7 / 36
第6話 ピンクのネックレス?
しおりを挟む
「今日はちょっと優雅ランチしましょう~いいですよね? 先輩」
「はい……」
去年の新人なので、まだ一年の付き合いなのだがとっても距離が近い。
……いや、違う。この子は、会った時からこんなだった。
明るくて、キラキラしてて、笑顔が素直。
でも、天然とかじゃなくて、ちゃんとしてる。
お嫁さんにしたら好いタイプだと思ってる。可愛いし。ネイルとかも派手にする訳じゃなくて、ちゃんと、綺麗にしてる。
男性社員の受けも良くて、まあお局様たちには敬遠され気味だけど、でも突っ込んで注意されるような悪いとこもないため、被害も無さそう。
羨ましいタイプの子。
マンツーマンだったのもあるのか、なんだか慕ってくれている感はある。めっちゃ合コンに誘われる以外は、困ることもないのだけど。
待って待って、確かに休みは取ったけど、私、何か変な顔してた?
朝、普通に起きた。
テーブルの葉書を見て、カレンダーで七月の曜日を確認。
七月二十五日が土曜だから、前日に実家に帰って一日ゆっくりしてから、同窓会に出るつもり。そして、日曜もゆっくりして、月曜にこっちに帰ろうと思ったから、つまり、金曜と月曜の休みを取ることを決めた。
普通に朝ごはん食べて、化粧をして、普通に服に着替えて――そういえばいつもあまりつけない、ピンクの石のネックレスをしたかも。
……まさか、ピンクだから??
なになに、もう、こわいなぁ、もう。
ワンコインとかのお店だとこみこみだからだと思うけど、ちょっと高めの空いてるカフェに入り、奥の席が空いてるのを見つけると、愛梨さんは「奥がいいんですけど」と店員さんに言った。
二人で、奥の席に座って、注文を終える。
「えと……私、なにか、へん?」
「えー!! 気づいてないんですかー!」
「何が……?」
ピンクのネックレス? と聞こうとしたら、愛梨さんが、ふふっと笑ったる
「先輩、今日、ずーっとそわそわしてますよ。デートですか?」
「……いや。違うし。そわそわなんてしてないよ」
「そわそわが違うなら……ウキウキですかね? なんかカレンダーをよく見てるし、とにかく、何かが全然違います。でも気のせいかなぁとも思ってたら、平田さんに呼ばれて」
平田さんはお局さんの一人だ。お休みの許可をもらった人……。
「七月に、彩葉さんが二日お休みするから、そこはお休み入れないようにねって言われたんですよ。てことは、金曜から月曜まで四連休にするってことですよね?」
「――」
まあ。……確かに。私が休んで、愛梨さんも休んだらちょっと大変なものもあるかもだけど。
こんなすぐに言わなくても。……ち、ちがうか……。昨日の今日で、連休取った私がおかしいのか。
三か月ちかく先の休みなんて、普通取らないもんね……。そうだよね、おかしいか。でもどうしても休みたくて……ってそれがおかしいのか。
うう。
「だからもう、三か月後になにかあるのかと思って。でも、三か月後のことじゃ、そんなにそわそわしないだろうし、それとは別で、今日はデートかなあって」
「……とりあえず、デートじゃないよ。今いい人居ないの知ってるしでしょ」
「はい。ていうか、先輩、私が入社して以来、告白されたり誘われてるのは合コンとかでも見ましたけど、一回も、いい人はいないの、知ってます」
「――」
やっぱり、一年くらい、彼氏いないのかも……。昨日思ったの、あってたな。とちょっと苦笑い。
「えーじゃあ、なんなんですかー? 私やっと先輩に彼氏できたのかと思って……」
「ごめんね、彼氏報告じゃなくて」
苦笑してしまう。
「だって、先輩、綺麗だし、めっちゃ仕事できるし、親切だし、こんなにいい人なのに……」
「なのに……?」
褒められても、その後の方が怖い。
「なのに、いい人も彼氏も出来ず、最近は合コンもなんか参加してくれないし、なんか日々淡々と過ごしている先輩が、なんだか不憫で……どうしてモテるのにそんな……このまま、お局様たちに混ざってしまうのかと思うと……」
頬に手をおいて、うっうっと泣きまねをしている愛梨さん。
「ストップストップ、なんだかいろいろ失礼だから」
「あ」
静かにツッコミを入れると、愛梨さんは、えへへ、と笑ってる。
思うまま話してても、憎めないのって、ほんと得だなあと、苦笑してしまう。
「はい……」
去年の新人なので、まだ一年の付き合いなのだがとっても距離が近い。
……いや、違う。この子は、会った時からこんなだった。
明るくて、キラキラしてて、笑顔が素直。
でも、天然とかじゃなくて、ちゃんとしてる。
お嫁さんにしたら好いタイプだと思ってる。可愛いし。ネイルとかも派手にする訳じゃなくて、ちゃんと、綺麗にしてる。
男性社員の受けも良くて、まあお局様たちには敬遠され気味だけど、でも突っ込んで注意されるような悪いとこもないため、被害も無さそう。
羨ましいタイプの子。
マンツーマンだったのもあるのか、なんだか慕ってくれている感はある。めっちゃ合コンに誘われる以外は、困ることもないのだけど。
待って待って、確かに休みは取ったけど、私、何か変な顔してた?
