【完結】魔獣に喰い殺されたくないので、婚約者ではなく幼馴染の立場を希望します!

Ria★2巻発売中『簡単に聖女に魅了〜』

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16歳〜

新居

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 国へ帰る旅路は、ずっとサイラス様と共に過ごした。

 馬車は勿論の事、宿の部屋まで・・・。
 流石に、これは私も護衛達も止めたのだけど、「一月後には夫婦になるのだから構わないだろう?何も今すぐ手を出すとは言っていない。部屋を一緒にするだけだ。初夜は特別なものにしたいからね」と言った為、何を言っても無駄だろうという事で、誰も止めることが出来ず、同室になった。

 ただし、本当に宣言通りに、私に手を出すこともなく、ただ一緒のベッドで抱き締められて寝ただけだったので、サイラス様は鋼の精神をお持ちなのだなと感心した。

 移動中も、手を繋ぎ、離れることはない。
 もうこれは私が悪いので、拒否出来ない。
 サイラス様をこうさせてしまったのは、私のせいだから・・・。

 いや、全て私のせいではないけれど!
 なんなら私を誘拐した犯人達が1番悪いけど!

 私が誘拐された事が、サイラス様の心を傷付け、そして私の死亡という知らせで更に追い討ちをかけた。
 側にいることで、サイラス様の心が安らぐというのであれば、私は彼に寄り添うだけ。

 そうして着いた私達の新居は・・・
 
 「・・・要塞ですか?」
 
 なんだろう。凄い塀が高いけど!?
 
 「ほら、何かと物騒だからね。外敵の侵入を防げる様にしているんだよ」

 ・・・私が誘拐されない様にという事かしら?

 「確かに、物騒な世の中ですものね」

 門が開き、馬車が敷地内を進んで行く。

 塀が高いから圧迫感があるかと思っていたら、塀の近くには多くの木が植えてあり、塀に意識がいかないようになっている為、特に圧迫感を感じることもなく、緑豊な庭園という印象だった。

 それにしても・・・門から邸までが遠い!
 どれだけ庭が広いの!?

 「サイラス様・・・随分と庭が広いのですね?一般的な広さでは無いような・・・」

 「あぁ、フェリシアが癒される様にと、様々な植物を植えてあるよ。種類も多いから退屈しないかなと思ってね」

 私の為に、こんなに広い庭を作ったの!?
 庭師さんお手入れ大変そう。
 この広さだと何人もいそうだけど・・・。

 「私の為にありがとうございます」
 
 「一応、端の方に訓練場も作っておいたから、影達との訓練も続けられるよ」

 「凄いですね。ここまで考えてくださっているなんて・・・」

 「フェリシアの事を考える事は、苦でもなんでもないからね。フェリシアの笑顔が見れればそれで私は幸せだよ」

 「・・・っ。ありがとうございます」

 生きているか死んでいるかも分からない状況で、こんなにも私を想い、環境を整えてくれているなんて・・・。
 私と離れることがサイラス様の幸せだと勝手に決めつけていたけれど、サイラス様が私と一緒にいることが幸せだと言うのであれば、私もこれからサイラス様と幸せになる道を選んでいきたい。

 政略結婚ばかりの貴族社会の中で、こんなにも愛してくれる人と結婚出来る私は幸せだわ。

 そうして、案内された邸の中は・・・凄かった。
 この邸・・・別館という名の図書館があるのだけれど?
 物凄い本の数。
 普通は、図書館じゃ無くて、図書室では?
 規模が違う!流石公爵家!?
 お金持ちは考えることが違うのかしら?それともサイラス様だから?

 そして、私の部屋の隣には、刺繍部屋なんてものもあり、可愛らしい室内は、お店さながらの品揃え。
 ・・・色々と規模がおかしいと思うわ。

 そう、私の部屋と思っていたら、私とサイラス様のお部屋だった。
 んん?寝室は同じでも、部屋は別なものでは?

 「あの、サイラス様?部屋は別にされないのですか?」

 「どうして別にする必要があるのかな?」

 「え・・・っと、どうして・・・それが普通なのかなと?」

 「私には執務室があるから、仕事中はこの部屋には居ないし、ずっと一緒にいるわけじゃないのだから、部屋は一緒でも構わないだろう?」

 なるほど。
 確かに、仕事中は執務室にいるのであれば、常に一緒にいるわけじゃないし、私も図書館や刺繍部屋に居れば、特に問題でもないわね。

 「そうですね。問題なさそうです」

 「良かった。じゃ、少しお茶でもして休もうか」

 そうして、新居1日目は終了した。
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