【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇2人の関係

「最後まで?」*優月

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 ペッドボトルの水を渡されて。
 飲み終えた所で、寝室に連れてこられた。

「――――……オレの好きにしていい?」
「……何で、聞くの?」

 ……さっきあんなに、色々したのに。

「……んー。ベッド来ると、怖気づいたりしないかと思って」

 そんな玲央の気遣いに、こんな時なのに少し笑ってしまう。
 
「大丈夫……」
「それは良かった」

 ふ、と笑って、ベットの上に玲央が座って。
 引かれて、玲央の上に、向かい合って座らされる。

 少しだけ、下にある玲央の顔。
 うなじに回った手に引き寄せられて、キスが、重なる。


「……玲央?」
「ん?」

「……今日は、最後まで、する、よね?」
「――――……何で?」

「……何でって……心の準備しようと思って……」

 さっき、後ろ、触られたし。
 ……中洗ったし。……そういう事、だよね?

 昨日はいっぱいいっぱいなまま進んで、最後がどうとか考えてる余裕はなかったけど。……てか、今日も余裕がある訳じゃないけど、昨日しないで終わらせてもらったっていう、それが何だか……。

「んー……」

 じいっと、見つめられる。

「――――……心の準備、ね……」


 クス、と笑う、玲央。
 優しい笑い方に、何も言えず、ただ見つめ返していると。

 かなり長い沈黙の後、玲央が、ふ、と息をついた。


「……オレさあ……そんな急いでしたくないんだよな」
「……?」

「せっかく何もかも初めてなんだし。めちゃくちゃ丁寧に、体開発したいの。……意味わかる?」
「かいは……つ……?」

 楽しそうに瞳を緩ませて、そんな事を言って見つめてくる玲央に。
 開発って言葉をちゃんと頭で認識した瞬間、かあっと熱くなる。


「確かに、めちゃくちゃに抱きたいって思う時もあるんだけど……」
「……っ……」

 玲央の目が、妖しく、緩む。


 絶対何か、恥ずかしい事、言う気だ、この人……っ……。

 
 目をつむって、耳を塞ぎたい気分だけれど、
 敵わないまま、玲央のまっすぐな瞳を見つめ返すしかないまま。


「いっこずつ丁寧に覚えさせて――――……体全部、オレのにしたい」


「――――……っ……っ」


 ……なんか。
 …………恥ずかしくて、死ぬかも……。


「はは。 真っ赤……」


 笑う玲央が、そっと頬に触れる。


「めちゃくちゃ、熱いな」

 頬にキスされて、ぺろ、と舐められる。


「……っ」

 びく、と震えたら。玲央が、ふ、と笑って。
 頬から耳に、するりと指を滑らす。
 
「オレが、どこ触っても、気持ちよくなるように、したいんだけど……」
「……っ」

「いい?」


 ……いい?って――――……。
 ……っそんなの……。


「っこれ以上……」
「ん?」

「これ以上は、なんない、と思うけど……」
「……ん?」


「オレ、今も……そうだから……」


 今だって、もう、
 玲央が触るとこ、全部、ゾクゾクするから。


「――――……あぁ。 今も、オレが触ると気持ちいいってこと?」
「…………っ」

 頷くと。
 玲央は、くっと笑って。

「……もっとな。気持ちいいって泣くくらい」
「……っ……」


 ……もう無理。
 玲央の肩に額を押し付けて、沈み込む。

「優月?」

 笑いを含んだ声で、名を呼ばれる。


「――――……わっ……」

 顔を上げられないでいたら、ふわ、と体が浮いて。
 かと思ったら、背が枕に沈んで。自分の体勢に気づいた時には、上に居る玲央を、見上げていた。



「……だから、今日は、それの心の準備はしなくていいけど」
「――――……っ……」


「気持ちいい事、いっぱい覚えろよ」

 くすくす笑う玲央に、息を飲んでると。


 顔の横に玲央の手がついて。
 ドキドキして、動けないまま。 唇に、深く深く、キスされた。






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