朝、普通に起きた。
テーブルの葉書を見て、カレンダーで七月の曜日を確認。
七月二十五日が土曜だから、前日に実家に帰って一日ゆっくりしてから、同窓会に出るつもり。そして、日曜もゆっくりして、月曜にこっちに帰ろうと思ったから、つまり、金曜と月曜の休みを取ることを決めた。
普通に朝ごはん食べて、化粧をして、普通に服に着替えて――そういえばいつもあまりつけない、ピンクの石のネックレスをしたかも。
……まさか、ピンクだから??
なになに、もう、こわいなぁ、もう。
ワンコインとかのお店だとこみこみだからだと思うけど、ちょっと高めの空いてるカフェに入り、奥の席が空いてるのを見つけると、愛梨さんは「奥がいいんですけど」と店員さんに言った。
二人で、奥の席に座って、注文を終える。
「えと……私、なにか、へん?」
「えー!! 気づいてないんですかー!」
「何が……?」
ピンクのネックレス? と聞こうとしたら、愛梨さんが、ふふっと笑ったる
「先輩、今日、ずーっとそわそわしてますよ。デートですか?」
「……いや。違うし。そわそわなんてしてないよ」
「そわそわが違うなら……ウキウキですかね? なんかカレンダーをよく見てるし、とにかく、何かが全然違います。でも気のせいかなぁとも思ってたら、平田さんに呼ばれて」
平田さんはお局さんの一人だ。お休みの許可をもらった人……。
「七月に、彩葉さんが二日お休みするから、そこはお休み入れないようにねって言われたんですよ。てことは、金曜から月曜まで四連休にするってことですよね?」
「――」
まあ。……確かに。私が休んで、愛梨さんも休んだらちょっと大変なものもあるかもだけど。
こんなすぐに言わなくても。……ち、ちがうか……。昨日の今日で、連休取った私がおかしいのか。
三か月ちかく先の休みなんて、普通取らないもんね……。そうだよね、おかしいか。でもどうしても休みたくて……ってそれがおかしいのか。
うう。
「だからもう、三か月後になにかあるのかと思って。でも、三か月後のことじゃ、そんなにそわそわしないだろうし、それとは別で、今日はデートかなあって」
「……とりあえず、デートじゃないよ。今いい人居ないの知ってるしでしょ」
「はい。ていうか、先輩、私が入社して以来、告白されたり誘われてるのは合コンとかでも見ましたけど、一回も、いい人はいないの、知ってます」
「――」
やっぱり、一年くらい、彼氏いないのかも……。昨日思ったの、あってたな。とちょっと苦笑い。
「えーじゃあ、なんなんですかー? 私やっと先輩に彼氏できたのかと思って……」
「ごめんね、彼氏報告じゃなくて」
苦笑してしまう。
「だって、先輩、綺麗だし、めっちゃ仕事できるし、親切だし、こんなにいい人なのに……」
「なのに……?」
褒められても、その後の方が怖い。
「なのに、いい人も彼氏も出来ず、最近は合コンもなんか参加してくれないし、なんか日々淡々と過ごしている先輩が、なんだか不憫で……どうしてモテるのにそんな……このまま、お局様たちに混ざってしまうのかと思うと……」
頬に手をおいて、うっうっと泣きまねをしている愛梨さん。
「ストップストップ、なんだかいろいろ失礼だから」
「あ」
静かにツッコミを入れると、愛梨さんは、えへへ、と笑ってる。
思うまま話してても、憎めないのって、ほんと得だなあと、苦笑してしまう。
179
あなたにおすすめの小説
☘ 注意する都度何もない考え過ぎだと言い張る夫、なのに結局薬局疚しさ満杯だったじゃんか~ Bakayarou-
設楽理沙
ライト文芸
☘ 2025.12.18 文字数 70,089 累計ポイント 677,945 pt
夫が同じ社内の女性と度々仕事絡みで一緒に外回りや
出張に行くようになって……あまりいい気はしないから
やめてほしいってお願いしたのに、何度も……。❀
気にし過ぎだと一笑に伏された。
それなのに蓋を開けてみれば、何のことはない
言わんこっちゃないという結果になっていて
私は逃走したよ……。
あぁ~あたし、どうなっちゃうのかしらン?
