【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇初めての夜

「もうヤバいってば」*優月※

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 飲んじゃったんだ、と思った瞬間。
 熱くなった部分が全部一気に冷えた。青ざめてく気がする程に。

 一気に、ぼろぼろ涙がこぼれてきた。


「……ごめ……っ吐いて……」
「は?」

「……っ出して、飲まないで」

 近づいて、吐いてもらおうと、口に触れる。
 

「……無理。もう飲みこんだし」

 ぷ、と笑って、玲央がオレの手を掴む。

「飲んだのは初めてだけど……全然平気」
「――――……っ……」

「泣くなよ」

 クスクス笑って、玲央がオレの頬に触れて、涙を拭う。


「ご、めん……玲央……」

 拭われても、涙が止まらない。


「オレがしたくてしたのに、なんでお前が泣いて謝んの」
「だって……玲央の口……汚して……」


 こんな、カッコいい人の口に、なんでそんなもの。
 ……ありえない。ほんと、ありえない。

 しかも初めてって。そんな初めて、なんでオレでしちゃうんだ……。

 しつこく泣いてると、玲央が笑み交じりのため息をついた。


「じゃあさ?」
「……?」

「……今度、してよ。オレに」
「――――……」

「てことで、どう?」

 さっきのを、オレが、玲央に?


「したら、飲みたくなる気持ち、分かるかも」
「――――……」

 玲央みたいには出来ないと思うけど……。


「……うん。分かった」

 言うと、玲央は「してくれるんだ?」と驚いたみたいに言って。それから、クスクス笑った。

「――――……うまくできないかもだけど……ていうか、今は……?」
「ん?」
「今、しなくていいの……?」

 言うと、玲央はまた、ふ、と優しく笑った。

「こんなマジで泣いてるのに、させる訳ないだろ」

 くしゃ、と髪を撫でられる。

「でも……やっぱり、玲央、ごめん……出せるなら出して」
「だからもう出せないっつってんのに」

 可笑しそうに笑って、玲央がオレの頬に触れてくる。


「んー。……今は、キスされたくない?」
「え?」

「今は嫌?」
「――――……」

 どういう意味だろと思ったけど。
 すぐ、今まで玲央がしてた事を思って、あ、そういう意味か、と分かって。

「――――……」

 ぷるぷると、首を横に振った。

「嫌じゃないのか?」
「……玲央が口に入れてくれてるのに、オレが嫌っていうのも変でしょ……」
「――――……優月、おもしろいなー……」

 玲央がしみじみ言って。
 それから、そっとキスされた。

「……なんか味する?」
「……っ聞かないで、してよ」

 また玲央が、ぷっと笑う。

 ――――……なんか。
 オレの想像できる範囲の普通のベッドシーンに。

 こんな、よく笑う光景なんて無くて。

 玲央は何かことあるごとにクスクス笑うし。すごく、おかしそうに笑うし。

 ……それはやっぱりオレが笑わせちゃってるのかなとも思うし。

 ムードとか、全然出せないしなー……。
 嫌じゃないのかなー……とも思うのだけれど。


「……お前、ほんと――――……かわいーな……」

 細められた瞳が、優しくて。
 とくん、と胸の奥が、弾む。



 しばらくキスした後、玲央がまた胸に触れてくる。


 玲央、これ、何が楽しいんだろ……。

 さっきより、なんか、ムズムズする。
 また胸を舐められて、ぴく、と腰が震える。

「……っ……」
 ……どうしよう。

「玲央、待って……」

 肩に触れて、玲央を呼ぶと。
 かり、と乳首を最後に噛んでから、オレに顔を向けた。

「――――……どうした? 嫌?」
「ちが……なんか――――……」
「ん?」

「なんか……オレ、ばっかり……さっきから……」
「――――……なに? また何かしてくれようとしてんの?」

「……どうしたら良い?」

 聞くと、玲央は少し考えて、くす、と笑った。

「今日はいいよ。また今度で――――……」

 ちゅ、と頬に、口付けられる


 ……さっきから、何度も、また今度って、玲央は言う。
 また今度――――……って、あるのかな……。

 唇に、キスされて。また、めちゃくちゃ深くなる。

「……キスの仕方覚えようぜ……?」
「……ん」

「舌、出して」
「――――……ンン……」

「絡めて――――……」

 玲央の舌に絡める。
 そこまでは、目の前の、玲央の顔を、一生懸命見ていたけれど。

 すぐに舌を絡め取られて吸われて、きつく目を閉じた。

「……ン……ふ……」
「――――……上手、息……」

 ふ、と笑った玲央が、囁く。

 ……褒められた。

 ――――……なんか……嬉しいな。

 玲央の指が、頬から耳の後ろに滑って、さら、と髪を撫でて。
 そのまま、後頭部押さえられて、深く重なる。

 なんかもう、これ以上深くは、くっつけないんじゃないかなという位。
 キス、されてる。と。

「――――……ん……ン……っ」

 ……苦しい。
 ……けど、きもち、いい。


「……ん……ぁ……っ」

 玲央の指がまた乳首を刺激してくる。
 びく、と震えて、唇が離れた。


「……れ、お……っ」
「――――……気持ちいい?」

「……っ」

 なんか――――……これって、いつ、終わるのかな……。

 玲央のしてる事って……。
 キスしてくれて。 乳首、触って、オレを、イかせて……。


「ね、玲央……?」
「ん?」

「……玲央は……しないの?」
「……ん?」

「……だって、オレ、ばっかり」
「……じゃあさ。オレの上に来て」

「………っ??」

 くす、と笑って、座った玲央の上に、またがるみたいに座らされる。
 ちょうど玲央の顔の前に、オレの胸。

「あっ……や……」

 舌で舐められて、噛まれる。
 びく、と後ろに反りそうになって、咄嗟に玲央に支えられる。

「っ……あぶね。……優月、ちゃんと、オレに捕まってて。首に腕まわして」
「……っ」

 言われるまま、玲央の首に抱き付くけれど。
 自分から、玲央に胸、押し付けてる気すらしてきて、恥ずかしさの極致。

「……れ、お……っこれ、やだ……」

 ふる、と首を振って、訴えると。
 見上げた玲央に、またキスされる。

「ン……んん……」

 歯列をなぞられて、ぞくりと腰が戦慄く。
 キスが離れて、下から見つめられてるのに気付いて、玲央を見つめ返すと。


「お前が恥ずかしそうにしてるの……すげえゾクゾクする……」
「……っ」

 ますます恥ずかしくなる。

 そんな事言ったら、オレなんてずっとゾクゾクしてて、ほんとにヤバいのに。こうやって、下から見られてるだけで、胸の奥が、痛くて。


「優月……」


 また、ゆっくりと唇が触れる。

 名前、呼ばれるだけでも。
 やばい……。







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