20 / 24
◇出逢い編
◇1/10でも。
昼。類は教室で食べないで、学食に行く。
ささっと食べて、その後は、晴れてれば、中庭のベンチのとこで日向ぼっこしながら読書。雨なら図書館で読書。
今日は、雨なので、絶対図書館、のはず。
弁当を食べ終えて、図書館に向かう道の途中。
女子の声に呼び止められた。
「佐原くーん」
振り返ると。マゾか愛かとか言ってきた、相原だった。
あ……変な子。
「なに?」
「今朝、久しぶりに佐原くんに話しかけてたでしょ」
「……気になる?」
「皆めっちゃ気にしてるよ」
「人の事なんか気にしなくていいのに」
「だって、桜木くん、あんなに綺麗なのに、誰とも喋んないし。カッコいいって言ってる女子も居るのにさ。で、それを佐原くんが崩せるかって楽しみにしてたのに、最近もう諦めたのかなって噂してたら、今日いきなりでさ。しかも、桜木くん、速攻出てっちゃうし」
「――――……桜木って、モテるの?」
なんか色々言ってたけど、一番気になることを聞いてみた。
「うーん、モテるというか。 顔綺麗でカッコイイから、憧れかなあ。 誰とも喋ってくれない人、なかなか本気で好きになる子は居ないから。まだ憧れどまりかな」
「へー……」
なるほどね。
そっかー。モテるのか。
「モテるのは佐原君でしょ」
「オレ?」
「ただでさえ、ほっといてもモテそうなタイプなのにさ。桜木君に声かけてあげて、優しいーとか、評価上がってるし」
「へえ。 面白いなあ、皆」
「面白いって……そこらへん、興味無さそうだね」
相原が、ふ、と笑ってオレを見上げてくる。
「あのさ」
「うん」
「愛かもしれない」
「え?」
「マゾじゃなくて」
「――――……愛なの?」
「うん」
くす、と笑うと。
相原は、へー、と笑った。
「2人を好きな子は、泣くかもねー。って、いいの? そんな事言っちゃって」
「だって、相原、誰にも言わないからって、こないだ言ってたじゃん」
「ああ。愛かマゾか聞いた時?」
「そ。言ってたろ?」
「うん。言ったわ」
クスクス笑って、相原は頷いた。
「――――……受け入れてもらえたら、隠してもらわなくてもいいと思うけど」
オレの言葉に、相原は目を大きくして。
それから、めっちゃ面白そうな顔で笑った。
「分かった。めっちゃ楽しみに、見守ってるねー」
楽しそうに、駆け出して消えた。
…………やっぱ、変な子。
ぷ、と笑いながら、図書室に向かう。
居た居た。
ほんと。どんだけ本読むつもりだよ。
その時間の1/10でいいから、オレに使ってくんないかなあ、と思いながら。類の隣に座った。
雨だから他にする事が無い奴が来てるのか、放課後よりは、人が居るけど。類が居る端っこは、誰も居ない。
「類」
「……オレ、迷惑って、言った」
こっちを見ずに、類が言う。
「……ほんとに、心から迷惑ならね」
「――――……心からだよ」
視線が少し彷徨って。
それから、そう、静かに言う。
「――――……そうやって、迷ってるみたいなするから。オレが諦めないんだって、分かる?」
「……迷ってなんかない。……お前が言う事、いちいち、意味が分かんないんだよ……」
「嘘だよ。類、頭いいんだから、分かってるだろ」
「……」
はー、と類がため息をついてる。
あなたにおすすめの小説
学園の俺様と、辺境地の僕
そらうみ
BL
この国の三大貴族の一つであるルーン・ホワイトが、何故か僕に構ってくる。学園生活を平穏に過ごしたいだけなのに、ルーンのせいで僕は皆の注目の的となってしまった。卒業すれば関わることもなくなるのに、ルーンは一体…何を考えているんだ?
【全12話になります。よろしくお願いします。】
黄色い水仙を君に贈る
えんがわ
BL
──────────
「ねぇ、別れよっか……俺たち……。」
「ああ、そうだな」
「っ……ばいばい……」
俺は……ただっ……
「うわああああああああ!」
君に愛して欲しかっただけなのに……
そんなの真実じゃない
イヌノカニ
BL
引きこもって四年、生きていてもしょうがないと感じた主人公は身の周りの整理し始める。自分の部屋に溢れる幼馴染との思い出を見て、どんなパソコンやスマホよりも自分の事を知っているのは幼馴染だと気付く。どうにかして彼から自分に関する記憶を消したいと思った主人公は偶然見た広告の人を意のままに操れるというお香を手に幼馴染に会いに行くが———?
彼は本当に俺の知っている彼なのだろうか。
==============
人の証言と記憶の曖昧さをテーマに書いたので、ハッキリとせずに終わります。
また恋人に振られたので酒に飲まれていたらゴツい騎士に求婚していた件
月衣
BL
また恋人に振られた魔導省のエリート官吏アルヴィス。失恋のショックで酒に溺れた彼は勢いのまま酒場に現れた屈強な王宮騎士ガラティスに求婚してしまう。
翌朝すべての記憶を保持したまま絶望するアルヴィスだったが当のガラティスはなぜか本気だった。
「安心しろ。俺は誠実な男だ。一度決めたことは覆さない」
逃げようとするエリート魔導師と絶対に逃がさない最強騎士
貢ぎ体質な男が捕まる強制恋愛コメディのつもりです!!