見かけるたびに黒い服を着ている。
 それ以外の色は意地でも着ないと言う様に・・・。

 はぁ。
 自分の命が掛かっているからと現状隣国へ逃げてきているけれど、サイラス様には本当に申し訳ないと思う。

 こんなにも思ってくれているなんて。

 自分のことしか考えられない私では、サイラス様にはふさわしくない。

 きっと、1年後帰国した時にサイラス様も私に呆れるはず。

 サイラス様には、素敵な令嬢と幸せになって欲しい。

 今はまだ私が亡くなったと噂になっているだけ。
 それも日が経てば、徐々にサイラス様へ釣書が届く様になるだろう。

 それでいい。

 今まで私がサイラス様の隣に居たから、他の令嬢がサイラス様の隣に立つことを想像すると、胸は痛むけれど・・・。

 それでも私は、サイラス様、あなたの幸せを願っているわ。


 
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