【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「食洗器」*優月

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 食器を洗いながら、ふと、こないだ玲央が言ってたことが思い浮かぶ。

「食洗器ほしい?」

 そう聞かれた。

 食洗器。実家にも無いし、全然ぴんと来なくて、うーん? と言っていたら、考えといて、と言われた。

 一人だと食器も少ないし、ごくまれにしか料理しなくて、ほとんど外だったから付けてなかったみたいな話をしてた。

 食器が少ないのはそうだろうな、と思うんだけど。ちょっと気になったのは、別のところ。
 ほんとに、ほとんど外だったんだなぁ、ごはん……。

 ……今って、昼は学校だし、夜は出先で食べることも多いけど。ほとんどオレと一緒に食べてくれている気がする。朝は、オレと会うまでは食べてなかったって言ってたから……玲央が良く言うけど、玲央の生活って、本当にオレと会ってから、違うんだろうなあとは、思う。

 特定の人とってよりは、色んな人と、だったみたいだし。

 ――――……少し前まで玲央が一緒にご飯食べてた人達って、玲央が居なくなって、どうしてるんだろ。
 全部がそういう関係の人じゃないんだろうけど。

 一番仲のいいのはきっと、バンドのメンバー達で、そこの皆とは何回か一緒だからそこは変わらないのかな。
 セフレの人たちと一緒だったところに、オレがはまった感じなのかな。


 オレは玲央と会う前ってどうしてたんだっけ、と思い出してみると。

 朝は家で簡単なもの作って食べてて。
 平日のお昼は学校で……夜は、クラスとかゼミとか、友達とか、智也と美咲たちとか……火曜は蒼くんと食べることもあったけど……でもそういうのは毎日じゃなくて、普通に家で作って食べてたっけ。
 オレは多分、一人で食べてたところに、玲央が入ってきてくれた感じ、かなぁ。だから、今のところ、誰かと会わなくなったとか、そんなことは特にないような気がする。

 そんなことを考えていたら、いろんな人たちと楽しかった玲央が、オレだけになって、いいのかなあ、楽しいのかなあ、と一瞬浮かんでしまったけど。

 すぐに、いつも楽しそうに笑ってくれる玲央の顔が浮かんで、それは消えた。


 最初の頃、ほんとにオレでいいのかなあ、と思っていた、少しの不安や心配も。
 ……玲央の笑った顔、浮かべると、すぐ消えていくように、なってきた気がする。


「――――……」


 玲央がオレと居て、楽しいって顔で笑ってくれて、触れてきてくれること。
 思い出すと、ほんとに幸せで。

 洗い終わって、手を拭きながら、食洗器置くならここにおくのかなあという場所を眺める。

 どうだろ。要るかなあ……??

 いつも、玲央と並んで食器洗うのは楽しいから、それを考えると、全然いらない、とも思うのだけど。

 玲央は食器洗うの面倒かな。
 ……別にオレがやっても全然いいんだけど。
 やっぱり話さないと決められないかも。


 時計を見ると、二十時を回ったところだった。
 シャワー浴びてこようかなあと思いながらも、そのままソファに一度腰かけた。



 玲央、どれくらいで終わるんだろう。
 もうすぐ、て言ってたけど。


 終わったら、曲、聞かせてもらえるのかなあ……。
 楽しみ……。



 その時ふとさっき考えてたこと、思い出した。


 今まで必要無かったから買わなかった食洗器。
 それを買おうかなと思うくらい。

 これからも一緒にご飯を作って、一緒に食べようって。
 そう思ってくれてるってことかなあと思ったら……なんだかすごく嬉しくなってきて。



 一人ソファの上で、顔が綻んでしまう。

  





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