【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

文字の大きさ
375 / 863
◇「周知」

「肉食……」*優月

しおりを挟む



 一緒に並ぶのすら、嬉しいって。ほんと何なんだろう。
 そう思うけど、楽しくて嬉しいんだから、しょうがない。

「あ、玲央、さっきのメッセージって……」
「勇紀の?」
「うん」

「あれは……優月に聞かれてんだけどオレが動物なら何に似てる?て聞いたのが、間違いだったんだよ」

 ――あ、やっぱり、そういう事だったんだ。
 うんうん。

「あ、でもオレも、ライオンとか、虎とか、ホワイトタイガーかなっとか思ってたんだよ」
「……肉食獣だな」
「うーん、そういうイメージだよね、カッコいいもん」
「――あ、優月はカッコいいから、そう言ってんの?」
「それ以外に何があるの?」

「いや。よく分かんねえけど、あいつらのは悪意を感じるから」

 そんな風に言う玲央に、クスクス笑ってしまう。

「悪意じゃないよ、玲央のことが好きなんだよー」
「……発情期の肉食獣って好意?」

 ちら、と見られて、そこはどうなんだろう? ちょっとふざけてるかも?? と苦笑いを浮かべてしまうと。玲央も、クスクス笑って。

「――まーお前にはいつでもはつじょ」

 思わず玲央の口を塞いでしまった。

「――優月?」

 玲央の手が、オレの指を掴んで、外される。

「何で塞ぐの?」

 ニヤ、と笑われて、妖しい瞳で見られると。
 心臓が、どき、と動く。

 ここは人気があんまりないって言っても、部室の近くだし。
 外だし。

「……っ今、玲央、絶対恥ずかしい事、言おうとしたもん……」

 そう言って、手をゆっくり退こうとすると、ぎゅ、と掴んで止められた。
 ん?と玲央を見上げると。

「もんって……あーほんと可愛い。どっか空き教室行くか?」
「空き教室……って――っっ皆待ってるしっっ」

 うわーん、やっぱり恥ずかしいしー。

 発情期の肉食獣って、言い得て妙……。
 とか言ったら、ほんとに連れ込まれそうなんだけどー、わーん。

 そう思っていたら。
 後ろから、聞き覚えのある声がした。


「おーい、玲央ー、こんなとこで何イチャついてんだー?」

 玲央がとっても嫌そうに振り返り、オレも玲央の視線を追いかけると。


「あ、智也と西野く」
「稔、ね?」

 智也は苦笑いしてオレを見てて。
 西野君がオレの言葉を遮って、そう言った。

「稔、でいいの……?」
「良いよ」

「じゃあ、……稔にするね?」

 オレがそう言うと、西野君改め、稔は。
 すごく嬉しそうに笑った。

「もーほんとに、玲央は優月が可愛いのな? こんなに迫られてて疲れない? 優月」
「え。疲れないよ?」

 恥ずかしいけど……。そうは思いながらも即答すると、玲央がオレの首にぐい、と手をかけて、自分に引き寄せた。


「優月が疲れる訳ねーだろ」

 べ、と舌を出してる玲央。

 ――玲央って、いつもだけど勇紀と稔と話してると、なんかちょっと幼くなる時があって。やっぱり可愛い。 


 さっきまであんなに、「発情期の」、とか、すごいあやしい感じでドキドキさせられてたのに。


 オレに引っ付いてる玲央を見上げて、ふふ、と笑ってしまう。




しおりを挟む
感想 840

あなたにおすすめの小説

そんなの聞いていませんが

みけねこ
BL
お二人の門出を祝う気満々だったのに、婚約破棄とはどういうことですか?

人生はままならない

野埜乃のの
BL
「おまえとは番にならない」 結婚して迎えた初夜。彼はそう僕にそう告げた。 異世界オメガバース ツイノベです

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

僕たちの世界は、こんなにも眩しかったんだね

舞々
BL
「お前以外にも番がいるんだ」 Ωである花村蒼汰(はなむらそうた)は、よりにもよって二十歳の誕生日に恋人からそう告げられる。一人になることに強い不安を感じたものの、「αのたった一人の番」になりたいと願う蒼汰は、恋人との別れを決意した。 恋人を失った悲しみから、蒼汰はカーテンを閉め切り、自分の殻へと引き籠ってしまう。そんな彼の前に、ある日突然イケメンのαが押しかけてきた。彼の名前は神木怜音(かみきれお)。 蒼汰と怜音は幼い頃に「お互いが二十歳の誕生日を迎えたら番になろう」と約束をしていたのだった。 そんな怜音に溺愛され、少しずつ失恋から立ち直っていく蒼汰。いつからか、優しくて頼りになる怜音に惹かれていくが、引きこもり生活からはなかなか抜け出せないでいて…。