ぜんぜん明るい未来が見えないよ。。・゜・(ノε`)・゜・。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
初回公開日時 2019.01.25 22:29
初回完結日時 2019.08.16 21:21
再連載 2024.6.26~2024.7.31 完結
❦イラストは有償画像になります。
2024.7 加筆修正(eb)したものを再掲載
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
2026.1.4 73話見直した際、瑛士の台詞《本音/懺悔》を加筆しました。😇
☘ 累計ポイント/ 200万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
婚約した幼馴染の彼と妹がベッドで寝てた。婚約破棄は嫌だと泣き叫んで復縁をしつこく迫る。
佐藤 美奈
恋愛
伯爵令嬢のオリビアは幼馴染と婚約して限りない喜びに満ちていました。相手はアルフィ皇太子殿下です。二人は心から幸福を感じている。
しかし、オリビアが聖女に選ばれてから会える時間が減っていく。それに対してアルフィは不満でした。オリビアも彼といる時間を大切にしたいと言う思いでしたが、心にすれ違いを生じてしまう。
そんな時、オリビアは過密スケジュールで約束していたデートを直前で取り消してしまい、アルフィと喧嘩になる。気を取り直して再びアルフィに謝りに行きますが……
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
お二人共、どうぞお幸せに……もう二度と勘違いはしませんから
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【もう私は必要ありませんよね?】
私には2人の幼なじみがいる。一人は美しくて親切な伯爵令嬢。もう一人は笑顔が素敵で穏やかな伯爵令息。
その一方、私は貴族とは名ばかりのしがない男爵家出身だった。けれど2人は身分差に関係なく私に優しく接してくれるとても大切な存在であり、私は密かに彼に恋していた。
ある日のこと。病弱だった父が亡くなり、家を手放さなければならない
自体に陥る。幼い弟は父の知り合いに引き取られることになったが、私は住む場所を失ってしまう。
そんな矢先、幼なじみの彼に「一生、面倒をみてあげるから家においで」と声をかけられた。まるで夢のような誘いに、私は喜んで彼の元へ身を寄せることになったのだが――
※ 他サイトでも投稿中
途中まで鬱展開続きます(注意)
✿ 私は夫のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい
設楽理沙
ライト文芸
累計ポイント110万ポイント超えました。皆さま、ありがとうございます。❀
結婚後、2か月足らずで夫の心変わりを知ることに。
結婚前から他の女性と付き合っていたんだって。
それならそうと、ちゃんと話してくれていれば、結婚なんて
しなかった。
呆れた私はすぐに家を出て自立の道を探すことにした。
それなのに、私と別れたくないなんて信じられない
世迷言を言ってくる夫。
だめだめ、信用できないからね~。
さようなら。
*******.✿..✿.*******
◇|日比野滉星《ひびのこうせい》32才 会社員
◇ 日比野ひまり 32才
◇ 石田唯 29才 滉星の同僚
◇新堂冬也 25才 ひまりの転職先の先輩(鉄道会社)
2025.4.11 完結 25649字
「オレの番は、いちばん近くて、いちばん遠いアルファだった」
星井 悠里
BL
大好きだった幼なじみのアルファは、皆の憧れだった。
ベータのオレは、王都に誘ってくれたその手を取れなかった。
番にはなれない未来が、ただ怖かった。隣に立ち続ける自信がなかった。
あれから二年。幼馴染の婚約の噂を聞いて胸が痛むことはあるけれど、
平凡だけどちゃんと働いて、それなりに楽しく生きていた。
そんなオレの体に、ふとした異変が起きはじめた。
――何でいまさら。オメガだった、なんて。
オメガだったら、これからますます頑張ろうとしていた仕事も出来なくなる。
2年前のあの時だったら。あの手を取れたかもしれないのに。
どうして、いまさら。
すれ違った運命に、急展開で振り回される、Ωのお話。
ハピエン確定です。(全10話)
2025年 07月12日 ~2025年 07月21日 なろうさんで完結してます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる