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16歳〜
結婚式【完】
しおりを挟むこの日、私は17歳になり、運命を切り抜けた。
そして、サイラス様と結婚する。
自分の為に、サイラス様と離れようとしても離れられず婚約者に収まり、サイラス様の為に、婚約を解消しようとしても解消出来ず、今に至る。
ここまで来ると、サイラス様とはそういう縁なのだと思えてくる。
あんなにも逃げようとしていた日々が嘘の様に、穏やかで優しい時間を過ごせている。
全ては、サイラス様が私が生きていると信じて環境を整えてくれていたから。
そして、お父様とお母様の支えがあったから。
友人と再会し、以前と変わらない時間を過ごせている。
全て捨てて逃げるつもりだったけれど、思い留まり、1人で決めることなく、お父様に相談して良かったと思う。
そうでなければ、今の私は居ない。
鏡に映る自分を見つめる。
純白のウェディングドレス。
上品な刺繍があしらわれ、ゴテゴテすることなく、宝石が散りばめられ、キラキラと輝きを放っている。
ヴェールは長く、床についたときに弧を描くように広がり、とても美しい。
身につけているアクセサリーは、全てサイラス様の瞳の色。
・・・結婚式まで独占欲を顕にするところはブレないわね。
扉をノックする音が聞こえて、振り返るとサイラス様が立っていた。
「美しいな・・・」
そう一言だけ零し、壁に寄りかかり、目を細め嬉しそうにドレス姿を眺めている。
「サイラス様もどこの王子様かと思いましたわ。とてもお似合いです」
本当に・・・女性達の目を釘付けにしちゃうわね。
今日は、流石にサイラス様に懸想するような人は来ていないけれど、これから夜会などに参加すれば、私が居ても声を掛けてくる女性はいると思う。
結婚相手がモテるというのも問題ね。
挙式の前だというのに、いらぬ想像をして、モヤモヤとしてしまう。
目を伏せた私の前まで来て、私の顎に指を掛けて上を向かせる。
「フェリシア。私は神に誓う前に、ここでフェリシアだけに誓うよ。生涯ただ1人フェリシアだけを愛すると。他には何もいらない。フェリシアさえ側にいてくれれば私は幸せなんだ。それだけは覚えていて」
「サイラス様・・・」
「ほらほら、堪えて。泣いたら彼女達に怒られるよ?私だって口付けしたいのを我慢してるんだよ」
そう言いながら、化粧をしてくれたルナとステラを見る。
彼女達は、うんうんと頷いてサイラス様に同意している。
「ふふっ、口紅が落ちてしまうからだめですよ」
深呼吸をして、気持ちを落ち着かせる。
まだ泣くには早い。
まだ式は始まっていないのだから。
「お時間です」
使用人に声を掛けられ、サイラス様が手を差し出す。
「さぁ、フェリシア行こうか。君が私のものだと見せつけに行こうか」
「ふふっ。では、サイラス様が私のものだと見せつけに行くということですね?」
「・・・フェリシア、あまり可愛いこと言うと、式に出られなくなるよ?」
えっ!?どうして!?
サイラス様の真似しただけですけど!?
ジリッと後ろに下がろうとしたところで、腰をガシッと掴まれ、「さぁ、行こう」と爽やかな笑顔で歩き出す。
歩き出したサイラス様に従い、隣を歩く私の耳元に口を寄せて・・・
「今夜は覚悟しておいて」
そう囁いた。
「・・・っ」
耳を抑えて、サイラス様の方を見れば、輝かしいばかりの笑みを浮かべていた。
新居に引っ越してからサイラス様と同じベッドで約1ヶ月一緒に寝ていたけど、一度も手を出されることなく、サイラス様は鋼の精神をお持ちだ!素晴らしい!と絶賛していたけれど・・・ついにそれが解禁される。
あれ?私、今夜大丈夫なのかな?
次の日、ベッドから出られないんじゃ・・・。
青くなった私をクスリと笑い「痛くしないから大丈夫だよ」と囁くが、全然大丈夫じゃないと思う!
「さぁ、笑って、みんなが待っているよ」
式場の扉が開き始め、私は笑顔を浮かべる。
扉の先には、父や母、友人、大切な人達が待っている。
隣には、私を愛してくれる夫になる人。
サイラス様にエスコートされ、ヴァージンロードを歩きながら、今までの日々を思い出す。
多くの人に支えられ、愛され、私は今ここに立っている。
あんなに恐れていた死亡エンドを回避し、17歳を迎えることが出来た。
当初予想していなかったけれど、執着とも言える愛を向けてくれる婚約者と結婚する。
私、幸せだわ。
幸せ過ぎて怖いくらい。
この幸せを壊さない様に、大事に大事にしていきたい。
私はもう逃げる選択肢は選ばない。
これからは、なんでも夫となるサイラス様に相談して解決していきたいと思う。
私とサイラス様は夫婦になるのだから。
澄ました顔をして歩くサイラス様に、小声で話しかける。
「サイラス様・・・愛しています」
サイラス様は、歩みを止めて目を見開いて驚いている。
サイラス様でもこういう表情するのね。
ふふっ、してやったりだわ。
えっと、でもそろそろ進まないと。
周りがざわつき始めている。
サイラス様は、両手を私の頬に添えて、「私も愛しているよ。フェリシア」と言い、口付けをした。
誓いの口付けの前に、ヴァージンロードの途中で口付けされたことに、固まったしまった私に「はじめて愛してると言ってくれたね」と、そう言うサイラス様の瞳には涙の膜が張っていて、感極まっているのが見てとれた。
私は今まで沢山の愛をサイラス様から貰っていたのに・・・一度も愛を告げていなかった。
もっと早くに言葉にして伝えていれば良かった・・・。
これからは、沢山愛の言葉を伝えるわ。
「サイラス様、愛しています」
そうして、私から口付けた。
ーー完ーー
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とても面白く何回も読み返してしまいました‼️ちょっぴり気になったのが「アナ」は結局どうなったのかなとかサイラスには魔力があるの言ってないのかなとかです
見逃したのかと思ったんですが結局分からず?
ななし 様
感想有難うございますっ!
何度も読み返していただけて嬉しいです♪
主人公は誰にも魔力があることは伝えていなかったですね!
アナについては、明確になくなったと記載はしていないのですが、脚を切られた状態で魔獣の森に置き去りにされたということで、亡くなったのだなと思っていただけると嬉しいです♪
一昨年完結した作品だったので、感想通知が来てとっても驚きました!ありがとうございます♪
こんにちは、以前にも読ませていただきました
読み返して、11歳~16歳の年代 手紙のやりとりのお話で
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りんりん 様
感想有難うございますっ!
まさか読み返していただけるなんて嬉しいです✨
そして、誤字見つけて下さってありがとうございますー!
すぐ直しました♪
とても読みやすくてサクサク読み切っちゃいました!
サイラスさまの笑み怖いですー
最後の最後まで何かされるのではないかという恐怖がありました。
サイラスさま邸から一歩も出さないつもりですねー
こわやこわや…
Riafan 様
感想有難うございますっ!
こちらもお読み頂き、ありがとうございます♪
主人公が知らぬ間に、邸から出なくて良い環境が整えられているという、監禁エンドではないけど・・・それに近いというか(笑)
最後までお読みいただき、ありがとうございました!