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本編

組み合わせを考える

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 朝食を済ませ、ガイルは、そのまま冒険者ギルドへ行き、僕は部屋に戻った。

 ガイルは、今頃狩りかー・・・。

 僕も、以前は、森にクマさんと一緒に行って、薬草を採ったり、モンスターを狩ったりしてたな。
 懐かしい思い出でもあり、辛く悲しい思い出でもある・・・。

 どうしても、あの日の光景が脳裏から離れない。
 ダメだ。ダメだ。
 泣いちゃダメ。

 泣き暮れる日々は、卒業するって決めたじゃないか。

 クマさんが、元に戻った時の事を考えよう。

 また、お店に行って、洋服を新調してあげよう。
 そこで、お揃いの物を僕も何か買って、一緒にお出掛けしたいな。

 手持ちの本と、送って貰った本を幾つも開き、使えそうな魔法陣を探して行く。

 復元魔法は、効果がありそうで試してみたけど、何も起こらなかった。

 黒焦げになってしまったクマさんが、綺麗な毛並みになると思ったが、この魔法は、手足が取れたり、部品が取れてしまった場合に、効果を発揮するとのことだった。

 それでも、何かと組み合わせれば、いけるかもしれない。
 これは、魔法陣を作る上での、ベースとしよう。

 復元魔法と掛け合わせる他の魔法陣は、何が良いだろう。

 そう言えば・・・人形のメンテナンスとかは、どうやっているんだろう。
 修理に出す人も多いだろうし、一つ一つ手作業で修復しているのだろうか。
 それとも、何か魔法を使って修復しているのだろうか。

 もし、魔法を使って、メンテナンスをしているのであれば、クマさんの見た目だけであれば、元に戻す事が出来るかもしれない。

 勿論、お店にメンテナンスに出したとしても、見た目が直るだけで、元のお喋りなクマさんが帰ってくるわけではないけど。

 それでも、綺麗になったクマさんに、まだ着ていない服を着せてあげたりしたい。

 どうして、今まで、お店にメンテナンスに出す事が思い浮かばなかったんだろう。
 ぬいぐるみの事なら、お店にお願いするのが1番だったのに。

 クマさんが、普通のぬいぐるみじゃなかったから、そういった普通の事も頭から抜けちゃっていたのかな。
 それに、暫くは、思考が働いて無かったからかな・・・。

 よしっ!
 今から、お店に行ってみよう。

 そう思い、床に広げた本を片付けようとした所で、ガイルが帰ってきた。

 「ただい・・・何か凄い事になってるな」

 「何が効果があるか探してて、ちょっと本を広げ過ぎちゃったね」

 「もしかして、帰ってからずっとやってたのか?」

 「そ、そうだね」

 「今、何時だと思ってるんだよ。没頭し過ぎだ。今日は、もう休め」

 「丁度、片付けようと思ってたんだ。ぬいぐるみ専門店に行こうと思って」

 「今から出かけるのか?やめとけ。イズ、疲れが顔に出てるぞ。店に行くなら、明日の朝にして、今日は、もう食事にして、ゆっくり過ごそう」

 「・・・そうだね。こんな時間になってたなんて、これから行ってもお店の人に迷惑になっちゃうね。明日行く事にするよ」

 「よし、じゃ、飯買ってきたから、食べようか」

 「ガイル、ありがとう!」

 外が暗くなっていた事にも、気付かなかったなんて、周りが見えてないな。
 もう少し、心に余裕を持って取り組まないと、ガイルに心配掛けちゃうね。

 明日は、クマさんをメンテナンスに出すから、数日離れる事になっちゃうけど、クマさんが綺麗になって帰ってくると思えば、気分は上がる。

 可愛いクマさんになって戻っておいで。
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