「Promise」-α×β-溺愛にかわるまでのお話です♡

星井 悠里

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第二章

30.「今までは」*真奈 ※




「……っや……」
 下着ごとズボンが剥ぎ取られて、きつく瞳を閉じた瞬間。
 俊輔が、チッと舌打ちをした。

「……お前の顔、見たくねえ」

 言った俊輔に、体を反転させられて、顔を枕に突っ伏した。
 そのまま腰を引かれて上げさせられて、強張る。

「……や……!」

 パチン、と何かの蓋の開く音がして、オレの後ろに何かが無理矢理押し込まれた。突然の異物を拒むそこを無理矢理開かれ、その何かが、中で液体を出したみたいで。中に冷たいものが流れ込んでくる。

 ものすごい悪寒に、鳥肌が立った。声すら、満足に出てこない。

「……っ…… ん……!」

 最初何だったか分からなかったけど。
 ぞわ、と奥から湧き上がってくる感覚と、かぁっと異様に熱くなる体。ぐらりと目眩がして、息が上がる。
 飲まされたものも、後ろのも、そういう薬だと、体で思い知る。

「……あ……や、だ…… しゅ…………」
「……黙ってろ」

 括られた中で、指をぎゅ、と縮ませる。

 変な感覚で、後ろが疼く、みたいな……気持ち悪い。
 悪寒が背筋をめぐって、体が勝手にびくりと震える。

「……ん…… っ ……ん……」

 すぐに後ろから俊輔があてがわれて、いきなり深く貫かれた。
 
「……っ…… っ……ゅんすけ……や……」

「……黙ってろって言ってンだろーが」

 なんだか、チカチカする眼前にきつく瞳を伏せて、思わず名を呼んだ時、低い声が聞こえて。

「――――……っ? ……やだ、や……ンン、ぅ!」

 後ろから何かが口に回されて、そのまま頭の後ろできつく縛られた。
 くぐもった悲鳴以外、何も発せられない状態に――――……怖くてたまらなくなる。
 
「……んっ……ぅン……!」

 深く突き上げられて、ぶる、と頭を小刻みに揺らす。
 変な薬は使われてるけど、全然慣らされてもいないから、されてる痛みに、体が強張る。
  
 頭の後ろで縛られた布のようなモノが俯いた顔の横に垂れてきて、それが俊輔のしていたネクタイだった事に気付いた。それのせいで、叫ぼうにも、許しを請おうにも、声が、出せない。
 ……声が出ても、許してくれるとは思えないけれど。

「――――……っ……ンん!……ん……!」

 何度も、ただ深く抉るだけ。
 快感なんかかけらもなかった。

「……逃がすと、思ってんのかよ?」
「――――……っん……っ……ぅッ……」

 縛られた手首ごと体をすこし引き上げられて、近づいたオレの耳元で囁いた。
 
「どうしてもここから出てぇっつうなら……男好きの変態にでも売り渡してやろうか……」
「……っ ……」

「それとも、族の奴らとヤレるように、どこかに繋ぐか? お前みたいなやつ好きなのも、 居るだろ……」
「…………ッ……」

 囁かれる冷たい声と内容に、寒気がする。
 けれど同時に。

 俊輔じゃない奴となんか、絶対嫌だ。
 それがぱっと頭に浮かんだ自分に驚いて、愕然と、した。

 意味も分からないまま、涙がこぼれ落ちて、俯いた。
 
「……っ……ん、ぅ……!」

 ベッドにまた頭を押しつけられて、後ろから激しくされて、揺らされるたびに、涙がこぼれ落ちていく。
 

「……ん……ん、……ぅ……ン……!」

 
 ……痛い。 

 ――――……いつもみたいな快感なんか、微塵もなくて。 
 俊輔が動くたびに、ヒドイ痛みが走る。

 手首も、痛い。


「……っ……ンゥ……」

 この感覚が酔いなのか薬のせいなのか、とにかく色々麻痺してる。ぼんやりしてて、きっと話せても、呂律が回らないかもしれない。
 気持ちよくなる類の薬なのかなと思うのだけどでも、なんだか、全然快感は無くて。
 痛みの感覚だけが強烈に、はっきりとしていて。

 どんなに堪えても、喉の奥から悲鳴が漏れる。

 
 こんな風に抱かれて初めて気付いたのは。

 今までは、しがみつける体勢で、俊輔は抱いててくれたんだということ。
 それから……極力痛くないように、やっててくれたんだということ。

 ただ犯そうと思うのならばこんな風に、無理矢理でも出来る。
 傷つけようと思えば。痛めつけようと思えば、こんな風にいくらでも出来るのに。

 ――――……そうはしていなかったんだと、いうこと。

 
 優しかったその行為に――――…… 今更、気付いた。

 
「――――……ッん、ぅ……ッ……」


 痛みと酔いで何度か気が遠くなって。すると、酷く貫かれて無理矢理意識を戻させられて。
 どれくらい、続くのかと、最初は終わりを待っていたのだけれど。

 後の方はもう、諦めていた。

 
 本当に、もう、殺されるのかなと、思った。


 それだけ。……怒らせたんだと。


 だから。
 翌朝、目覚めた時は、不思議だった。


 ――――……ああ、生きてるんだなあ……と、驚いた。

 




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