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16歳〜
---サイラス視点⑥---
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国に残してきた影人形(大鳥)を、ヒロインの邸の周辺に飛ばしたりしているけれど、一向にヒロインを見つけることが出来ない。
動向が知れないのは、少し不安になる。
今何処で何をしているのだろう・・・。
何事もないのは、良い事なのだけど・・・嵐の前の静けさで無ければ良いなと思う。
◇ ◇ ◇
【サイラス視点】
フェリシアが、そんなことを思っていた数日前。
「サイラス様、荷馬車に積み終わりました」
「分かった。直ぐに行く」
はぁ、まさかあの女がフェリシアに手を出すとは。
煩わしい女だとは思っていたが、害は無いだろうと放って置いたのが良く無かった。
自分が何をしたのか分からせなければ・・・。
私のフェリシアによくも・・・。
護衛数名と一緒に馬に騎乗し、魔獣の森へ向かう。
荷馬車には、あの女を乗せて・・・。
森の入り口へ到着し、護衛の1人が眠ったままの女を肩に担ぎ中に入っていく。
私もあの女の末路を見届けるべく、後に続く。
フェリシアの遺体が見つかったという場所へ。
眠ったまま魔獣に喰わせてやるには生ぬるい。
フェリシアが味わった恐怖をお前も味わうが良い。
地面に転がした女の腕を切り落とし、目覚めさせる。
「・・・っ。きゃああああああぁあああぁあ。あ″ あ″・・・ぅ。な・・・なに・・・」
「あまり騒ぐと魔獣がやってくるぞ」
そう声を掛けると、やっと女は私に気付いた。
切られた腕に反対側の手を押し当て、苦痛に顔を歪める。
「サイ・・・ラス様?ここは?一体何が?あの・・・うっ」
女は、冷や汗を浮かべ、涙を流しながら懇願する。
「ふっ・・・はぁ、サ・・・イラス様。う″ー・・・傷の・・・っ、手当てを・・・はぁ、して欲しいのですが・・・」
「はっ、何故私がお前の傷を手当てしなければならない?」
「え・・・?サイラス様は、ふっ・・・うぅ・・・私を・・・助けに来てくれたのでは・・・っ・・・ないのですか?」
この状況でそう思えるとは、なんともおめでたい頭をしている様だ。
こんな女に・・・。
「お前の腕を切り落としたのは私だというのに?」
「えっ!何故っ!?」
「何故・・・何故かだと?本当に分からないのか?ここが何処かということも分からないのか?」
お前が指示してフェリシアを魔獣の森に捨てたというのに、それに思い当たることもしないのか。
「ここ?どこ・・・か・・・の、森・・・」
「そう、森。お前がフェリシアを捨ててくる様に言った、魔獣の森だよ」
「・・・っ。ちがっ」
「違わない。お前にはまだ話はいっていないから知らないだろうが、お前が依頼した奴らはアジトを突き止めて、既に処刑されている。お前だけは・・・簡単に死なせるわけには行かない。自分で指示したんだ。それが返ってきただけのこと。恨むなら自分の行いを恨むんだな。お前がフェリシアに手を出さなければ、放って置いてやったというのに・・・」
あぁ、本当にフェリシアが報われない。
剣を振るいもう片方の腕も切り落とす。
「あ”あ”あ”あ”あ”ぁ・・・う″っ・・・はっ、う″ー・・・っ」
支える手を失い、転げ回る姿はなんて無様な。
目玉も抉ってやりたいところだが・・・魔獣をしっかりと目に焼き付けて、恐怖の中で息絶えて欲しいからな。
両腕だけで許してやろう。
「これ以上、長居すると魔獣が集まってしまうだろう。そろそろいくぞ」
「はっ」
踵を返し、来た道を戻る。
後ろで喚いてる女に向かって最後の言葉を掛ける。
「フェリシアの恐怖、苦しみを思い知れ。せいぜい苦しんで死ぬんだな」
動向が知れないのは、少し不安になる。
今何処で何をしているのだろう・・・。
何事もないのは、良い事なのだけど・・・嵐の前の静けさで無ければ良いなと思う。
◇ ◇ ◇
【サイラス視点】
フェリシアが、そんなことを思っていた数日前。
「サイラス様、荷馬車に積み終わりました」
「分かった。直ぐに行く」
はぁ、まさかあの女がフェリシアに手を出すとは。
煩わしい女だとは思っていたが、害は無いだろうと放って置いたのが良く無かった。
自分が何をしたのか分からせなければ・・・。
私のフェリシアによくも・・・。
護衛数名と一緒に馬に騎乗し、魔獣の森へ向かう。
荷馬車には、あの女を乗せて・・・。
森の入り口へ到着し、護衛の1人が眠ったままの女を肩に担ぎ中に入っていく。
私もあの女の末路を見届けるべく、後に続く。
フェリシアの遺体が見つかったという場所へ。
眠ったまま魔獣に喰わせてやるには生ぬるい。
フェリシアが味わった恐怖をお前も味わうが良い。
地面に転がした女の腕を切り落とし、目覚めさせる。
「・・・っ。きゃああああああぁあああぁあ。あ″ あ″・・・ぅ。な・・・なに・・・」
「あまり騒ぐと魔獣がやってくるぞ」
そう声を掛けると、やっと女は私に気付いた。
切られた腕に反対側の手を押し当て、苦痛に顔を歪める。
「サイ・・・ラス様?ここは?一体何が?あの・・・うっ」
女は、冷や汗を浮かべ、涙を流しながら懇願する。
「ふっ・・・はぁ、サ・・・イラス様。う″ー・・・傷の・・・っ、手当てを・・・はぁ、して欲しいのですが・・・」
「はっ、何故私がお前の傷を手当てしなければならない?」
「え・・・?サイラス様は、ふっ・・・うぅ・・・私を・・・助けに来てくれたのでは・・・っ・・・ないのですか?」
この状況でそう思えるとは、なんともおめでたい頭をしている様だ。
こんな女に・・・。
「お前の腕を切り落としたのは私だというのに?」
「えっ!何故っ!?」
「何故・・・何故かだと?本当に分からないのか?ここが何処かということも分からないのか?」
お前が指示してフェリシアを魔獣の森に捨てたというのに、それに思い当たることもしないのか。
「ここ?どこ・・・か・・・の、森・・・」
「そう、森。お前がフェリシアを捨ててくる様に言った、魔獣の森だよ」
「・・・っ。ちがっ」
「違わない。お前にはまだ話はいっていないから知らないだろうが、お前が依頼した奴らはアジトを突き止めて、既に処刑されている。お前だけは・・・簡単に死なせるわけには行かない。自分で指示したんだ。それが返ってきただけのこと。恨むなら自分の行いを恨むんだな。お前がフェリシアに手を出さなければ、放って置いてやったというのに・・・」
あぁ、本当にフェリシアが報われない。
剣を振るいもう片方の腕も切り落とす。
「あ”あ”あ”あ”あ”ぁ・・・う″っ・・・はっ、う″ー・・・っ」
支える手を失い、転げ回る姿はなんて無様な。
目玉も抉ってやりたいところだが・・・魔獣をしっかりと目に焼き付けて、恐怖の中で息絶えて欲しいからな。
両腕だけで許してやろう。
「これ以上、長居すると魔獣が集まってしまうだろう。そろそろいくぞ」
「はっ」
踵を返し、来た道を戻る。
後ろで喚いてる女に向かって最後の言葉を掛ける。
「フェリシアの恐怖、苦しみを思い知れ。せいぜい苦しんで死ぬんだな」
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