【恋なんかじゃない】~恋をしらなかった超モテの攻めくんが、受けくんを溺愛して可愛がるお話。

星井 悠里

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◇同居までのetc

「可笑しくて」*優月

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 二限が終わって皆と食堂にやって来た。
 食事を買って席に座ってると、一限で一緒だった皆も偶然やってきて、なんだか近くで固まった。

「皆、なに食べてんの」

 あとから来た皆に聞かれて、食べていた皆がそれぞれ答えてる。

 よくする会話なんだよね。同じ学食で過ごす人も多いから、わりとメニューに飽きてくると、人が食べてるのを見て決めたりする。

「優月は?」
「アジフライ定食、だった。アジフライ食べちゃったけど」

 答えると、と笑いながら、

「オレもそーしよ」
 なんて言いながら、後から来た皆が食事を買いに離れて行った。

「なあ、優月の恋人の話ってさ、どこまで知ってんの?」

 隣の友達がそう言って、オレを見ると、そのセリフが聞こえた皆もこっちを見た。

「そうなんだよな、これ、仲良い奴しか知らねえの?」
「今の皆は知ってんの?」

「うん。今の皆は知ってる。金曜にクラス会で言ったから、クラスの人は結構知ってる」

 そう言うと、皆は何だかクスクス笑う。

「秘密じゃない訳ね」

 そう言われて、うんうん、と頷いて見せる。

「オレの恋人が男の人っていうのだけなら、全然。秘密じゃなくていいよ」

 ありがと、と皆に言いながら、もぐもぐ食べていると。
 皆が興味深そうにオレを見つめる。

「どんな相手か気になるんだけどー」
「なー? ほんとだよなー」

「優しい?」

 聞かれて、「うん」と頷くと、「まあそりゃそうか」と皆が笑う。

「優月が付き合う奴が優しくない訳ないよな」
「怖い奴と付き合わないだろ」

「――――……まあ……うん……」

 そう言われたら確かに、そう、な気もするけど。
 怖い奴ってどんなかな……。

 そこで、ご飯を食べ終わって、ごちそうさまーと言っていたら、隣の友達がふっと気づいたようにオレを見た。
 
「なあ、オレ、ちょっと気になってる人は居るけど」

 その言葉に、え?と、オレと皆が注目すると。

「最近優月と居るの見るようになって、なんかすっげー、雰囲気ある……」

 オレが思い切り、あ、と口を開けて。

 どうしよう止める? 止めるのも不自然? いやでもな。
 どうしようかと思いながら、そのセリフを聞いていると。

 言ってた友達はオレの顔に気付いたみたいで、あ、と固まってから、苦笑いを浮かべた。

「ああ――――……っと。何でもない。ないない」

 そう言ったけど。
 周りの皆も、もうそこまで聞いたら思い当ってしまうみたいで、「あー……」と、ちょっと固まってる。

「何でもない、マジで」

 言い出した友達は、何だか必死になって言ってるけど。
 オレが、大丈夫だよと、言おうとした時。周りの皆も笑い出した。

「ないない」
「無い無い無い無い」

 皆が言いながらクスクス笑うので、意図には気づいて、オレも笑って頷いていた時。
 
「あっ優月ー」

 勇紀が少し離れた席から、おーい、と手を振ってくる。

「優月、何食べたー?」
「アジフライ定食ー」

「あっオレもそれにしようと思ってたんだ。買ってくるー。じゃね!」

 バイバイ、と手を振って笑顔を交わしていると、そこに甲斐も現れたので、手を振る。
 玲央は居ないのかなあ、なんて思っていたら。

「あいつはたまに優月と居るの見た事あるよな」

 そう言われて、「うん。勇紀、仲良しだから」

 ふふ、と笑ってると。
 ぽん、と頭を叩かれた。

 振り仰ぐと。
 ――――……何となく分かってたけど。玲央、だった。

「玲央」
「何食べた?」

「アジフライ定食……」

 オレ今日これ言うの、何回目? と可笑しくなってきて、笑ってしまうと。
 玲央は、ん?と微笑む。

「ううん。玲央は何食べるの?」
「んー。見てくる。じゃな」

「うん」

 バイバイ、と手を振って。玲央が甲斐の方に歩いていくのを見送る。

「うーん……」
「んー……」
「んーんー……」

 隣で変な声を出し始めた皆に、ん? と見回すと。

「何でもない」
「気にすんな」

 といわれるけど、引き続き、皆が唸ってる。

 んー……と、黙った後。オレ。
 可笑しくなって、吹きだしてしまった。

 あ、と、両手で口元押さえてると。

「つか、お前が笑うなよ」
「そーだよ、こっちは我慢してるんだっつの!」
 
 うん、多分そうなんだと思う。あーなんか……。

 皆、大好きだなあ……。

 なんて思うと、なぜだかますます可笑しくて、笑ってしまう。
 







(2022/10/19)

次またちょっと夏の番外編です♡
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