【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

文字の大きさ
265 / 863
◇「恋人」

「キス」*優月 ※

しおりを挟む



「あ、玲央?」
『ああ、優月。終わった?』

「うん。来てくれたんだね」
『――――……要らないって言われてたけど……』

 そんな風に話し出した玲央に。
 そんな事言わせたいんじゃない、と思って。

 ……素直に甘えるって。
 その方が、玲央、嬉しいって――――……そうかもしれない。

 とりあえず、嬉しいって、伝えよう。
 そう思って。

 玲央の、言葉を遮った。


「すごく、嬉しい」
『え?』

「……来てもらうとか悪いなって思ってたんだけど――――…… やっぱり、来てくれて、嬉しい」
『――――……すぐ行く。どこ?』

「あ、昨日のお昼食べたとこに向かってるんだけど……違うとこ?」
『あってる。そこの側のコーヒーショップ。すぐ出るから待ってて』


 電話、繋がったまま。
 会計してるっぽい雰囲気。

 玲央の様子を、電話で聞いてるとか。
 なんか楽しい……。

 喋ってなくても好きなんだけど、どうしよう。
 なんて、自分でもどうなんだろうというような事を思っていたら。

 後ろから、「優月」と呼ばれた。

 あ、玲央。
 玲央の声が嬉しくて、振り返ろうと思ったけど、それより早く肩を抱かれて、なぜだか路地裏に数歩入る。表の明るい場所とは、数歩進んだだけで、全然違う。

「え、玲央どう――――……」
「キスさせて」

 ぐい、と抱き込まれて、否応なく上向かされて。
 唇が重なった。

「……ン……!」

 びっくりして、玲央の顔を、じっと見つめてしまう。
 伏せられた瞳が――――…… それだけで、超カッコイイんだけど。

 何でそんな、一生懸命な感じで、キス、してくるの……。
 ぞくん、と体の奥が震える。

「……んん、ン………っ ……ふっ……」
「――――……」

「……ん、は……ン……ッ」

 玲央の顔見てる余裕なんか無くなって。
 深いキスに、涙が浮かんで、熱くなる。


 何……どしたの、玲央……。


「…………ふ、は……っ………ンんっ……」


 あ――――……。
 また、膝、抜けそう――――……ダメ、玲央……。

「んっ ……」

 がく、と崩れそうになるけど、ほんとに毎回、見事に抱き止めて、くれて……。


「……っン……れ、お……?」
「――――……優月……」

 激しく絡んでた舌は外れたけれど。
 また重なって、吸われる。

「……んんん……ぅぅ、ん……っ」

 何、すんの、もう――――…… 立てないってば……っ

 むぎゅ、と抱き締められて。

 はあ、と、息が零れた。

 こんな僅かな間の、キスで、こんなに息が上がって、体温が上がって、
 頭ん中、真っ白で――――……膝から力が抜ける、とか。



「玲央……のキス………やらしすぎ……っ」

 涙が勝手に零れていくのに、それを見て、また、愛おしそうに目を細めて笑う玲央に、ちゅー、と目尻にキスされる。

「も……立て、ないし……っ」
「抱いててやるから」

 ぎゅー、と腕の中に閉じ込められたまま、後頭部を撫でられまくる。


「…………どう、して、急に……」
「――――……お前が悪いと思うんだけど」

「…………オレ……??」

 オレ、何か、したっけ……?

 ぐす、と泣きながら、玲央を見上げると。
 また反対側の瞼にキスされる。


「……っ……何で、オレ……??」

「可愛くて無理……」
「――――……何が……?」


「……迎え、嬉しいとか。――――……可愛い」

「――――……」

 ぎゅーと抱き締められながら、顔の色んな所に、ちゅーちゅーキスされる。


 来てくれて嬉しいって……言った、あれ……???
 え。あれ、で。

 オレは、こんなに、めちゃくちゃなキスを、されてしまったの……??
 うそでしょ……??



 ……玲央……。
 ――――……嬉しいんだ、ほんとに……。

 それはなんだかすごく分かったけど。

 ……頼ると、こんなになっちゃうんだと…………こ、こまる……。


 ぎゅー、と抱き締められて。
 撫でられて。色々キスされて。



「くすぐったい、てば」

 玲央から少し離れつつ。


 でもなんだか――――……。
 口元に浮かぶのはどうしても、幸せな笑みになっちゃうのは。


 もう。
 仕方ないよね……。





 だってなんか。

 ……可愛いんだもん。玲央。





 


しおりを挟む
感想 840

あなたにおすすめの小説

そんなの聞いていませんが

みけねこ
BL
お二人の門出を祝う気満々だったのに、婚約破棄とはどういうことですか?

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新 Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新 プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する

子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき 「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。 そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。 背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。 結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。 「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」 誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。 叶わない恋だってわかってる。 それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。 君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。

僕の、しあわせ辺境暮らし

  *  ゆるゆ
BL
雪のなか3歳の僕を、ひろってくれたのは、やさしい16歳の男の子でした。 ふたりの、しあわせな辺境暮らし、はじまります! ふたりの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。 そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。 アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。 公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。 アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。 一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。 これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。 小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

いい加減観念して結婚してください

彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話 元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。 2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。 作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。

処理中です...