【ひみつの巣作り】💖書籍化進行中です✨

星井 悠里

文字の大きさ
95 / 231

第95話 仲間との飲み会 5

しおりを挟む



「αん時から変に危なっかしかったから」
「……あぁ、なんか分かる」
「一応色々守ってたんで」
 昴の意味の分かんない言葉に、なぜか颯は、ああ、と笑って、ありがとな、とか言ってる。

「……オレ なんか守られてた??」
「いーよお前は、知らなくて」
「そうだな」
 昴と颯に言われて、納得いかないオレを一人残して、なんか皆は、そうだね、うんうん、みたいなノリ。どういうこと。何なの。

「いいよ、慧はもう颯に守られときな」
「…………」

 守られる……??
 誠の言葉に首を傾げながら、颯を見ると、颯はクスクス笑って、守られといて? と笑う。

「別にオレ、か弱くないし……」

 むむ、とむくれながら呟くと。

「でもさ、慧。実際、もうΩなんだし、今までよりももっと、色々気を付けた方がいいよ?」
 誠がちょっと真面目な顔でそう言う。

「ヒートとかも大変なんだろうし。フェロモンが番以外効かないってだけで、別になんだってできるんだから。どんなもんか、様子見ながら、だよな」
「困ったら言えよ。今まで通り」

 健人と昴もそう言って、オレを見つめる。
 ……その心配の感じは、ほんとに心配してくれてるとしか思えなかったので、うん、とだけ頷く。


「なあ、もう二人で暮らすのは慣れた?」

 誠に聞かれて、颯とオレ、顔を見合わせる。

「オレはもともと自分ちに慧が入ってきたからな。すんなり入ってきた気がして、ただ楽しいだけだから。慧は慣れた?」
「――――……」

 ただ楽しいだけ、とか。
 嬉しすぎてニヤついてしまいそうで、顔を引き締めるためのしばしのインターバル。

「あ、まだ慣れてない?」
 オレのちょっとの真顔の沈黙を勘違いした颯に、そう聞かれて焦る。

「もう慣れた」
「ほんとに? いいよ、まだ慣れてなくても全然」
「慣れたよ、楽しいもん」

 とっても焦ってそう言うと、なら良かった、と颯。オレがホッとしたところで、昴が笑う。

「つか、今の焦り方から見ると、どーせ今のは、颯がただ楽しいだけとか言ったから、嬉しすぎて答えられなかっただけだろ?」

 昴の、ニヤニヤした感じの言い方に、むきー、と睨むと。
 颯が、オレを見つめて、そうなのか? と笑う。
 違くないので違うとも言えないし、あってるとも恥ずかしいから言えないし、むー、昴めー。

 颯にもよく色々バレるけど、昴にも……ていうか、誠にも健人にもか。あれ? おかしいな。んー……。

「こういうとこ、ほんと可愛いよね」
 誠がケタケタ笑いながら言う。

「αん時から変わんないけど」
「なー。別にΩになったからとかじゃないよな、慧のこういうの」
「だな」

 昴と誠と健人の三人はなんだかとても面白そうに笑いながらそう言うと。

「まあ、可愛がってあげて、こういうとこ」

 誠が颯に向かってそう言うと、颯は、「分かってる」と即答。

「…………」

 なんか良く分かんないけど、もういいや、ツッコむと、色々恥ずかしいことになりそうな気しかしないし。スルーしよう、スルー。

「まあでも、二人で暮らすのにも慣れてるっぽいし。指輪で、ほんとに結婚してるんだってアピールもできてたし、落ち着くかな」

 誠の言葉に、ん、と颯が頷いて。それから、ふ、と気づいたように。

「でも来週金曜からオレ、二泊三日のゼミ合宿でさ。居ないんだよな」
「へー。じゃあ、慧、一人で留守番なんだ」
「うん」
「落ち着いたばっかの頃に泊りで居ないとか慧には悪いけど」

