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本編

食事は・・・

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 つい、隣の席を見てしまう。
 外食する時は、いつも隣の席にクマさんを座らせていたので、隣を見ても空席のまま。

 黒焦げになってしまったクマさんを、持ち歩くわけにもいかないので、家に置いてきている。
 おしゃれ好きなクマさんも、きっと今の状態は誰にも見られたく無いはず。

 早く、クマさんを元に戻す方法を探さなくちゃ・・・。

 折角、ガイルが食事に誘ってくれたのに、中々食事が進まない。

 「まぁ・・・あれだ。肉は良いから、スープだけでも全て食べろよ。食べないと元気出ないだろ」

 「うん、ありがとう。お肉は、お持ち帰りにさせて貰って、夜にでも食べる事にするよ」

 「いや、無理するな。どうせ、夜も大して食べられないんだろ?俺が食べてやるから、よこせ。夜は、また野菜たっぷりのスープでも食べて、徐々に食べる量を増やしていけばいい」

 「ありがとう・・・」

 僕がへこんでばかりいたら、ガイルも食事が不味くなっちゃうな。
 
 「それで・・・あいつを元に戻せそうな魔法陣は、見つかりそうか?」

 「それが、中々見つからなくてね。父や兄達にも探して貰って、いくつか本を送って貰って、試してみたりしてるんだけど、全然効果がなくてね」

 「そうか・・・」

 「それで、いくつかの魔法陣を組み合わせて、新しい魔法陣を作って見ようかなと思ってるんだ。もしかしたら、試していくうちに、効果があるものが出来上がるかもしれないし・・・出来ることは、何でも試してみたいんだ」

 「いいんじゃないか?やってみろよ。それで、上手くいけば儲けもんだろ」

 「うん!頑張るね!」

 「だが、夜更かしは禁止だ。イズが倒れたら、あいつが元に戻っても喜ばねーからな」

 「うん・・・分かった」

 「まっ、俺が毎日添い寝してやるんだから、夜更かしさせないけどな」

 「う″・・・」

 「はぁ、やっぱり、言うこと聞かないつもりだっただろ。今は、とりあえず、しっかり食べて、寝ろ。あいつを元に戻すのも大事だが、まずは、イズが元気になることが、最優先だ。あいつが元に戻って、久しぶりに見たイズが窶れてたら、悲しむだろ?」

 「うん・・・そうだよね。僕がちゃんとしてないとね」

 「よしっ!じゃ、さっさと食べないと冷えちまうぞ」

 「そうだね。頂きます」

 いつまでも、くよくよしてばかりもいられない。
 クマさんが、いなくても、しっかり生活していたと見せなければならない。

 痩せ細ってしまった身体を元に戻して、肌艶や髪質なども手入れしてどうにかしないと。
 クマさんが、今の僕を見たら、がっかりしちゃうよ。

 お揃いのリボンを付けて、お出かけするんだから、僕も見た目に気を使わないと。
 よし!クマさん、いつ戻ってきても大丈夫な様に、僕も頑張るからね!
 
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