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第6話 ピンクのネックレス?
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「今日はちょっと優雅ランチしましょう~いいですよね? 先輩」
「はい……」
去年の新人なので、まだ一年の付き合いなのだがとっても距離が近い。
……いや、違う。この子は、会った時からこんなだった。
明るくて、キラキラしてて、笑顔が素直。
でも、天然とかじゃなくて、ちゃんとしてる。
お嫁さんにしたら好いタイプだと思ってる。可愛いし。ネイルとかも派手にする訳じゃなくて、ちゃんと、綺麗にしてる。
男性社員の受けも良くて、まあお局様たちには敬遠され気味だけど、でも突っ込んで注意されるような悪いとこもないため、被害も無さそう。
羨ましいタイプの子。
マンツーマンだったのもあるのか、なんだか慕ってくれている感はある。めっちゃ合コンに誘われる以外は、困ることもないのだけど。
待って待って、確かに休みは取ったけど、私、何か変な顔してた?
朝、普通に起きた。
テーブルの葉書を見て、カレンダーで七月の曜日を確認。
七月二十五日が土曜だから、前日に実家に帰って一日ゆっくりしてから、同窓会に出るつもり。そして、日曜もゆっくりして、月曜にこっちに帰ろうと思ったから、つまり、金曜と月曜の休みを取ることを決めた。
普通に朝ごはん食べて、化粧をして、普通に服に着替えて――そういえばいつもあまりつけない、ピンクの石のネックレスをしたかも。
……まさか、ピンクだから??
なになに、もう、こわいなぁ、もう。
ワンコインとかのお店だとこみこみだからだと思うけど、ちょっと高めの空いてるカフェに入り、奥の席が空いてるのを見つけると、愛梨さんは「奥がいいんですけど」と店員さんに言った。
二人で、奥の席に座って、注文を終える。
「えと……私、なにか、へん?」
「えー!! 気づいてないんですかー!」
「何が……?」
ピンクのネックレス? と聞こうとしたら、愛梨さんが、ふふっと笑ったる
「先輩、今日、ずーっとそわそわしてますよ。デートですか?」
「……いや。違うし。そわそわなんてしてないよ」
「そわそわが違うなら……ウキウキですかね? なんかカレンダーをよく見てるし、とにかく、何かが全然違います。でも気のせいかなぁとも思ってたら、平田さんに呼ばれて」
平田さんはお局さんの一人だ。お休みの許可をもらった人……。
「七月に、彩葉さんが二日お休みするから、そこはお休み入れないようにねって言われたんですよ。てことは、金曜から月曜まで四連休にするってことですよね?」
「――」
まあ。……確かに。私が休んで、愛梨さんも休んだらちょっと大変なものもあるかもだけど。
こんなすぐに言わなくても。……ち、ちがうか……。昨日の今日で、連休取った私がおかしいのか。
三か月ちかく先の休みなんて、普通取らないもんね……。そうだよね、おかしいか。でもどうしても休みたくて……ってそれがおかしいのか。
うう。
「だからもう、三か月後になにかあるのかと思って。でも、三か月後のことじゃ、そんなにそわそわしないだろうし、それとは別で、今日はデートかなあって」
「……とりあえず、デートじゃないよ。今いい人居ないの知ってるしでしょ」
「はい。ていうか、先輩、私が入社して以来、告白されたり誘われてるのは合コンとかでも見ましたけど、一回も、いい人はいないの、知ってます」
「――」
やっぱり、一年くらい、彼氏いないのかも……。昨日思ったの、あってたな。とちょっと苦笑い。
「えーじゃあ、なんなんですかー? 私やっと先輩に彼氏できたのかと思って……」
「ごめんね、彼氏報告じゃなくて」
苦笑してしまう。
「だって、先輩、綺麗だし、めっちゃ仕事できるし、親切だし、こんなにいい人なのに……」
「なのに……?」
褒められても、その後の方が怖い。
「なのに、いい人も彼氏も出来ず、最近は合コンもなんか参加してくれないし、なんか日々淡々と過ごしている先輩が、なんだか不憫で……どうしてモテるのにそんな……このまま、お局様たちに混ざってしまうのかと思うと……」
頬に手をおいて、うっうっと泣きまねをしている愛梨さん。
「ストップストップ、なんだかいろいろ失礼だから」
「あ」
静かにツッコミを入れると、愛梨さんは、えへへ、と笑ってる。
思うまま話してても、憎めないのって、ほんと得だなあと、苦笑してしまう。
「はい……」
去年の新人なので、まだ一年の付き合いなのだがとっても距離が近い。
……いや、違う。この子は、会った時からこんなだった。
明るくて、キラキラしてて、笑顔が素直。
でも、天然とかじゃなくて、ちゃんとしてる。
お嫁さんにしたら好いタイプだと思ってる。可愛いし。ネイルとかも派手にする訳じゃなくて、ちゃんと、綺麗にしてる。
男性社員の受けも良くて、まあお局様たちには敬遠され気味だけど、でも突っ込んで注意されるような悪いとこもないため、被害も無さそう。
羨ましいタイプの子。
マンツーマンだったのもあるのか、なんだか慕ってくれている感はある。めっちゃ合コンに誘われる以外は、困ることもないのだけど。
待って待って、確かに休みは取ったけど、私、何か変な顔してた?
