【完結】魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

文字の大きさ
51 / 58
16歳〜

---サイラス視点⑥---

しおりを挟む
 国に残してきた影人形(大鳥)を、ヒロインの邸の周辺に飛ばしたりしているけれど、一向にヒロインを見つけることが出来ない。
 
 動向が知れないのは、少し不安になる。
 今何処で何をしているのだろう・・・。

 何事もないのは、良い事なのだけど・・・嵐の前の静けさで無ければ良いなと思う。

 ◇ ◇ ◇

 【サイラス視点】

 フェリシアが、そんなことを思っていた数日前。

 「サイラス様、荷馬車に積み終わりました」

 「分かった。直ぐに行く」

 はぁ、まさかあの女がフェリシアに手を出すとは。
 煩わしい女だとは思っていたが、害は無いだろうと放って置いたのが良く無かった。
 自分が何をしたのか分からせなければ・・・。

 私のフェリシアによくも・・・。
 
 護衛数名と一緒に馬に騎乗し、魔獣の森へ向かう。
 荷馬車には、あの女を乗せて・・・。

 森の入り口へ到着し、護衛の1人が眠ったままの女を肩に担ぎ中に入っていく。
 私もあの女の末路を見届けるべく、後に続く。
 
 フェリシアの遺体が見つかったという場所へ。
 
 眠ったまま魔獣に喰わせてやるには生ぬるい。
 フェリシアが味わった恐怖をお前も味わうが良い。

 地面に転がした女の腕を切り落とし、目覚めさせる。

 「・・・っ。きゃああああああぁあああぁあ。あ″ あ″・・・ぅ。な・・・なに・・・」

 「あまり騒ぐと魔獣がやってくるぞ」

 そう声を掛けると、やっと女は私に気付いた。
 切られた腕に反対側の手を押し当て、苦痛に顔を歪める。
 
 「サイ・・・ラス様?ここは?一体何が?あの・・・うっ」

 女は、冷や汗を浮かべ、涙を流しながら懇願する。

 「ふっ・・・はぁ、サ・・・イラス様。う″ー・・・傷の・・・っ、手当てを・・・はぁ、して欲しいのですが・・・」

 「はっ、何故私がお前の傷を手当てしなければならない?」

 「え・・・?サイラス様は、ふっ・・・うぅ・・・私を・・・助けに来てくれたのでは・・・っ・・・ないのですか?」

 この状況でそう思えるとは、なんともおめでたい頭をしている様だ。
 こんな女に・・・。

 「お前の腕を切り落としたのは私だというのに?」

 「えっ!何故っ!?」

 「何故・・・何故かだと?本当に分からないのか?ここが何処かということも分からないのか?」

 お前が指示してフェリシアを魔獣の森に捨てたというのに、それに思い当たることもしないのか。

 「ここ?どこ・・・か・・・の、森・・・」

 「そう、森。お前がフェリシアを捨ててくる様に言った、魔獣の森だよ」

 「・・・っ。ちがっ」

 「違わない。お前にはまだ話はいっていないから知らないだろうが、お前が依頼した奴らはアジトを突き止めて、既に処刑されている。お前だけは・・・簡単に死なせるわけには行かない。自分で指示したんだ。それが返ってきただけのこと。恨むなら自分の行いを恨むんだな。お前がフェリシアに手を出さなければ、放って置いてやったというのに・・・」

 あぁ、本当にフェリシアが報われない。
 
 剣を振るいもう片方の腕も切り落とす。

 「あ”あ”あ”あ”あ”ぁ・・・う″っ・・・はっ、う″ー・・・っ」

 支える手を失い、転げ回る姿はなんて無様な。
 目玉も抉ってやりたいところだが・・・魔獣をしっかりと目に焼き付けて、恐怖の中で息絶えて欲しいからな。
 両腕だけで許してやろう。

 「これ以上、長居すると魔獣が集まってしまうだろう。そろそろいくぞ」

 「はっ」

 踵を返し、来た道を戻る。

 後ろで喚いてる女に向かって最後の言葉を掛ける。

 「フェリシアの恐怖、苦しみを思い知れ。せいぜい苦しんで死ぬんだな」
 

 
 
 

 

 
しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

悪役令嬢と誤解され冷遇されていたのに、目覚めたら夫が豹変して求愛してくるのですが?

いりん
恋愛
初恋の人と結婚できたーー これから幸せに2人で暮らしていける…そう思ったのに。 「私は夫としての務めを果たすつもりはない。」 「君を好きになることはない。必要以上に話し掛けないでくれ」 冷たく拒絶され、離婚届けを取り寄せた。 あと2週間で届くーーそうしたら、解放してあげよう。 ショックで熱をだし寝込むこと1週間。 目覚めると夫がなぜか豹変していて…!? 「君から話し掛けてくれないのか?」 「もう君が隣にいないのは考えられない」 無口不器用夫×優しい鈍感妻 すれ違いから始まる両片思いストーリー