 颯の言葉に、オレはブンブン首を振る。

「ゼミ合宿はしょうがないじゃん。大丈夫、もう何がどこにあるかは大体分かったしさ」
 オレがそう言うと、昴はククっと笑いながら。

「とか言って、寂しくて泣いてんじゃねーの?」
「しないっつの!」

 怒ってるオレをスルーして、「確かに」と誠と健人も頷いてる。
 颯はそのやりとりを見ながら、あーなるほど、と何かを納得してる。

「……颯、何がなるほどなの?」
 オレがそう聞くと、颯は、オレを見て、クスクス笑う。

「ここ四人で居るの、よく見てたけど。関係性が、大体分かった」
「…………」
 
 ここでのやりとりを見て、関係性がって言われると。
 ……なんか、オレの立ち位置が微妙すぎる気がするので、ちょっとむむむ、と黙っていたら。ぷは、と三人が笑い出す。

「そうそう、こんな感じで超仲良しだよなー?」
「そうそう」
 誠と昴が笑いながら頷いてそれから、健人が颯を見つめながら。

「颯の取り巻きとかとは大分違うけど。でも、慧の周りは大体こんな感じで仲良しっつーか、なんか人が周りにいるよな」
「……なんかオレで遊んでない?」
「可愛がってるの間違いじゃね?」

 健人は言うけど、笑ってるし!
 もー! と健人を見てると、オレの隣で颯が。不意に。

「まあ。……すげー可愛いもんな、慧」

 ふ、と笑いながらそう言って。
 ……何やら、めちゃくちゃ愛おしそうに見つめられてしまい。

 一瞬で、止めようもなく、ぼっと火を噴いたオレ。

 三人に可愛いとか言われれても、全然で、むしろ怒ってたのに。
 ……颯の可愛いは、無理だー。

「…………っっ」

 テーブルに突っ伏して、もう何も聞こえない状態で、しばし、時を過ごした。
 

 オレの仲良し三人と。颯の、初めての飲み会は。
 なんかずっとそんな感じで時が過ぎて。

 始まるまで喧嘩腰っぽかった昴もなんだかすっかり仲良くなって、無事(?)終了した。






しおりを挟む
感想 453

あなたにおすすめの小説

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

最強βの俺が偽装Ωになったら、フェロモン無効なのに狂犬王子に求愛されました~前世武道家なので物理で分からせます~

水凪しおん
BL
前世は日本の武道家、今世は平民β(ベータ)のルッツ。 「Ωだって強い」ことを証明するため、性別を偽り「Ω」として騎士団へ入団した彼は、その卓越した身体能力と前世の武術で周囲を圧倒する。 しかし、その強さと堂々とした態度が仇となり、最強のα(アルファ)である第一王子・イグニスの目に止まってしまった! 「お前こそ俺の運命の番だ」 βだからフェロモンなんて効かないのに、なぜかイグニスの熱烈な求愛(物理)攻撃を受ける日々に突入!? 勘違いから始まる、武闘派β×最強王子のドタバタ王宮BLファンタジー!

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

悪魔はかわいい先生を娶りたい

ユーリ
BL
天界にて子供達の教師を勤める天使のスミレは、一人だけ毎日お弁当を持ってこない悪魔のシエルという生徒を心配していた。ちゃんと養育されているのだろうかと気になって突撃家庭訪問をすると…?? 「スミレ先生、俺の奥さんになってくれ」一人きりの養育者×天使な教師「いくらでも助けるとは言いましたけど…」ふたりの中を取り持つのは、小さなかわいい悪魔!

隣の席のイケメンに懐かれた

しょうがやき
BL
隣の席のイケメンに懐かれた平凡男子の話

オレンジの奇跡~夕と凪、僕らが交わる世界~

けいこ
BL
両親が営む小さな旅館『久我屋』を手伝いながら、BL小説を書いている僕。 穏やかにゆっくりと過ごす日常に満足していたある日、僕の前にとんでもなく魅力的な男性が現れた。 今まで1度も誰かを好きになったことがない僕にとっては、この感情が何なのか理解できない。 複雑に揺れ動く心に逆らえず、今までとは明らかに違う現実に戸惑いながら、僕の心はゆっくり溶かされていく……

大工のおっさん、王様の側室になる

くろねこや
BL
庶民のオレが王様の側室に?! そんなのアリかよ?! オレ男だけど?! 王妃様に殺されちまう! ※『横書き』方向に設定してお読みください。 ※異母兄を『義兄』と表記してしまっておりました。『兄』に修正しました。(1/18・22:50)

処理中です...