【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇そばに居る意味

「玲央可愛い」*優月

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 玲央は、ほんとカッコいいし、好かれるのが当たり前だと思うから、きっと、オレのこの気持ちは分からないと思う。

 
 玲央が迷ってたのは自分の気持ちで……。
「何で優月とこんなに一緒に居たいんだろう」みたいな感じで。
 玲央は自分の気持ちが、分からなかったみたいだった。

 対して、オレが分からないのは、「何で玲央がオレなんか好きなのか」だもん。
 玲央の気持ちが謎なんだよね……。

 だから。玲央は、「お前に惚れてるって分かった」とか言って、すっきり吹っ切った感じで話してたけど。

 オレのこの「なんでオレなの?」というのは、なかなか、オレの決意だけじゃ吹っ切れそうにない。

 さっきみたいに、玲央の相手のキレイな子とか見ちゃうと余計、あの子の方が絶対良いのにと、思ってしまう。他のセフレの女の子達だって、絶対可愛いだろうし。

 もう、それを思っちゃうのはどうしようもない気がする。

 ――――……する、んだけど。


「――――……」


 歌いながら、玲央が、オレに視線を投げてきて。目が合うと、少し笑ってくれて。
 それに笑い返してると、ほんわか、嬉しくなる。

 玲央は、今、毎日オレと居ようとしてくれて。
 ずっと、可愛いとか、好きとか、言ってくれて。

 これからの事を、一生懸命、話してくれる。


 玲央と居るとドキドキして、嬉しくて、幸せ。

 ――――……最初は、一度でも、て思ってた。
 その後は、セフレにしてもらおう、なんて、思って。
 そしたら断られてしまって。

 よく分かんなくなった、けど。


 玲央が会いたいって思ってくれる時だけで良いって思ってたし。
 なんかそれに比べてしまうと、なんか。

 今のオレの悩みって、すっごく、贅沢な気がしてきて。


 一度どころか、毎日、一緒に居たいって言ってくれて。……何でだろ。
 毎日可愛いって、言ってくれて。……どうしてだろ。
 触りたいって、キスしたいって、いつも言ってくれて。……どーしてオレ?

 惚れてるって覚えといてって言ってくれて。……ここはもはや意味が分からないけど。
 

 すべてにツッコミを入れながらではあったけれど。
 状況としては、もう、オレ、すごく、嬉しいというか。

 ――――……居られる限り、目の前の玲央を見て、居られれば幸せなのかな、なんて、思えてくる。
 
 ちょうどそこまで考えた時に、曲が終わって、そこで勇紀が、おわりー!と叫んだ。拍手しながら「すごくカッコよかった」と言ったら、皆がふ、と笑顔になった。


「優月、今日こそ一緒にご飯食べに行こうよ!」

 勇紀が遠くから叫んでくる。
 玲央は、マイクを置いて、すぐオレの所に来て。


「嫌だったらいいぞ?」

 なんて、こっそり言ってくる。

「玲央、邪魔すんなよー! 甲斐と颯也も、優月と話したいって! 色々聞きたいし」

 玲央の言葉がしっかり聞こえてる勇紀が、また叫んでる。最後の方は、すごく楽しそうに笑いながら。

「……玲央はどうしたいの?」
 そう聞いてみると。

「んー……嫌だけど、あいつらと、行くか?」
「嫌だけどって……」

 苦笑いを浮かべてしまっていると。
 甲斐と颯也が帰り支度をし終えて、近づいてきた。


「行こ、優月」

 颯也がそう言って、ふ、と笑う。

「優月が居るとこで、玲央から話聞きたいってのもあるし」

 甲斐が、ニヤニヤして玲央を見ながら言った。
 玲央はとっても嫌そうにしながらも。ふ、とオレを見つめてくる。

「……優月、行きたい?」
「え」

 玲央に、返事を任されてしまった。
 でも、この嫌そうな顔は、オレの返事、分かってて言ってるはず。

 ぷ、と笑ってしまいながら。


「行きたい」

 言うと、玲央が「だよな……」とため息をついて。
 他の三人が、よし行こう、と笑顔になる。

 鞄をよいしょ、と持った所で。
 玲央が、まだ少し嫌そうに。


「……お前、オレの変な話聞いても、平気?」
「え」

「嫌んなりそーなら連れてかない」
「え、なに、それ」

 どういう事か分からなくて玲央を見上げてると、横で皆が、笑った。

「話聞いた位で嫌がられると思うような事、何かあんの? あんなら今すぐそれ、やめろよ」
「そーだよ、どーせ優月、玲央が遊んでたのは知ってるじゃん」
「つか、オレは、玲央がそれを気にするのが、本気で意味が分かんねえし」

 颯也、勇紀、甲斐の順で、立て続けに言われて。

「ていうか、今オレ、お前らに話してねーけど」

 玲央がため息をつきながら、睨んでる。
 三人は、ぷ、と笑った。

 オレは。
 玲央がそんなこと、気にしてくれてるのが、なんか。

 ……可愛いな、なんて思ってしまって。
 しばらく何も言えず、固まっていた。




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