【完結】元悪役令嬢は、最推しの旦那様と離縁したい

うり北 うりこ@ざまされ2巻発売中
恋愛
「アルフレッド様、離縁してください!!」  この言葉を婚約者の時から、優に100回は超えて伝えてきた。  けれど、今日も受け入れてもらえることはない。  私の夫であるアルフレッド様は、前世から大好きな私の最推しだ。 推しの幸せが私の幸せ。  本当なら私が幸せにしたかった。  けれど、残念ながら悪役令嬢だった私では、アルフレッド様を幸せにできない。  既に乙女ゲームのエンディングを迎えてしまったけれど、現実はその先も続いていて、ヒロインちゃんがまだ結婚をしていない今なら、十二分に割り込むチャンスがあるはずだ。  アルフレッド様がその気にさえなれば、逆転以外あり得ない。  その時のためにも、私と離縁する必要がある。  アルフレッド様の幸せのために、絶対に離縁してみせるんだから!!  推しである夫が大好きすぎる元悪役令嬢のカタリナと、妻を愛しているのにまったく伝わっていないアルフレッドのラブコメです。 全4話+番外編が1話となっております。 ※苦手な方は、ブラウザバックを推奨しております。

悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。

ねーさん
恋愛
 あ、私、悪役令嬢だ。  クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。  気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…

夫に相手にされない侯爵夫人ですが、記憶を失ったので人生やり直します。

MIRICO
恋愛
第二章【記憶を失った侯爵夫人ですが、夫と人生やり直します。】完結です。 記憶を失った私は侯爵夫人だった。しかし、旦那様とは不仲でほとんど話すこともなく、パーティに連れて行かれたのは結婚して数回ほど。それを聞いても何も思い出せないので、とりあえず記憶を失ったことは旦那様に内緒にしておいた。 旦那様は美形で凛とした顔の見目の良い方。けれどお城に泊まってばかりで、お屋敷にいてもほとんど顔を合わせない。いいんですよ、その間私は自由にできますから。 屋敷の生活は楽しく旦那様がいなくても何の問題もなかったけれど、ある日突然パーティに同伴することに。 旦那様が「わたし」をどう思っているのか、記憶を失った私にはどうでもいい。けれど、旦那様のお相手たちがやけに私に噛み付いてくる。 記憶がないのだから、私は旦那様のことはどうでもいいのよ? それなのに、旦那様までもが私にかまってくる。旦那様は一体何がしたいのかしら…? 小説家になろう様に掲載済みです。

隠れ蓑婚約者 ~了解です。貴方が王女殿下に相応しい地位を得るまで、ご協力申し上げます~

夏笆(なつは)
恋愛
 ロブレス侯爵家のフィロメナの婚約者は、魔法騎士としてその名を馳せる公爵家の三男ベルトラン・カルビノ。  ふたりの婚約が整ってすぐ、フィロメナは王女マリルーより、自身とベルトランは昔からの恋仲だと打ち明けられる。 『ベルトランはね、あたくしに相応しい爵位を得ようと必死なのよ。でも時間がかかるでしょう?だからその間、隠れ蓑としての婚約者、よろしくね』  可愛い見た目に反するフィロメナを貶める言葉に衝撃を受けるも、フィロメナはベルトランにも確認をしようとして、機先を制するように『マリルー王女の警護があるので、君と夜会に行くことは出来ない。今後についても、マリルー王女の警護を優先する』と言われてしまう。  更に『俺が同行できない夜会には、出席しないでくれ』と言われ、その後に王女マリルーより『ベルトランがごめんなさいね。夜会で貴女と遭遇してしまったら、あたくしの気持ちが落ち着かないだろうって配慮なの』と聞かされ、自由にしようと決意する。 『俺が同行出来ない夜会には、出席しないでくれと言った』 『そんなのいつもじゃない!そんなことしていたら、若さが逃げちゃうわ!』  夜会の出席を巡ってベルトランと口論になるも、フィロメナにはどうしても夜会に行きたい理由があった。  それは、ベルトランと婚約破棄をしてもひとりで生きていけるよう、靴の事業を広めること。  そんな折、フィロメナは、ベルトランから、魔法騎士の特別訓練を受けることになったと聞かされる。  期間は一年。  厳しくはあるが、訓練を修了すればベルトランは伯爵位を得ることが出来、王女との婚姻も可能となる。  つまり、その時に婚約破棄されると理解したフィロメナは、会うことも出来ないと言われた訓練中の一年で、何とか自立しようと努力していくのだが、そもそもすべてがすれ違っていた・・・・・。  この物語は、互いにひと目で恋に落ちた筈のふたりが、言葉足らずや誤解、曲解を繰り返すうちに、とんでもないすれ違いを引き起こす、魔法騎士や魔獣も出て来るファンタジーです。  あらすじの内容と実際のお話では、順序が一致しない場合があります。    小説家になろうでも、掲載しています。 Hotランキング1位、ありがとうございます。

婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました

Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。 順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。 特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。 そんなアメリアに対し、オスカーは… とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。

侯爵家の婚約者

やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。 7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。 その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。 カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。 家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。 だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。 17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。 そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。 全86話+番外編の予定

処理中です...