【完結 一気読み推奨】片想いの相手が「そろそろ恋愛したい」と言ったので、用済みの俺はニートになることにしました。

はぴねこ
BL
 高校生の頃、片想いの親友に告白した。  彼はノンケだったから玉砕して友人関係も終わるものだと思っていた。  もしかすると気持ち悪いと軽蔑される覚悟までしていたのに、彼は「今は恋愛をしている時間がないんだ」と自分の夢を語ってくれた。  彼は会社を興した祖父のことをとても尊敬していて、自分も起業したいと熱く語ってくれた。  そして、俺の手を握って「できれば親友のお前には俺の右腕になってほしい」と言われた。  同性愛者の俺のことを気持ち悪いと遠ざけることもせずに、親友のままでいてくれた彼に俺は感謝して、同じ大学に進学して、大学の頃に彼と一緒にゲームを作成する会社を起業した。  あれから二十年間、本当に二人三脚で駆け抜けてきた。  そして、昨年売り出したVRMMOが世界的に大ヒットし、ゲーム大賞を取ったことを祝うパーティーで親友が語った言葉に俺の覚悟も決まった。 「俺もそろそろ恋愛したい」  親友のその言葉に、俺は、長年の片想いを終わらせる覚悟をした。  不憫な拗らせアラフォーが”愛”へと踏み出すお話です。

目が覚めたら宿敵の伴侶になっていた

木村木下
BL
日本の大学に通う俺はある日突然異世界で目覚め、思い出した。 自分が本来、この世界で生きていた妖精、フォランだということを。 しかし目覚めたフォランはなぜか自分の肉体ではなく、シルヴァ・サリオンという青年の体に入っていた。その上、シルヴァはフォランの宿敵である大英雄ユエ・オーレルの『望まれない伴侶』だった。 ユエ×フォラン (ムーンライトノベルズ/全年齢版をカクヨムでも投稿しています)

いい加減観念して結婚してください

彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話 元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。 2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。 作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。

田舎育ちの天然令息、姉様の嫌がった婚約を押し付けられるも同性との婚約に困惑。その上性別は絶対バレちゃいけないのに、即行でバレた!?

下菊みこと
BL
髪色が呪われた黒であったことから両親から疎まれ、隠居した父方の祖父母のいる田舎で育ったアリスティア・ベレニス・カサンドル。カサンドル侯爵家のご令息として恥ずかしくない教養を祖父母の教えの元身につけた…のだが、農作業の手伝いの方が貴族として過ごすより好き。 そんなアリスティア十八歳に急な婚約が持ち上がった。アリスティアの双子の姉、アナイス・セレスト・カサンドル。アリスティアとは違い金の御髪の彼女は侯爵家で大変かわいがられていた。そんなアナイスに、とある同盟国の公爵家の当主との婚約が持ちかけられたのだが、アナイスは婿を取ってカサンドル家を継ぎたいからと男であるアリスティアに婚約を押し付けてしまう。アリスティアとアナイスは髪色以外は見た目がそっくりで、アリスティアは田舎に引っ込んでいたためいけてしまった。 アリスは自分の性別がバレたらどうなるか、また自分の呪われた黒を見て相手はどう思うかと心配になった。そして顔合わせすることになったが、なんと公爵家の執事長に性別が即行でバレた。 公爵家には公爵と歳の離れた腹違いの弟がいる。前公爵の正妻との唯一の子である。公爵は、正当な継承権を持つ正妻の息子があまりにも幼く家を継げないため、妾腹でありながら爵位を継承したのだ。なので公爵の後を継ぐのはこの弟と決まっている。そのため公爵に必要なのは同盟国の有力貴族との縁のみ。嫁が子供を産む必要はない。 アリスティアが男であることがバレたら捨てられると思いきや、公爵の弟に懐かれたアリスティアは公爵に「家同士の婚姻という事実だけがあれば良い」と言われてそのまま公爵家で暮らすことになる。 一方婚約者、二十五歳のクロヴィス・シリル・ドナシアンは嫁に来たのが男で困惑。しかし可愛い弟と仲良くなるのが早かったのと弟について黙って結婚しようとしていた負い目でアリスティアを追い出す気になれず婚約を結ぶことに。 これはそんなクロヴィスとアリスティアが少しずつ近づいていき、本物の夫婦になるまでの記録である。 小説家になろう様でも2023年 03月07日 15時11分から投稿しています。

処理中です...