【ひみつの巣作り】💖書籍化進行中です✨

星井 悠里

文字の大きさ
187 / 231

第187話 百面相?


 ふっと目が覚めた。
 カーテンから零れる白い光。いい天気そう。良かった。

 昨日の学祭の色々を思い出して、楽しかったなと微笑んでしまう。今日もお店頑張って、そしたら、後夜祭で、イケメンコンテストだ。

 ……イケメンコンテストって、何するんだろ。
 ステージに上がるって言ってたから……インタビューとか?? 一発芸とか? カッコいいこと、何か、するのかなあ。
 去年は見なかったし、あんまり考えてなかったけど、スーツを着てステージに上がって、何もしないってことはないよな。
 全然分かんないや。……楽しみ。ドキドキだけど。

 目の前にある、颯の顔をじっと見つめる。

 ――――綺麗。このまま何時間でも、見つめていられそうな気がする。
 寝ててもカッコいいなあ。

 じーーー。
 颯の方が早く起きることが多いから、寝顔は貴重。

 ……睫毛長いなあ。瞳閉じてても、カッコいい。唇も、綺麗。
 でもやっぱり、寝てると、強烈な圧みたいなのは無いかも。

 瞳かなあ、やっぱり。
 圧倒的に、強烈に、もう、視線を逸らせなくなる、みたいな。

 ……大好きすぎて。

 でもかっこいいけど、寝てると、なんか可愛い。
 ふふふ。顔が綻ぶ。

 そーっと手を動かして、そーーーっと、ぷに、と頬に触れる。
そういえば、颯ってよくオレの頬に触れるけど、オレからはあんまり触ってないかも! ぷに、とつまんでみる。もちろん、すっごくそうっと。

 やわらかい。
 ……んー。なんかキュンキュンするな。やばい。

 もうものすごくそーっと動いて、近づいて、颯の頬をすりすり撫でて、ちゅ、とキスする。

 わー。なんか、もう、すごく好き。どうしよう。
 これ以上は起きちゃいそうなので自重して、至近距離でじっと見つめる。


 寝てると、やっぱり少し幼い感じもして、可愛いなと思ったら。
 ふと、出会った頃の颯を思い出した。中一の時だ。

 今思い出してみたらすっごく可愛かった気がするのだけど。あの時のオレは、颯のことを、カッコいいなと思った。で。だからこそ、こいつには負けないぞーって対抗意識を燃やして……。

 ――昴も言ってたけど。オレ、うるさかったと思うんだよなあ。ちょこちょこ絡みに行って……ほんとなにしてたんだろ。うーん……。眉を寄せて、悩んでしまう。
 あの後、お互いαって分かったのも確か、同じ頃で……まあαやΩの多い家系の子が集まってるから、どっちも何人も居たんだけど。

 他に居るαだって、結構イケてる感じの奴ら多かったし、勉強とか運動とか、出来る奴も多かったのに、そいつらとは結構仲良くて、全然張り合いもしなくて……颯だけ。
 まあ、多分、周りの評価が、颯がすごく良かったのを、あの頃のオレは肌で感じてて……多分それで、負けないってなってた……のかな。
 なんであんなに、燃えていたのかは、今のオレからしても大分、謎だ。

 大学になって、張り合うのやめて。……ちょっとは大人になってたのか……?
 そしたら体調悪くなって……颯が来て……変性だって、颯に言われて。
 そのままこの家に、来て、即、番になるとか。

 ――――……何か改めて、颯って、すごいな。
 あのうるさかったオレを、ウザがらずに、良く思ってくれてて、でもって、しばらく関わってなかったあの日に、あんな形で、番として受け入れてくれるって。
 出会いからずっとを思い出してきただけでも、颯がすごいとしか……。

 その後も、家族にちゃんと挨拶してくれたり、観覧車で指輪くれたり、オレの友達と飲みに行ってくれたり。言うこともすることも。好きなとこしか無い。
 そう思いながら、うんうん、とちいさく頷きながら、そっと手を動かして、自分の薬指を見つめる。

 裏に文字が刻印されたこの指輪も。
 ……絶対、一生つけてるもんね、オレ。

 ふ、と顔が綻んだ瞬間。突然。

「ふ。」

 空気が零れるような――――……??
 ん? 笑った??

 自分の指から視線をあげて、颯の顔を見上げると。
 颯が口を手で覆いながら、オレを見つめて笑ってる。

「颯……?」
「あーごめん……我慢できなくて」

 颯に、ぎゅっと抱き締められて、オレは、? がいっぱい。

「え? 何? いつ起きたの?」

 すっぽり埋まった胸から顔を起こして、颯を見上げると、颯は、ぷに、とオレの頬を摘まむ。


「こうやって、慧が触ったあたりから」
「えっ」
「なんか、キスしたり、可愛いなーと寝た振りしてたら、急に静かになって。少し目を開けたら、オレのことは見てなくてさ。しかめっ面し出したなーと思ったら、ニコニコしだして、指輪見つめて笑ってるし」
「……っ見てたの?」
「顔のすぐ下で、百面相されたら見るよな」
「……っ起きてるって言ってよー!!」

 真っ赤になった自分が、すごく分かる。
 はずかしいよね、これ……っ!

「なあ、慧? 今何考えてたのか、聞いていい?」
「やだやだ! そういう、寝た振りとかやめてほしい……」

 枕に抱き付いて埋まって、冷たい感触に頬を冷やしているのだけど、颯は、もう楽しそうに、笑ってる気配がする。


 もー!!! 百面相してたつもりないけど、颯が今言ったのは、そのまんま、その気持ちだった時だから、ほんとにそういう顔してたんだなと思ったら……!

 もーもー、すっげーハズイ!!



感想 457

あなたにおすすめの小説

人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます

七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。 歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。 世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。 気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。

こわがりオメガは溺愛アルファ様と毎日おいかけっこ♡

なお
BL
政略結婚(?)したアルファの旦那様をこわがってるオメガ。 あまり近付かないようにしようと逃げ回っている。発情期も結婚してから来ないし、番になってない。このままじゃ離婚になるかもしれない…。 ♡♡♡ 恐いけど、きっと旦那様のことは好いてるのかな?なオメガ受けちゃん。ちゃんとアルファ旦那攻め様に甘々どろどろに溺愛されて、たまに垣間見えるアルファの執着も楽しめるように書きたいところだけ書くみたいになるかもしれないのでストーリーは面白くないかもです!!!ごめんなさい!!!

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

【本編完結済】巣作り出来ないΩくん

こうらい ゆあ
BL
発情期事故で初恋の人とは番になれた。番になったはずなのに、彼は僕を愛してはくれない。 悲しくて寂しい日々もある日終わりを告げる。 心も体も壊れた僕を助けてくれたのは、『運命の番』だと言う彼で…

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

【本編完結】期限つきの恋

こうらい ゆあ
BL
神崎葵は、聖桜病院の特別病棟で静かな日々を送っていた。 Ω性特有の難病『フェロモン崩壊症』に冒された彼は、かつてイラストレーターとして活躍していたが、今では病室でひとり、スケッチブックに心を刻む。 余命わずかな時間の中、担当医・佐藤悠真との出会いが、閉ざされた白い病室に温かな光を灯す。 葵の海への憧れ、恋への憧憬が色鮮やかに花開くが、時間は無情にも迫ってくる。 限られた時間の中での、儚い恋のお話。

番解除した僕等の末路【完結済・短編】

藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。 番になって数日後、「番解除」された事を悟った。 「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。 けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。 様々な形での応援ありがとうございます!