朝、普通に起きた。
テーブルの葉書を見て、カレンダーで七月の曜日を確認。
七月二十五日が土曜だから、前日に実家に帰って一日ゆっくりしてから、同窓会に出るつもり。そして、日曜もゆっくりして、月曜にこっちに帰ろうと思ったから、つまり、金曜と月曜の休みを取ることを決めた。
普通に朝ごはん食べて、化粧をして、普通に服に着替えて――そういえばいつもあまりつけない、ピンクの石のネックレスをしたかも。
……まさか、ピンクだから??
なになに、もう、こわいなぁ、もう。
ワンコインとかのお店だとこみこみだからだと思うけど、ちょっと高めの空いてるカフェに入り、奥の席が空いてるのを見つけると、愛梨さんは「奥がいいんですけど」と店員さんに言った。
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「えと……私、なにか、へん?」
「えー!! 気づいてないんですかー!」
「何が……?」
ピンクのネックレス? と聞こうとしたら、愛梨さんが、ふふっと笑ったる
「先輩、今日、ずーっとそわそわしてますよ。デートですか?」
「……いや。違うし。そわそわなんてしてないよ」
「そわそわが違うなら……ウキウキですかね? なんかカレンダーをよく見てるし、とにかく、何かが全然違います。でも気のせいかなぁとも思ってたら、平田さんに呼ばれて」
平田さんはお局さんの一人だ。お休みの許可をもらった人……。
「七月に、彩葉さんが二日お休みするから、そこはお休み入れないようにねって言われたんですよ。てことは、金曜から月曜まで四連休にするってことですよね?」
「――」
まあ。……確かに。私が休んで、愛梨さんも休んだらちょっと大変なものもあるかもだけど。
こんなすぐに言わなくても。……ち、ちがうか……。昨日の今日で、連休取った私がおかしいのか。
三か月ちかく先の休みなんて、普通取らないもんね……。そうだよね、おかしいか。でもどうしても休みたくて……ってそれがおかしいのか。
うう。
「だからもう、三か月後になにかあるのかと思って。でも、三か月後のことじゃ、そんなにそわそわしないだろうし、それとは別で、今日はデートかなあって」
「……とりあえず、デートじゃないよ。今いい人居ないの知ってるしでしょ」
「はい。ていうか、先輩、私が入社して以来、告白されたり誘われてるのは合コンとかでも見ましたけど、一回も、いい人はいないの、知ってます」
「――」
やっぱり、一年くらい、彼氏いないのかも……。昨日思ったの、あってたな。とちょっと苦笑い。
「えーじゃあ、なんなんですかー? 私やっと先輩に彼氏できたのかと思って……」
「ごめんね、彼氏報告じゃなくて」
苦笑してしまう。
「だって、先輩、綺麗だし、めっちゃ仕事できるし、親切だし、こんなにいい人なのに……」
「なのに……?」
褒められても、その後の方が怖い。
「なのに、いい人も彼氏も出来ず、最近は合コンもなんか参加してくれないし、なんか日々淡々と過ごしている先輩が、なんだか不憫で……どうしてモテるのにそんな……このまま、お局様たちに混ざってしまうのかと思うと……」
頬に手をおいて、うっうっと泣きまねをしている愛梨さん。
「ストップストップ、なんだかいろいろ失礼だから」
「あ」
静かにツッコミを入れると、愛梨さんは、えへへ、と笑ってる。
思うまま話してても、憎めないのって、ほんと得だなあと、苦笑してしまう。
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