【キスの意味なんて、知らない】

星井 悠里

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第3章 キャンプ

「ずっと」*樹

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 森田と佐藤と一緒に近くの店までやってきた。
 言ってた通り、花火が置いてある。ここらへんのキャンプ場で花火をやりたい人が買いに来れるようにしてくれているらしくて、結構たくさん置いてあった。

「あんまり音がしないほうがいいよな」

 森田の声に佐藤も頷いてる。

「もう結構遅いから、そういうのにした方がいいのかな。ここらへんもそういうのだね」

 色々見ながら言うと、森田が覗き込んできた。

「音も煙も少なめだって。こんなのあるんだな。いいんじゃねえ?」
「じゃ決まりね」

 佐藤も頷いて、その種類をいくつか選ぶ。花火用のろうそくも一緒に買って、車で戻ると、残ったメンバーが外で待っていた。
 少し離れた、花火をやって良い場所まで歩いて、用意してあるバケツに水を入れた。

 火をつけて、花火が始まる。
 皆で写真を撮りあったりしばらく楽しんでから、オレが少し離れて皆の花火を見ていると、蓮が隣にやって来た。

「綺麗だね」
 そう言うと、ん、と蓮が笑う。

「樹、ごめんな。一緒に行けなくて」
「ううん。全然」

「佐藤、運転、大丈夫だった?」
「ん。近かったし、車もほとんど通ってなくて。あと、オレ、隣に座ったよ」

 クスクス笑うと、そっか、と蓮も笑う。

「……坂井とはさ」
「……うん?」

「ちょっと話しただけ」
「――――……話しただけ??」
「そう」

 ……話しただけってなんだろう。
 ……告白とかじゃなかったのかな……。
 そう思ったら、蓮がオレを見つめた。

「加瀬くんは好きな人がいるよね、って言われてさ。居るって答えた」
「……そうなんだ」

「それであとは……普通に話してただけ」
「……そっか」

「呼ばれた時は、どう断ったら傷つけないかなとか思ったけど、要らない心配だった」

 苦笑いの蓮。

「……ほんとは、告白したかったんだと思うけど」

 少し離れたところで、明るく笑ってる坂井が見える。
 気まずくならない方を、選んだんだろうな、と思うと。

 強いなあ、と、思う。
 ……告白、したかったと思うのに。
 好きな気持ちを出さないって。大変、だよなあ……。

「――――……樹」
「ん?」

「……この先さあ。色んなこと、あると思うけど」
「うん……?」

「ずっと、樹と居たいから……ちゃんと色々話そうな?」
「――――……うん」

 まっすぐな蓮の瞳が、すごく綺麗だなぁと思って。
 嬉しいけど、なんでだか、きゅんとしすぎて、胸が痛いような気もする。

「……蓮」
「ん?」

「花火、しよっか?」
「ん、そうだな」

 ふ、と笑いあって、皆の方に近づく。


 皆で、笑いながら、色とりどりの花火を見つめる。
 ホントに綺麗で。

「――――……」


 蓮と居ると、なんだか色んな事がキラキラして、楽しいなと思う。
 
 蓮と、ずっと。
 居れたらいいなって。今更だけどすごく思う。


 皆で居て、遊ぶのも話すのも、楽しかったけど。

 明日帰ったら、また二人なんだな、と思うと……。
 ……今度は、恋人として、あの家に、二人きりなんだなと思うと。

 なんだか、すごく、ドキドキする。かも。



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