【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇「周知」

「変わったこと」*玲央

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「――――……優月んち行こうな」
「ん?」

 このタイミングで何で?という顔をしてるけど。
 すぐに笑顔で、うん、と頷く。

 優月と居ると、心ん中が、不思議な位、あったかい。


 ――――……後悔とか、すると思えねーな。



「何で笑ってるの?」

 クスクス笑いながら、優月がオレに言う。
 オレは、なんでもないよ、と笑って。

「目玉焼き。焼こ」

 そう言うと、優月もまた、ふ、と笑んで、頷いた。
 
 

◇ ◇ ◇ ◇


 一緒に朝食の準備をして、向かい合って、食べる。
 朝から、楽しそうで、可愛い。

「ごちそうさまでしたー」

 言って、コーヒーを飲み始めてる優月に、ふと聞きたくなる。

「優月って、朝不機嫌とか、無い?」
「オレ、目覚めはイイからないかな……」
「そっか」

「弟は朝、機嫌すっごく悪い。……話しかけても、んー、しか言わないよ」

 クスクス笑う優月。

「あ」

 オレはふと気づいて一言。
 ――――……そのまま少し黙ってたら、優月が、ん?とオレを見つめる。

「どうしたの?」
「――――……オレも、2週間前までは、朝、そんな感じ」
「え」

 ものすごく、きょとん、とした顔でオレを見つめる。

「玲央が? オレの弟みたいな感じってこと??」
「ん。もっとひどいかも」

「――――……??」

 優月はめちゃくちゃキョトンとして、オレを見ている。 


 まあそうだろうな。
 オレ、優月と会ってから、超健康的だから。
 優月は、知らないんだよな。

 そう思ったら、なんだかすごくおかしくなって来てしまって。

「優月が来てから、オレ、超健康的なんだよ」
「そうなの?」

 ん、と頷いて、まっすぐに見つめる。

「三食ちゃんと食べて、朝早く起きて、夜も早く家に帰って、ベッドに入るのも割と早いし。だからまた、朝も早いし――――……」
「前は??」

「夜遅いから、朝遅いし、食べないし、夜も軽い物食べる位で……また夜遅くて。そんなかんじ?」
「――――……」

 そうなんだ、と優月が、ふうん、と頷いている。
 それでもすごく不思議そうに。

「そんな変わって、きつくないの?」

 そんな風に聞かれて、ふ、と笑んでしまう。


「健康的になるのに、きついとかないだろ?」
「……あ、そっか。健康的、なのか」 

「優月のおかげで健康体になるかもな」
「そっかー」

 なんだかすごく嬉しそうに笑って。

「オレが居て、玲央が健康になるなら、嬉しい」

 そんな言い方に、クッと笑ってしまう。


「すげーなってる」

 そう言うと、優月が嬉しそうに笑う。
 

「そーいや優月は?」
「ん?」

「オレは結構生活変わってるけどさ、お前は、オレと付き合って、何かすごく変わってることある?」

「――――……」


 優月は、んー、としばらく考えて。
 首を傾げつつ。

 あ、と言った次の瞬間には赤くなって。

「――――……優月?」
「あ。の」

「ん」
「――――……玲央として寝ると……」

「――――……」

 予想外のセリフに、今度はオレが首を傾げる番。
 そんなに真っ赤になって、何て言うんだろうと思ったら。


「……ものすごいぐっすり眠れるかも……」


 言い終わると同時に、ぼぼぼぼと、火が付いたみたいに、真っ赤になった。
 




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