【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「お互い我慢」*優月

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 公園でアイスを食べて、一周ぐるっとお散歩してから、結局スーパーは寄らずに帰ってきて。先に玲央がシャワーを浴びに行ってる間に、食事の用意。

 きっと、オレが居なかったら、玲央は一日集中してたんだろうから。
 なんとなく、早く曲作りに戻ってほしくて。

 玲央が出てくる前に、食事の準備を終えた。

「あれ。優月はシャワーは?」

 出てきた玲央が食事の用意を見て、そう言うので、オレはあとでゆっくり入るよと答えた。

「ごめんな?」
「全然。謝んないで?」

 そう言いながら、玲央を振り返ると。タオルで髪を拭きながらオレを見つめてくる玲央に、ちょっと見惚れてしまう。濡れた髪がいつもと違う感じで。
 色っぽくて、カッコいい。……ドキドキする、濡れた髪の玲央って。

「――――……ん?」

 ふ、と瞳を細めて、近くで見つめてくるから。
 またまたそこから鼓動が速まる。

「……カッコよすぎ」

 思わず言うと、玲央がちょっと固まって。
 タオルで、口元押さえながら。

「優月がそう言うからさ」
「……?」

 少し離れててもドキドキしてたのに、近づかれて、ウエストに玲央の手が触れて、至近距離に来られると。
 なんかもう心臓が止まりそうな気がする。

「なんかオレ、最近この顔でよかったと思ってるんだけど。変?」
「え」

 ……最近、この顔でよかったと思ってる??
 少し首をかしげながら考えて、それから、クスクス笑ってしまった。


「……ていうか、最近なの?」
「ん?」
「今まで、思ってなかったの?」
「特別何も思ってなかった」

「オレが、カッコいいって言うから、そう思うの?」
「そう」

 クスクス笑って、玲央がオレを見つめる。

 もう、なんなんだろう、これ。
 ドキドキしすぎて、倒れる……。


「……あ、でも」
「ん?」

「……玲央が今の顔じゃなくても……好きかも」
「――――……」

「確かにカッコいいってすごく思ったけど……最初に、気になったのは、声と優しい笑い方とかだったし。顔が見たくなって、オレ、顔出したから……」
「――――……」

「玲央の今の顔が、今は大好きだけど……違う顔でも好きだったと思うよ? 玲央がカッコいいの、顔だけじゃないから」

 初めて会った時を思い出しながらそう話してたら、急に、むぎゅ、と抱き締められた。


「優月は……」
「ん?」

「――――……いつも色々照れるのに、ほんと時たまそういうの平気でぺらぺら言うよな……」
「……え、だって……」

「こっちが恥ずかしいっつの……」

 クスクス笑いながら、そう言われると、そういえば、ものすごい恥ずかしいこと言ってたかも……?
 そう思うと、めっちゃ恥ずかしくなってくる。

 それに。
 お風呂上がりの玲央、いい匂い過ぎて、抱き締められてると、困る。


 よく、このまま、ベッドに直行も多いから。
 なんだか、少し、変な気分になりそうで、なんかちょっと、困る。


「……あー、なんかこのまま、抱きたいかも……」
「――――……」


 なんか。同じこと。
 考えてた。かも。……でも。


「――――……玲央、ごはん、食べよ?」

 言うと、玲央はふとオレを見つめて。
 ん、と頷いて、笑う。


「――――……我慢するよ」

 ふー、と息をついて言う玲央が。
 なんだか愛しくて。思わず、少し背伸びをして、ちゅ、とキスしてしまった。少し目を大きくして、玲央が俺を見下ろす。


「――――……またこういう時に、そういう可愛いことする……」


 苦笑いの玲央。


「……オレも、我慢、だから」
「――――……」


 言って、ごはん準備を終えようと動き始め……たけど、玲央に捕まった。
 ぐい、と引き寄せられて、頬に触れられる。


「――――……我慢なの? 優月」


 めちゃくちゃ楽しそうに笑う玲央。
 ――――……無駄に、色っぽい表情で、瞳を細めてオレを見下ろす。

 ドキドキしながら、うん、と頷くと。
 玲央は、ふ、とますます微笑んで。


「我慢させてごめんなー?」

 なんて言いながら、すっごく、楽しそう。


 言わなきゃよかった、めっちゃ恥ずかしい。って思うんだけど。
 よしよし撫でながらキスされてると。やっぱり言ってよかったかな、と思う。

 

 
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