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第12話 あっという間の毎日
しおりを挟む「――あれ……」
朝、化粧をしていて、ふと気付いた。
肌の調子がいい気がする。しっとりしてる。
――水分と、二十二時就寝は、すごくいいのかも。
食事も加工品を避けて、お昼は外食だから何を食べていいってことにはしてるけど、その中でも、少しだけ意識しながら食べることを心がけてはいる。
思えば、仕事中って、全然水分を取らなかったっけ。
敢えて、少し飲むようになって、今まで乾いてたんだなぁと実感中。
エステで綺麗になる、ていうのが、いきなりマッサージとかじゃなくて、まず体の中から、土台作りからっていうのが意外だった。
やっぱり、基本が大事なんだなあ。
さらに週一回か二回、愛梨さんとプールに行くようになって、すでにちょっと引き締まった気もする。
しかもその後は、おたのしみで、体にいい食事を食べに行ったりして、なんだか楽しい。
会う日まで。頑張るつもり。
……蒼真は――カッコよく、なったんだろうなぁ。
あ。……どうしよう、めちゃくちゃ太ってて、別人みたいになってたら。
あるよね、そういう、同窓会あるある……。うう。どうしよう。
自然と眉が寄っていた私は、ぷる、と首をふった。
塾で大人気って言ってたし。きっと、見た目も関係ありそうな職業だよね? いや、でも授業が面白ければ……。
そこまでなんだかぐるぐると考えて、私はファンデのパフをぎゅ、と握りしめて、息をついた。
「はー……」
もーバカみたい、私。
――蒼真がどうなってようが関係ないってば。
とにかく、私が、私史上では、いちばん綺麗になって、それで同窓会に出て、蒼真に会う。
怖くて考えないようにしてたけど……昔のままの蒼真なら、モテるだろうから、きっと彼女もいる可能性はあるし。
二十代も半ばになってくると、結婚の話が出てくる人も、急に増えてくる。同窓会で、結婚の話とか。あるかもしれない。
……うー。結婚の話は、ちょっと痛いかも。でも、
その可能性だって、普通にある。
だからとにかく、蒼真の今がどうとかは関係なく、私の話なんだ。
私が、ちゃんと努力して、整えた状態で。
自分の気持ちを、ちゃんと終わらせる。
それだけ。
ご飯を作るようになった。野菜とおさかな、お肉。せいろを買ってきて、蒸したり、スープにしたり。
それだけで、結構時間がかかる。
マッサージやストレッチ。エステやジムの日もある。
睡眠も、前よりちゃんと取るようにして。
……気づけば、毎日があっという間だった。
なんで私ってば、こんなに一生懸命なんだろうって。
こんな、頑張ったって、特に何の意味もない。
ただ、過去の想いを――吹っ切るためだけに、って。へんなの。
とも思うのだけれど。
奮発してエステに申し込んだのは、逆に良かったのかも。
やるしかないって気持ちになってる。
化粧を終えて、鏡の前に立つ。
よし、会社、行こ。
鞄を手に取りながら、見やすいところにたててある同窓会の葉書に視線をむける。
最近、いつもそうして、見てしまう。
たかが、葉書なのに。
ふと、苦笑してしまいながら――家を出た。
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