【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇週末の色々

◇一緒に*玲央

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 食事を終えて、アイスオレを一口飲んでから、優月がオレを見つめた。

「あ、玲央、オレね、考えたんだけど」
「うん?」

「今日は自分の家に帰ろうと思ってて」

 ……ん?

「今日最後までで遅いし、待っててもらうの、やっぱり悪いし」
「――――……」
「スーツ家に持って帰らなきゃだし、明日の学校の用意、全然してないし」
「――――……」

 すっかり家に連れて帰ろうと思っていたので、突然のセリフにちょっと固まる。

 まあ、そういえば明日学校だったっけ。
 忘れていた訳じゃないんだが。
 うっかりしてたというか……浮かれていたというか。

「だから、玲央はさ、玲央の用事が済んだら、オレの事待っててくれなくていいからね?」

 にっこり笑いながらそんな風に言われると。
 ――――……は? 嫌だけど。と言いたくなる。

「優月、それってさ」
「うん?」

「……オレに気を使ってる?」
「ん?」

 優月がとても不思議そうな顔をしてる。
 ……なんか可愛いし。

「優月が家に帰りたいってだけなら、オレ、ついてっても良いんだけど」
「――――……ん?」

 オレの言葉に、ついてこれてないらしい。

「ついてきて――――…… どうするの?」
「オレがついてって、明日の用意してから、オレのマンション連れてく」

「――――……」
「優月が面倒ならしょうがないけど」

 優月は、しばらく、じーっと、オレを見つめる。


「何だよ?」
「オレね、待ってもらうの、悪いなあと思ったんだけど……」
「悪くない」

「――――……玲央が、オレを待っててくれるのが平気なら」
「平気。……平気ってか、待ってたいし」

 即答で応えた後、更に続けてそう言ったら。
 優月が少し黙ってたけれど。

 んー、と首を傾げながら、オレを見つめた。

「……玲央、面倒じゃないの?」
「何が?」
「夜まで待ってて、オレの家に行って、そこから玲央の家に帰るって……大変じゃない?」

「最後優月と一緒なら全然大変じゃない」

 思うまんま答えたら。
 優月はきょとんとして。
 それから、少し俯いて。両手を頬と首の境あたりに押し当てている。

「優月?」

「――――……なんか……めっちゃくちゃ、照れる」
「ん?」

 うーーーーー。と、 俯いて。
 俯いたまま、言った。


「……そんなにオレと居たい、のかなって……今、思っちゃった」
「――――……」

 そんな事言って、めちゃくちゃ照れてるっぽい。
 が。

 つか。

 ――――……それってかなり、今更だけど。

 オレこの1週間、ずっと、お前と居たいって言い続けてんのに、まだなんかイマイチ分かってないというか。なんでそこでまた改めて照れるかな? 


「ていうか、今更じゃねえ? 一緒に居たいって、ずっと言ってるじゃんか、オレ」
「――――……」

「だから待ってていい?」
「……玲央が大変かなと思ったんだけど。……玲央が大丈夫なら、オレも玲央と居たいから……」

 とか自分で言って、更にまた、照れて、頬を冷やしてる。


「……いいの? 待っててもらって」
「当たり前。つーか、待たせろよ。で、優月連れて帰らせて」


「――――……」

 優月は、少しだけ唇をきゅ、と噛んで。
 うん、と頷いて。


 ふわ、と、嬉しそうに笑った。


「ありがと、玲央」
「……ん」




 あー……。


 ……めっちゃくちゃ、可愛がりたい。 

 ……くっそ……。
 変な事すんなよという、蒼さんの言葉が、過ぎるけど。


 ……はー。「変な事」したい。



 無邪気に嬉しそうに、ニコニコ笑ってる優月には、ちょっと言えない。
 ふ、と深呼吸で、整えた。
 







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